阪急と東急が揃ってベンチャー支援に着手、狙うは沿線の活性化 | 東京IT新聞

阪急と東急が揃ってベンチャー支援に着手、狙うは沿線の活性化

エンタープライズ ベンチャー/スタートアップ

大手鉄道会社がベンチャー企業の支援に相次いで乗り出している。昨年(2014年)11月に阪急電鉄が大阪梅田に会員制スタートアップ支援オフィスを構えたことを皮切りに、今月(6月)には東京急行(東急)電鉄が沿線でのビジネス展開を支援する「アクセラレートプログラム」を開始。東西私鉄の“雄”が揃ってベンチャー支援を開始したことで、他の鉄道会社にも影響を与えそうだ。

阪急梅田駅前のビルに起業家が集う会員制オフィス

阪急電鉄が昨年11月に開設した会員制オフィス「GVH #5(ジー・ブイ・エイチ・ファイブ)」
 阪急電鉄は昨年11月、梅田駅前のビル内にベンチャー支援のための会員制オフィス「GVH #5(ジー・ブイ・エイチ・ファイブ)」を立ち上げた。起業を目指す人が集うことで、先輩起業家や専門家などからサポートを受けられるようにして、関西の新たなビジネス拠点を目指そうという考えだ。  さらに今年3月には創業間もない「シードステージのスタートアップ(成長志向の新興企業)」に特化したファンド「梅田スタートアップファンド1号投資事業有限責任組合」に2億円を出資。資金面からも支援することで、「起業を志す人材を梅田に吸引し、関西におけるスタートアップの活動の活性化に努めていきたい」(同電鉄)としている。  ファンドの運営は起業家育成の実績が高いサンブリッジコーポレーション(東京都渋谷区、アレンマイナー社長)が行う。

東急沿線ベンチャーの成長を支えるエコシステム作り

東急電鉄が今月から開始した「アクセラレートプログラム」のFacebookページ
 一方、東急電鉄は法人設立から5年以内のベンチャー企業を対象に「アクセラレート(加速)プログラム」を今月スタートさせた。「渋谷を中心とした東急線沿線において、ベンチャー企業の持続的な成長を支えるエコシステムを構築する」(同電鉄)ことが目的だ。  来月(7月)には「交通」や「不動産」「生活サービス」の3事業領域を中心にサービスやプロダクト(製品)を募集し、審査を経て12月から支援を開始する計画。  審査を通過した企業は、東急線沿線のグループ媒体や各施設、顧客基盤、営業網、東急総合研究所の各種調査データなどを利用したテストマーケティングを行えるほか、東急電鉄が業務提携なども検討していくという。  プログラムの運営はプログラムの運営は、同電鉄と株式会社IMJインベストメントパートナーズ(本社シンガポール、堀口雄二社長)が共同で行う。  東急電鉄は創業間もない大正時代、私鉄経営のモデルを築いたとされる阪急電鉄の小林一三創業者からアドバイスを受け、沿線の開発手法や駅ビルなどの事業多角化を学ぶ形で発展させてきたといわれる。2電鉄が起業家支援にいち早く目を向け、阪急の後に東急が続く形で、ほぼ同時期に開始することになったのは偶然だろうか。

九州では西鉄がターミナル・天神にコワーキング

西鉄などが今年6月にオープンさせた「天神 COLOR」
 なお、九州では最大手の西日本鉄道(西鉄)がターミナル駅を持つ福岡市・天神にコワーキングスペース「天神 COLOR」を開設するなど、日本政策金融公庫などと起業家育成プログラムを先月(5月)からスタートさせている。  多くの鉄道会社は人口減で乗客の減少傾向が続いている。そうした状況を打開するきっかけ作りとして、この先も他の鉄道会社が起業家やベンチャー支援に乗り出す可能性はありそうだ。
《東京IT新聞 編集部》

特集

page top