東大卒の弁護士が起業、資格試験対策を安価で学べるWebサービスが話題 | 東京IT新聞

東大卒の弁護士が起業、資格試験対策を安価で学べるWebサービスが話題

エンタープライズ ベンチャー/スタートアップ

東京大学卒の若手弁護士が起業して立ち上げた資格試験の対策サイト「資格スクエア」が話題を集めている。資格予備校などで人気を集める講師の授業をインターネット上から格安受講できるもので、司法試験の予備試験や行政書士、弁理士、社会保険労務士から公務員試験にいたるまで22分野で対策講座を開設。オンライン専業であることによる低価格と、どこでも受講できるという強みを生かし、ユーザを増やしている。

弁護士と投資会社でベンチャーに関わり、自ら起業

弁護士資格を持ちながら起業した鬼頭(きとう)社長は、自らの勉強法を綴った著書『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』(KADOKAWA中経出版)も昨年出版した
 資格スクエアは、弁護士資格を持つ鬼頭(きとう)政人社長が一昨年(2013年)12月に株式会社サイトビジット(東京都千代田区)を立ち上げると同時に開始したWebサービスだ。  2004年に東京大学法学部を卒業後、07年9月に弁護士登録を行った鬼頭社長は、そのまま法律事務所に所属。企業間紛争や民事再生といった案件に携わるなかで、ベンチャー企業とも関わりを持つことになったという。  これを契機に「ベンチャー支援に携わりたい」との思いが募り、官民出資の投資ファンドの産業革新機構の社員に転身。企業再編やベンチャー投資に携わり、その後に自ら起業したという異色の経歴を持つ。  弁護士の起業は昨年(2014年)12月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場した弁護士ドットコムの元榮(もとえ)太一郎社長が知られるが、鬼頭社長は企業勤務を経たことや、東大卒のエリート弁護士だったという経歴が珍しい。

圧倒的な安価で資格予備校レベルの講座を公開

資格予備校のカリスマ講師などによる授業を安価で公開
 資格試験対策のクラウド化を目指すとのコンセプトで立ち上がった資格スクエアは、動画ならではの低価格と同社独自の学習を促すシステムが特徴だ。  司法試験の予備試験や行政書士といった難関資格試験の対策には、民間の予備校へ通う方法があるが、年間で数十万円程度の費用がかかる。  初年度で合格できた場合はともかく、不合格となって2年目以降も挑戦する場合は同じ内容を聞くために数十万円を支払うか、参考書などをもとに独自で学習するしか方法がなかった。また、社会人が資格試験に挑戦する場合、予備校への通学自体が負担となるケースも多い。資格スクエアはそうしたニーズを取り込んだ。  たとえば司法書士や弁理士などの講座は月額4000円から受講でき、司法書士は同5000円から、司法試験の予備試験講座は2万2000円からといった料金体系となっている。予備校に比べるとかなりの安価となるため、サービス開始当初は「怪しいのではないか、との懸念を持たれたこともあった」(鬼頭社長)ほどだったという。  ただ、講座を担当する講師はLEC(レック)や伊藤塾などの大手予備校で活躍した吉野勲氏や、弁理士試験対策のカリスマ講師として知られる正林真之氏らを起用し、予備校レベルの授業品質を確保している。  さらに一部分野では、動画で学習したのちに実際の場で質問やより深い指導を受けられる「反転授業」の機会も設けている。

質問と回答を蓄積、集合知を取り込んだ学習を支援

集合知を活用して効率的な学習を支援する「資格スクエアクラウド」も開始した「資格スクエア」
 今年2月からは新たに「資格スクエアクラウド」と名付けたサービスも新たに追加した。  これは動画だけでなく、同時に講義内容のレジュメ(資料)を見ることができるものだ。  たとえば、司法試験の予備試験講座の場合、レジュメには条文や判例をすぐに参照できるようリンクが貼られている。また、独自に編集することもでき、ユーザ自身が補足を書き込んだり、アンダーラインを引いたりすることが可能だ。  加えて、レジュメの該当部分を示して講師に質問を投げかけることもできる。質問内容と回答はクラウド上に蓄積され、誰でも閲覧できるようになっている。集合知を取り込むことで効率的な独自学習を支援していくことを狙いとする。  スマートフォン(スマホ)やタブレットの普及にともない、近年は場所や時間を選ばずに学べる動画学習プラットフォームが流行している。趣味的な内容から大学レベルの学術的な講座までさまざまな内容の動画が公開されているなか、資格試験対策に特化している点で資格スクエアのサービスは画期的といえる。多忙な社会人のニーズも取り込めそうだ。
《東京IT新聞 編集部》

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