クラウドワークス、“働き方革命”で20年後3兆円の壮大目標は本気か | 東京IT新聞

クラウドワークス、“働き方革命”で20年後3兆円の壮大目標は本気か

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クラウドソーシング大手のクラウドワークスが途方もない成長目標を打ち出した。今月(5月)15日に都内で開いた事業戦略説明会で吉田浩一郎社長は20年後に総契約額3兆円を目指す計画をあらためて宣言し、「ソフトバンクの孫(正義)さんのような“ホラ吹き”が我々の世代にいてもいいですよね」と語った。会社に所属しない新しい働き方を提供する「働き方革命」を旗印に掲げるクラウドワークスは時代の波に乗り成長を目指す。

給与総額の5%がクラウドソーシングに変われば

クラウドワークスは昨年12月にマザーズ市場へ上場している
 総契約額3兆円と言われても、ピンとこないかもしれない。総契約はECでいう流通総額のこと。算出の根拠を会社側は次のように説明する。  日本で支払われている給与総額がおよそ200兆円あり、その5%がクラウドソーシングに置き換わる。これで10兆円。クラウドワークスは最大手としてその30%のシェアを抑えるので3兆円になる――という計算だ。  1000万人がクラウドワークスを通じて働いていることを想定。達成した際にはクラウドワークスの売上高は数千億円規模になるとみられる。  ちなみに楽天は18期目にあたる2014年度に流通総額が2兆円を超えた。吉田社長は“ホラ吹き”と謙遜するが、案外、本気の数値目標なのかもしれない。

総契約額は1年前の2倍、クライアント数も3倍に

大手企業がクラウドソーシングを利用するケースも急増している
 同社が重視しているという総契約額は2015年1~3月で6億5600万円と1年前のほぼ2倍になった。仕事を得ようと同社に登録している人(クラウドワーカー)は3月末で50万人と同3.5倍。仕事を発注するクライアント数も3倍の7.5万社だ。  量だけでなく質も高まっている。トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャルグループなど超大手の仕事も増え、電力関係など規模の大きな仕事も受けるようになってきた。  この結果、2015年9月期連結決算は、総契約額34億6000万円で、売上高は10億200万円。営業損益は3億6700万円の赤字になる見通し。先行投資の時期ということで、爆発的な成長のステージに入っているとはまだ言い難い。

吉田社長が感極まって声をつまらせる場面も

あいさつする吉田社長(真中)と成田修造取締役副社長COO(左)、田中優子執行役員(右)
 株式市場の反応も冷静だ。厳しく言えば期待外れだったようだ。事業方針を発表したのは15日午後1時。その日の株価は前日比2円安。今週に入ってからは3営業日続伸しているが、戻りは鈍く、20日の終値1277円で上場初日につけた2040円には遠く及ばない。  吉田社長は、公募価格(760円)を一度も下回っていないと前向きに説明するが、上場後に買った一般の投資家からすれば、典型的な期待先行、期待倒れの株ということになりかねない。  説明会の席上、吉田社長は感極まってか、声をつまらせる場面があった。  前回の起業時に、ほかの取締役に顧客ごと逃げられ、年末にマンションで一人ぼっちになった悲しい思い出である。そんな中、ある取引先企業から送られてきたお歳暮に救われ、今度は「人のためになる、感謝される仕事」をしたい、という気持ちで創業したのが、主婦やクリエーターなどに仕事の機会を提供するクラウドワークスである。  その熱い気持ちをビジネスの成功につなげられるだろうか。 【写真上】事業説明会で壮大な計画を発表したクラウドワークスの吉田社長
《鈴江 貴》

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