去就が注目されたLINE退任の森川CEO、自ら起業&若い起業家支援へ動く | 東京IT新聞

去就が注目されたLINE退任の森川CEO、自ら起業&若い起業家支援へ動く

エンタープライズ 経営

去就が注目されたLINE退任の森川CEO、自ら起業&若い起業家支援へ動く
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LINEの前CEOである森川亮氏は今月(4月)10日、動画ファッション雑誌「C Channel(Cチャンネル)」の事業を始めた。ユーザからの投稿に加え、自社や協力会社を通じてプロ仕様のコンテンツも用意。英語化するなどして海外向けにも積極的に発信する。当初はWeb版だけだが、夏までにスマートフォン(スマホ)アプリを提供。多数のコンテンツやユーザを獲得した上で、さまざまなマネタイズを実行していくとみられる。

東京原宿にスタジオを置く女子向けの「Cチャンネル」

森川氏が立ち上げた動画ファッション雑誌「C Channel(Cチャンネル)」
 福岡市で開かれたIT系ベンチャーのイベント「B Dash Camp(Bダッシュキャンプ)」のセッションで、森川氏が自ら明らかにし、事業内容などを説明した。  3月末でLINEを退任した森川氏の去就は、IT・ネット業界の注目を集めていた。それだけに、会場には集まったベンチャー経営者ら聴衆は興奮に包まれた。  事業を運営する新会社はサービス名と同じく「C Channel」。「CはコミュニケーションのC」(森川氏)だ。  ファッションなどを取り扱うこともあり、本社は若者文化の東京・原宿に置いた。動画を撮影するためのスタジオも開設する。オープンは今月(4月)19日を予定する。

“クールジャパン”関連の情報を動画を配信

 動画関連市場は世界各国で拡大しつつある。C Channelでは、日本文化の強みであるファッションや食事、観光など、いわゆる“クールジャパン”関連の情報を動画で制作し配信する。インターネット業界とテレビ業界から、それぞれ人材を集めた。  森川氏は「これからは個人が主役になる時代」としたうえで、コンテンツを「コストは低く、クオリティーは高くつくる」ことで、個人を支援し、ビジネスにすることを表明した。  「自撮りとプロの映像を取り混ぜながら、1日10本程度上げていく。地方や海外の方々とも提携する」などと今後の方針を語った。

5億円の資金調達、ネット業界の大手が応じる

Bダッシュキャンプに登壇した森川氏
 森川氏の対談相手を務めていたイベント主催者であるB Dash Ventures(Bダッシュベンチャーズ)の渡辺洋行代表は、会場の聴衆に対し、「当たりますかね、このサービス。私ならLINEの社長を辞めないですよ」などと茶化す一幕も。実はBダッシュは、森川氏のCチャンネルに出資している。  4月下旬をめどに、第三者割当増資による資金調達も実施。調達額は約5億円になる。LINEを育てた実績があるだけに、Bダッシュのほか、ネット業界の大手が増資に応じる方向だ。楽天やアイスタイル、グリー、ネクシィーズなどが本体で株主になるほか、GMOはベンチャーキャピタル子会社で引き受ける。このほか、グーグル日本法人の代表だった有馬誠氏のMAKコーポレーションも名を連ねる。  もっとも重要なのは、アソビシステムホールディングスだろう。同社は、イベント運営やプロモーションなどを手がける。所属アーティストの「きゃりーぱみゅぱみゅ」をプロデュースするノウハウを新会社の事業にも生かす。同社の中川悠介社長は「カルチャーをつくるという森川さんの考えに共感した。市場はある」と強調していた。

マネーフォワードなど4社の社外取締役に

 森川氏はまた、複数のベンチャー企業の社外取締役にも就任した。資産管理アプリのマネーフォワードや、アプリ情報サイトを手掛けるヴォラーレと、人材サービスのネオキャリア、SNS運営のトークノートの4社だ。  健康管理などを手がけるFiNC(フィンク)の戦略顧問も務める。森川氏の知見を活用して事業規模を拡大し、海外展開もにらんでいる。  同氏はLINE社長退任の理由の一つとして、若い起業家を支援したいと話していた。実績を残した経営者が繰り返し起業したり、後進を支援したりすることは起業先進国の米国などでは当たり前のこと。日本でもそうした流れが定着しつつあるようだ。 【写真上】Bダッシュキャンプにサプライズで登場したLINEの出澤剛社長が森川氏に花束を渡して門出を祝福した
《鈴江 貴》
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