<IT活用で営業を強く!>第8回:スケジュール管理や日報と勘違いしないこと | 東京IT新聞

<IT活用で営業を強く!>第8回:スケジュール管理や日報と勘違いしないこと

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<IT活用で営業を強く!>第8回:スケジュール管理や日報と勘違いしないこと
  • <IT活用で営業を強く!>第8回:スケジュール管理や日報と勘違いしないこと

IT業界での長年の勤務を経て営業コンサルタントとして独立した筆者。ITツールを使って「営業」を強くする方法を、これまでの経験から伝授していく連載の第7回目。第4回に「営業ITツールの導入を『小さく始める』前に、考えておくべきことは大きく3つ、ビジョン・ターゲット・オペレーション」だと書きました。今回からは、いよいよITツールが本領を発揮するオペレーションについて考えていきましょう。

言われた通りのものを作ったのに・・・筆者の失敗例

 第2回に、私自身のIT営業ツールの導入失敗事例について書きました。そこでは、営業プロセスをきちんと定義せずに始めたがことが失敗の原因だったと反省していますが、実際にどんなシステムを作ったかは書いていませんでした。

 簡単にいえば、それは「スケジュール管理」と「日報」のシステムでした。何も考えずに、営業パーソンや営業マネージャーの言うことを取り入れようとすると、つい作りがちのシステムなのではないかと思います。

 営業パーソンは、まず訪問予定を営業ツールを入力します。訪問が完了したら、訪問記録を打ち込みます。訪問記録は1日分がまとめられて日報となり、マネジャーは部下の日報を見てコメントします。シンプル極まりないシステムと言えます。

 第3回には、「小さく始め、素早く成功」ということを書きました。私も「小さく始め」を実践し、ある営業部門を先行部門としてニーズをヒアリングして出来上がったのが、このシンプルなシステムでした。

 しかし、いつまで経っても「成功」しません。「言われた通りのものを作ったはずなのにどうして?」という疑問と不信感ばかりが膨らんでいきました。

不評の理由は「二度手間」と「対面での相談が一番」

 冷静に考えれば分かることです。まず「スケジュール管理」は完全な「二度手間」となりました。

 私が営業ITツールを導入していたのは、2003年から04年にかけてでしたが、社内には既にスケジュール管理用にグループウェアが導入されていました。これと、営業ITツールのスケジュール管理とが完全に連携していれば問題はなかったのですが、いきなりそんなシステム投資ができるわけもありません。

 「将来は必ず連携します」と空手形を発行してその場をしのいでいたのですが、いつまでも実現できず、最後は不信感から先行部門さえも離れていく始末でした。

 もう一つの「日報」についてはさらに不評でした。

 紙の日報でさえマネジャーは忙しさを理由に読まないものです。「IT化すれば、携帯電話で外から読んでコメントする」という言葉を信じていたのですが、結局は変わりませんでした。

 これは、そもそも私のいた会社では、「日報」というものが必要ではなかったということでしょう。「対面での相談が結局は一番」というのが導入してみてわかったことでした。

オペレーションが設計されていなかった

 こうして、私のIT営業ツール導入は「小さく始め」たにもかかわらず、「素早い成功」を見ずに終わってしまいました。

 現象としては導入した機能が不評だったということですが、その背景は私も含めて関係者全員が営業を甘く見ていたということのように思います。誰がどこを訪問しているというスケジュールを管理して、訪問記録である日報を提出させれば管理でき、売り上げも伸びる――こう思っていたわけですが、大きな勘違いでした。

 第一、これだけなら何もわざわざ新規に営業ツールを導入しなくても、(実は日報も含めて)従来のグループウェアでできることでした。

 では、グループウェアで営業がマネジメントできるかというと、それは「No」です。本当にそうであれば、営業ITツールなどこの世に必要はありません。

 数字に基づいた「科学的」な営業マネジメントを実施しようと決意し、その目的で営業オペレーションをきっちりと設計すれば、営業ITツールは強力な武器となります。

 私が失敗した本質的な原因は、オペレーションが設計されていなかったこと――すなわち営業は「科学」なのだという明確な意識がなかったことにあったのです。

《森川 滋之》

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