<緊急提言>世間で悪い注目を集めるドローン、自律化が窮地を救う | 東京IT新聞

<緊急提言>世間で悪い注目を集めるドローン、自律化が窮地を救う

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<緊急提言>世間で悪い注目を集めるドローン、自律化が窮地を救う
  • <緊急提言>世間で悪い注目を集めるドローン、自律化が窮地を救う

「ドローン」の旗色が悪い。以前から良いというわけではなかったが、さらに悪くなったようだ。きっかけは先月、首相官邸の屋上で墜落したドローンが見つかる“事件”が起こってから。その後、長野市の善光寺で少年が飛ばしていたドローンが行事中に墜落したことが報道されると、世間の緊張感はさらに高まった。果ては栃木県小山市の田んぼで墜落したドローンが発見されたことですらもニュースになっている。

ドローンに対する過剰反応が広がっている

首相官邸へのドローン落下事件は4月22日に発覚し騒然となった(NHK NEWSのWebサイトより)
 栃木県でのドローン墜落は、公的な重要施設でもなく、見物人が多く集まる行事中でもない、おそらくそうした危険性を回避することを目的として、選んだと理解できる場所での出来事だ。  もちろん、墜落の事実がまったく問題ないとは言わない。田んぼでも仕事中の人や通行中の人がいたかもしれないし、墜落によって破損されたものもあるだろう。  しかし、世間で問題視されている事件の文脈の中で、果たしてこれは報道されるほどのものだろうか。ドローンに対する過剰反応と思えてならない。  そして、報道されることで受け手もこれが「ニュースになるほどのこと」という認識が生まれ、さらなる過剰反応を引き起こす悪循環が生まれる。

「規制」ではなく「安全運用ルール」という形に

日本のドローンベンチャーである自律制御システム研究所では自律制御を研究している
 いうまでもなくドローンの技術自体に善悪はない。重要なのは使い方だ。単純にドローンの使用を規制することはさまざまな弊害を引き起こす。  こうしたなか、今後のドローンの扱いについて、航空宇宙分野のノンフィクション作家である松浦晋也氏は、規制ではなく「みんながより一層便利かつ安全にドローンを使える制度を整備していく」という方法しかないと自身の記事で述べている。  ドローンベンチャーである株式会社自律制御システム研究所(千葉市稲毛区)の代表取締役でもある千葉大学の野波健蔵特別教授も、「規制」ではなく「安全運用ルール」という形が望ましいと語る。  では、ドローンのイメージ回復の決め手はなにかといえば、それもやはり「使い方」でしかない。

ネパール地震での活用や追尾カメラに光明

自撮りドローン「Lily」は“空撮”ではなく“自撮り”。使い方にフォーカスしたことで周囲の不安を減らせる
 その意味で、同時期にニュースとなったネパールの大地震災害現場で上空から状況把握を行うためのドローン活用や、自分を自動追尾して撮影してくれる米国発のドローンカメラ「Lily(リリィ)」はド活用に対する光の面を照らし出してくれる。  繰り返すが、重要なのは安全面に配慮しながらなぜ飛ばすのか、ということだ。  そしてもうひとつの要素は以前に本コラムでも指摘したドローンの「自律化」だろう。  具体的には、ドローンによる自動配達など、サービスの構成要素として振る舞うドローンは自律化が重要だ。それはミスをなくし、事故を減らすことにもつながる。

人間が目視で状況把握して対応するには限界

 先の善光寺での墜落事故は操縦していた少年が誤ってモーターを緊急停止するボタンを押したためという話もあるように、人が介在すると必然的にヒューマンエラーの可能性も増える。  先頃、グーグルの自動運転自動車が6年間の試験走行中で起きた事故は11件で、いずれも軽微な事故だったという。そのうえ、自動運転車が起こした事故はない。ドローンは上空を飛行するため、人間が目視などで状況把握して対応するのには限界がある。  安全にドローンを使える状況というのは、自律化によって、人間がドローンの飛ばし方を考えることなく、目的にあわせて使うことのみを考えられるようになった状況だと考えている。
《箱田 雅彦》
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