資本主義のあり方変える!有力IT経営者が「世界を良くする経営」提唱 | 東京IT新聞

資本主義のあり方変える!有力IT経営者が「世界を良くする経営」提唱

エンタープライズ 経営

企業の社会貢献(CSR)に注目が集まっている。地球環境を保護するために植樹をしたり、東日本大震災の復興支援に取り組んだりする大企業は少なくない。ITベンチャーはこの課題にどう取り組むべきか。今月(6月)1日に開かれた「『公益資本主義』アントレプレナー・イニシアチブ決起集会」では、カヤックやクックパッド、サイボウズ、C Channelの経営者が語り合った。

欧米や中国型ではない「第三の資本主義」

原丈人(じょうじ)氏の『21世紀の国富論』は2013年に増補版として平凡社から再発売されている
 公益資本主義(Public Interest Capitalism)は、欧米の国々が志向する「株式資本主義」や、中国のような「国家資本主義」でもなく、社会全体の利益を考える“第三の資本主義”のことを指す。実業家でベンチャーキャピタリストである原丈人(じょうじ)氏が著書『21世紀の国富論』(2007年、平凡社)で提唱した概念だ。  イベントでは、司会者がまずパネリストにふった話題は「経営理念」だった。社会に良い影響を与えられるかどうか、会社の立ち位置を示すものだからだ。  口火を切ったのは「面白法人」という枕詞で知られるカヤックの柳澤大輔CEO。原氏の下で1年間学んできたという。 
カヤックの柳沢CEO
 「普通の会社は、設立にあたり、取り組む事業を考えるが、『面白く働くこと』をまず決めた」と同CEOは説明した。  「経営理念オタクなんです」と柳澤CEOは他社の経営理念も調べていて、「『経営理念』というキーワードでグーグル検索すると、うちの会社が出てくる」というほどだ。確かに実際に検索すると、「他社の経営理念を調べてみました」というタイトルが付いた同社のサイトが出てくる。  他社を調べ抜いた柳澤CEOによる良い経営理念とは、事業の内容を理解でき、経営の戦術がみえてくる言葉だという。ちなみに、同社の経営理念は「作る人を増やす」だ。

現在の資本主義は「アップデートが必要」

クックパッドの佐野取締役(上)とサイボウズの青野社長

 続いてマイクを握ったのは、クックパッド創業者の佐野陽光取締役。

 「めったにこういうところに出て来ないのできょうの見所ですよ」(柳澤氏)と紹介された

 クックパッドは「毎日の料理を楽しみにすることで心からの笑顔を増やす」が経営理念。  「こんなことだけ徹底的に取り組む会社が世界に一つくらいあってもいいだろうと思っている」と話す。  「今の資本主義は好きだ。ただ、そろそろアップデートは必要。それが公益資本主義だと思う」(同)。  「チームワーク溢れる社会を創る」との理念を掲げるのはグループウェアを手がけるサイボウズ。  青野慶久社長は「社長自ら夕方4時までの勤務を実践して長時間労働をなくし、日本の働き方を変えたい。そのためにはチームワークが必要」と訴えた。

“お金持ち”の意見ばかりが通る現状に懸念も

C Channelの森川社長(上)と司会を務めた山口氏
 ファッション動画を配信するC Channelの森川亮社長は、「資本主義と民主主義が定着した一方で、結果として“お金持ち”の意見ばかりが通るようになって、ちょっとゆがんでいるのかなと思っています」と懸念を表明。  「いつ死ぬか分からないので、日本のために一生懸命やろうと思った」と起業の動機を明かす。  地方創生やエネルギーなどを研究した末、「若い人が共感するメディアがない」と考えたという。その結果「日本を元気に、世界を明るくしたい」と強調した。  司会を務めた山口豪志氏は、クックパッドやランサーズの創業期メンバー。現在は、原丈人氏の下で公益資本主義の普及にも取り組んでいる。  「ウルウル来た」と今回のイベントを開催できた喜びを語った。  会場には、このテーマに関心を持つことで知られる孫泰蔵氏もお忍びで参加していた。  若い世代のベンチャー経営者は事業だけではなく、資本主義のあり方でも新風を吹かせられるだろうか。 【写真上】初の開催となった「『公益資本主義』アントレプレナー・イニシアチブ決起集会」のFacebookページより
《鈴江 貴》

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