Web媒体で金融テクノロジ「フィンテック」界に旋風、ZUU(ズー)に注目 | 東京IT新聞

Web媒体で金融テクノロジ「フィンテック」界に旋風、ZUU(ズー)に注目

エンタープライズ 市場動向

Web媒体で金融テクノロジ「フィンテック」界に旋風、ZUU(ズー)に注目
  • Web媒体で金融テクノロジ「フィンテック」界に旋風、ZUU(ズー)に注目

誰もが金融の世界を身近に感じてもらうためのフィナンシャルプラットフォームを目指す――。一昨年(2013年)4月に野村證券の元社員が立ち上げた金融分野のWebメディア「ZUU online(ズー・オンライン)」が人気を集めている。富裕層ユーザの急増を背景に、来年11月には運営会社である株式会社ZUU(ズー、東京都渋谷区)の上場も予定。資金調達でメディアの海外展開も視野に入るなど、創業から2年超で飛躍を遂げつつある。

「ZUU online」など複数のメディアを運営

富裕層の閲覧者が急増する「ZUU online(ズー・オンライン)」
 ZUUは野村證券で超富裕層向けプライベートバンク部門などを担当した冨田和成CEOが立ち上げた。金融や経済の専門家約500人以上による執筆陣のネットワークを構築。専門性の高い記事を公開することで、他の経済関連メディアと差別化を図る。  主力であるZUU online(ズー・オンライン)のほか、「不動産online」「経営者online」など、主に富裕層や経営層向けに金融や経済関連メディアを複数展開する。  このほか、銀行や証券会社の社員向けには、業界動向などをまとめた「ZUU Advisors(ズー・アドバイサーズ)」と名付けた会員制メディアを立ち上げている。  会社全体の収入は各メディアの広告売上が約6割を占めるが、銀行や証券会社などからのオウンドメディア(自社運営メディア)の立ち上げや運営も請け負っており、この部分も伸びているという。

資産を3000万円以上持つ層から高い支持

税金や資産運用、保険、不動産、事業継承といった金融分野の話題を取り扱っている
 同社の冨田CEOは「金融商品は難しいということもあり、一般の人は圧倒的に情報が不足している。そのため、証券や保険会社などの営業マンの話に頼り切らざるを得ない面がある。自ら判断ができるような情報を発信していきたい」と話す。  そうした思いから、同社のメディアはアクセス数を稼ぎやすい“軟派記事”をできうる限り排し、金融や経済分野での“硬派な記事”に特化している点が特徴だ。  ある程度の金融や経済分野に関心を持つ層にターゲットを絞ったため、当初はユーザ数が伸び悩んだものの、この1年は記事の発信本数を増やしたこともあって閲覧者が急増。現在は月間の固定ユーザ数が150万を超えているという。  特に金融資産を3000万円以上持つ層からの支持が高く、これが広告収入の増加につながっているようだ。

情報発信で「金融の世界をひっくり返したい」

2016年11月の上場を目指す株式会社ZUUのWebサイト
 金融メディアの好調ぶりもあり、同社は創業から2年超ながら既に来年(2016年)11月には上場も予定する。  資金調達によって、Webサイトを効率的に運営する独自CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)や、機械学習によって記事の関連付けを自動化するシステムなどを開発したい考え。また、現在公開している英語版サイトを拡充し、海外展開を積極化していく構想も持つ。  大手証券会社勤務だった冨田CEOが率いるだけに、ゆくゆくは金融商品を扱うのではないかとの声もあるが、「自社で扱う考えはない。この分野は規制によってイノベーションを起こすための制約が多い。あくまでも“その前の段階(情報収集や提供)”で勝負していきたい」と話す。  「ウォールストリートが先導する金融の世界をひっくり返し、仕組みを変えて顧客が幸せになれるような世界を実現したい」と力を込める。  Webメディアという形で「FinTech」(フィンテック=FinanceとTechnologyを合わせた造語=金融テクノロジ)の世界に旋風を巻き起こしそうなベンチャーに注目だ。 【写真上】ZUUの冨田和成社長兼CEO 【参考記事】金融テクノロジ「フィンテック」に商機、大手銀もベンチャー取り込み(2015年4月14日)
《東京IT新聞 編集部》
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