“紙”の名刺管理に苦戦……無料アプリを使えばこんなに便利なのか! | 東京IT新聞

“紙”の名刺管理に苦戦……無料アプリを使えばこんなに便利なのか!

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IT化が進んだビジネス現場で唯一電子化が遅れているのが「名刺」の世界。ビジネスパーソンの必須アイテムながら、今も“紙”で交換され、日々貯まっていくなかで、管理をどうするか頭を悩ませることも多い。そんななか、じわじわと人気を集めているのがスマートフォン(スマホ)アプリを使った名刺管理だ。名刺をカメラで撮影したり、スキャナで読んだりすると電子化してくれる。検索はもちろん、名刺データをもとにつながりが広げる機能も備える。このゴールデンウィークに、新しい名刺管理の方法を考えてみませんか。

「すごい名刺管理」「CamCard」などアプリは多数

左上から「すごい名刺管理」「Cardful(カードフル)」「スマート名刺管理」「CamCard(キャムカード)」のアプリアイコン
 名刺管理アプリは複数の企業から提供されており、無料版から一部有料版までさまざまだ。  たとえば、リクルート傘下のビズアイキュー(Biz-IQ)が展開する「すごい名刺管理」や、Evernoteとの連携機能を持つソースネクストの「Cardful(カードフル)」、ジャストシステムによる「スマート名刺管理」など、大手企業が名刺の電子化という分野で力を入れ始めている。  また、世界的に有名な米INTSIG(イントシグ)による「CamCard(キャムカード)」も日本ではキングソフトと連携して浸透を進める。  数あるアプリのなかで今、Sansan(サンサン)が提供する無料アプリ「Eight(エイト)」がIT界を中心に利用者を増やしている。

企業向けのSansanが個人向けにも無料アプリ

名刺専業ベンチャーのSansanは主力である法人向けの「Sansan(サンサン)」と、無料で個人向けの「Eight(エイト)」の2サービスを展開しているが、現時点では一切の連携ができない点に注意が必要
 アプリ提供元のSansanは2007年に創業、名刺管理に特化したベンチャー企業だ。名刺に書かれた情報を人力によって電子化し、クラウド上で管理ができるサービス「Sansan」を展開する。近年はテレビコマーシャルの放送もあって急速に浸透が進んでおり、今年(2015年)4月現在で3000社が導入。法人向けサービスではトップのシェアを持っている。  企業向けであるSansanのノウハウを生かし、個人向けサービスとして開発されたのが無料アプリのEightだ。  2012年2月に公開された頃は、先進的なユーザにのみ知られる存在だったが、最近では「Google Play」で14年のベストアプリに選出されるなど、名刺管理の定番として知名度が上がっている。  スキャナやカメラなどで読み取った名刺を人の手で電子データ化するという特徴はSansanもEightも同様だが、Sansanが企業や組織内で名刺データを共有することを目的としているのに対し、Eightは名刺交換者や他の利用者と“つながり”を持てるような工夫が施されているのが特徴だ。

電子化と管理機能だけでなく、SNS的な要素盛り込む

相手がEightを使っていればアプリ上でメッセージのやり取りも可能
 Eightの使い方は簡単。アプリをダウンロードし、自らの名刺をスマホのカメラで撮影することで、プロフィールデータを登録する。その後は、もらった名刺を1枚づつカメラで撮影していけば、何日か後には勝手に電子データ化されている。蓄積されたデータはパソコン上でも閲覧できる。  多くの名刺管理アプリは、OCRという文字認識機能で電子化されているため、名前や会社名を誤認識されるケースも目立つが、Eightは人の手で入力されているため間違いは少ない。  単に名刺を電子化するだけでなく、名刺交換を行った相手がEightを利用している場合は“つながっている”ことが双方に通知され、アプリ上でメッセージをやり取りできるようになる点が面白い。

名刺の記載内容が変わったら一斉通知機能も

今年2月に開始した有料の「Eightプレミアム版」では、名刺データのダウンロードや優先データ化などのメリットを提供
 自らの名刺の記載内容が変わった場合も、プロフィール用名刺を新たに撮影すると、アプリを通じてつながっている人には自動通知される。オフィスの引っ越しや部署移動、役職変更などの際には、一斉告知できるので便利だ。  加えて最近では、Eight上で他の利用者を検索し、バーチャル上で名刺交換ができる機能も新たに追加された。  さらに今年2月からは月額400円もしくは年額4000円の「プレミアム版」も登場。名刺データの優先入力やデータのダウンロードといった機能も提供されるようになった。  Eightは名刺を管理するだけでなく、利用者間でつながりを可視化したり、新たなつながりを得たりするというSNS的な要素が盛り込まれている。

喫茶店やコワーキングにスキャナを大量設置

喫茶チェーンの「ルノアール」など全国1000カ所にはEightに名刺データ取り込む専用スキャナを設置
 ただ、Eightも含めてこうした名刺管理アプリの難点は、名刺をカメラで撮影するのが案外難しいという点だ。  カメラの枠内に名刺をおさめ、ピントを合わせる作業はそれなりに面倒。ピントがぼけてイライラさせられることも多い。何十枚もの名刺を撮影する作業は骨が折れる。  そうした声に押されたのか、Eightの提供元であるSansanでは昨年から「どこでもスキャン」というキャンペーンを始めた。  ビジネスパーソンが立ち寄る機会の多い場所を中心に、Eight専用の名刺読み取りスキャナの設置を進めている。  カメラチェーン「キタムラ」の900店をはじめ、全国の主要コワーキングスペースや、この4月からは喫茶チェーン「銀座ルノアール」の80店にも設置場所を広げ、全国1000カ所で名刺のスキャンを行えるようにした。 
オフィスなどに訪問して名刺を取り込んでくれるサービスもある
 名刺を預けておけばスキャンしてくれる有料サービスや、専任スタッフが訪問して貯まった名刺を一気にデータ化してくれるサービスもある。  これ以外にも富士通製のスキャナ「ScanSnap(スキャンスナップ)」にも対応しており、対応機種を購入すれば個人でスキャンすることも可能だ。  単なる無料アプリだと思っていたら、ビジネスを後方支援してくれる欠かせないツールとして、年々便利さに磨きがかかっている。  紙の名刺管理に悩んでいる人は、Eightなどのアプリをダウンロードしてみることをお薦めしたい。大半が無料なので気軽に試すことができるのもメリットだ。長期休暇中にぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。 【写真上】アプリ「Eight」のWebサイトより
《東京IT新聞 編集部》

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