<IT活用で営業を強く>第10回:営業目標クリアへの第一歩は仮説から | 東京IT新聞

<IT活用で営業を強く>第10回:営業目標クリアへの第一歩は仮説から

エンタープライズ 経営

<IT活用で営業を強く>第10回:営業目標クリアへの第一歩は仮説から
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IT業界での長年の勤務を経て営業コンサルタントとして独立した筆者。ITツールを使って「営業」を強くする方法を、これまでの経験から伝授していく連載の10回目。第4回に「営業ITツールの導入を『小さく始める』」に、考えておくべきことは大きく3つ、ビジョン・ターゲット・オペレーション」だと書きました。今回は、オペレーションについて考える3回目です。

営業オペレーションに必要な4要素とは

 前回は、営業オペレーションの4要素を紹介しました。以下の4つです。   (1)営業プロセスの定義  (2)営業目標と初期仮説  (3)マネジメントツール(営業帳票)  (4)定例ミーティング  今回は(2)について説明していきましょう。

最終的な目標と、達成するための指標に分けて考える

 営業目標の指標としては、売上高と営業利益が代表的なものでしょう。これらは最終的な目標となりますので「KGI(Key Goal Indicator)」といいます。  営業だけでなく、あらゆるマネジメントにいえることですが、KGIだけを設定して、メンバーに達成しろというのは乱暴です。KGI達成のための中間的な活動指標が必要になります。これを「KPI(Key Performance Indicator)」といいます。  KPIの例としては、アポ獲得数、コール件数、DM発送件数などが考えられます。  なお、KGIとKPIをひとまとめにKPIという場合もあるようですが、本稿では混乱を避けるために厳密に使い分けることにしました。

月商500万円を5人で達成する場合の考え方

 ここでは単純なモデルで仮説の立て方を解説します。  KGIは売上高のみで月商500万円とします。営業メンバーは5名いて、全員が均等に売上高に責任を持ちます。つまり1人あたり月商100万円の目標となります。取扱商品の平均売価は10万円です。  営業の流れは、まず電話でアポを取り、初回訪問でニーズをヒアリングし、ニーズに提供する商品がマッチするようなら商談を進め、契約が取れたら売上高として計上します。  このケースでのKPIが分かるでしょうか。  (アポ取りのための)コール件数、(アポが取れた結果の)初回訪問件数、(ニーズが合った上での)商談先数、そして契約件数となります。

どれぐらい行動したら目標が達成できるのか

 次にやるべきことは、どれぐらい行動したら目標が達成できるのかを考えることです。これが、初期仮説の設定です。1人あたりの行動量を考えてみます。ゴールから考えて行くのセオリーです。  100万円の売上目標で、平均売価が10万円ですから、契約件数の目標は10件となります。ここまでは自明のことです。  では、10件の契約を取るのに、商談は何件必要でしょうか。  ここからが仮説になります。会社における過去の実績や業界標準の数字、あるいは仮説ですからマネージャーの過去の実績から設定しても構いません。  ただし、あまりにもきつい仮説はモチベーションを下げてしまうので、少し頑張れば届くような数値を仮説として設定するのがよいでしょう。  また、5名ぐらいのチームであれば、全員で活発な議論をした上で数値を設定するほうがよいと思います。  仮説は率で考えます。あくまで一例ですが、具体的な仮説を挙げます。  成約率(商談が契約に至る率)=25%、2回目アポ率(初回訪問から2回目以降に進む率)=50%、テレアポ獲得率=10%です。

テレアポ800回で月商100万円が達成できる

 以上の初期仮説から、行動量を計算します。  成約率が25%ですから、商談先数は10÷0.25=40件必要となります。  次に2回目アポ率が50%ですから、初回訪問件数は40÷0.5=80件必要となります。  最後にテレアポ獲得率が10%ですから、コール件数は、80÷0.1=800件必要となります。  ようするに、「電話を800回かければ、月商100万円が達成できる」というのが初期仮説における結論です。このような具体的な数値があれば、目標達成のために行動しようという気持ちになります。

チーム営業実現のためにITツールを使う

 目標と初期仮説の立て方は理解いただけたと思います。  実際には、こんなに単純ではなく、初期訪問までの手段も、電話だけではなく、Web・DM・展示会・セミナー・紹介など複数あるのが普通です。営業プロセスももう少し複雑でしょう。  ただし、初期仮説で挙げた「率」については、原則が誰がやっても同じと考えるようにします。それこそスキルによって変わるという反論があると思いますが、そこを揃えて行くのが「チーム営業」を志すマネージャーの一番の仕事であり、またチーム営業の実現のために営業ITツールを使うのが最も効果的だからです。  「チーム営業」の具体的なやり方は、次回以降で説明します。
《森川 滋之》
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