世界中の講師と生徒つなげ音楽や俳句も学べる、カフェトークの魅力 | 東京IT新聞

世界中の講師と生徒つなげ音楽や俳句も学べる、カフェトークの魅力

コンシューマー 産業のIT化

オンラインレッスンと聞けば、英会話などの語学習得を連想してしまいがちだが、ピアノやバイオリン、俳句やペン字など、オンラインの常識を超えた授業を展開しているのが「カフェトーク」だ。同サービスは“世界中の人が使えるサービスをつくる”を理念に運営。日々世界を飛び回る株式会社スモールブリッジ(東京都渋谷区)の橋爪小太郎代表に話を聞いた。

世界50カ国の講師陣からSkypeでレッスン受講

世界各地に住む800名の講師と3万5000人の生徒をつなげる「カフェトーク」
 スキルアップを望む人ならば、一度は“習いごと”に興味を持った経験があるだろう。最近では、教室に通わずともオンライン上で語学学習ができるサービスも増加傾向にあり、学びのスタイルとして定着しつつある。  なかでも、近年人気を集めているのがオンラインレッスンの専門サービスであるカフェトークだ。  世界50カ国に居住する講師陣による英語やイタリア語などの語学分野をはじめ、絵画教室や俳句、ヨガやメイクなど、100カテゴリー6000件を超えるレッスンを展開。生徒らはカフェトークのサイト上で、レッスンのスケジュール調整やマッチングを行い、受講料も支払う。  そして、実際のレッスンは無料通話ソフトの「Skype(スカイプ)」を使って受ける形だ。自宅のパソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンでレッスンを受ける人も多いという。

ピアノも編み物もオンライン上で学べる

語学をはじめ音楽、アート、趣味、資格など10以上のジャンルでオンラインレッスンを提供している
 橋爪代表はカフェトークについて「最大の特徴は、なんといってもバラエティに富んだ授業内容。編み物教室もあれば、英語で学ぶチェスレッスンなど、細かいニーズに対応しているので、語学力を上げながら趣味の幅を広げる方も多い」と話す。  多様を極めるカフェトークの授業カテゴリー。なかでも、ピアノやギター、ボイストレーニングなど、音楽に特化したレッスンをオンラインで受けられるのは、世界でも珍しいという。  「きっかけは『音楽を専門にしている』という講師がいたこと。それならば、オンラインでも音楽レッスンを提供できるのではないか、との発想から始まりました。昨年3月に語学以外のプログラムを正式にスタートしたところ、今ではイタリアに住むイタリア人の生徒さんが、アメリカにいる講師のピアノレッスンを受けるなど、面白い方向に広がっています」。  ジャンルの枠にとらわれず、オンラインに特化したからこそ実現した、新しい世界交流といえる。

目指しているのは「学びのプラットホーム」

 「語学スクールがしたかったわけではないんです。スキルを持っていても、さまざまな事情で海外にいることで生かせていない人がいる。そんな人々がカフェトークを通して自らの技術を提供する『学びのプラットホーム』を目指しています」。  カフェトークでは、オンラインならではのサービスとして24時間のユーザサポートを実施している。  「生徒のみなさんも、直接対面だと気軽にやりとりできますが、オンラインでの会話はハードルが高い。そこで、24時間サポートやメールの即返信など、我々が積極的に接点を持つことで利用者の意見を聞き、サービスの改善につなげています」。

米のカルチャースクールで体験した“リアルな授業”

自身もカフェトークのヘビーユーザだという橋爪代表は、世界中を飛び回るなかでもオンラインでレッスンを受ける
 世界中の学びの機会をつなげるカフェトーク。その原点はアメリカにあるという。  「インターネットサービスが流行し始めた頃、私は商社に勤めていたのですが、感化されて『ネットを使って何かしたい、シリコンバレーに行ってみよう』と考え、会社を辞めてアメリカへ行ったんです」。  “思い立ったが吉日”とばかりに米国に渡った橋爪代表は、まず現地の語学スクールで英語を学んだ。  「その授業があまりにもつまらなかった」。退屈な授業を抜けて、見つけたのは地元のコミュニティ向けのカルチャースクールだった。  「そこでの授業は、完全に地元の人向け。現地の人と一緒に『アメリカ人の笑わせ方講座』でアメリカンジョークを習ったことは、非常に有意義な経験でした。授業を通して『米国人がどんなことを考えているか』という文化的な背景が見えたのが大きかった。ローカルな雰囲気を味わいながら、語学力を上げることができたんです。こういった“リアルな授業”を日本の人が受けられるサービスをつくりたい、と考えるようになりました」。  現地ならではのユニークな授業に触れたことが、カフェトークを発想する種となったのだ。そのためか、今も橋爪代表自身がヘビーユーザとしてサービスを利用し続けているという。  「もともとの始まりが『こういうレッスンを受けたい』という単純なもの。言ってしまえば、マーケットを見極めて、この事業ならうまくいく、みたいなかっこいいプランがあったわけじゃなくて、ただ好きなことをやってるような感じなんです」。

世界中どこでも働ける!働き方も新しい形に

 橋爪代表はかつて、モバイル業界で名の知られた株式会社フラクタリスト(現ユナイテッド)で取締役を務め、同社の上場に尽力した経歴を持つ。  2010年に独立し、スモールブリッジを設立した当初はたった2人だったメンバーも、現在では日本をはじめ、イタリアやアメリカなど、世界各国に22人を擁するまでに成長させた。  「スモールブリッジには『どこでも働ける体制をつくる』というコンセプトがあります。講師の方々が世界中の生徒さんを相手にオンライン上でレッスンをするなら、我々もそのスタイルを踏襲しようと決めた。それが結果的に海外で仕事ができるカルチャーにつながったのかもしれません」。  同社の海外在住スタッフは、時差を利用した交代制24時間サポートの実現や、現地イベントに参加するなどしてサービスを広める役割を担っているという。

リアルの場で生徒による音楽発表会も初開催

音楽関連のレッスンを受ける人々は多い
 世界をオフィスにしながら、サービスを提供する同社。「これからは、音楽のオンラインレッスンを大きく切り開く予定です。その先駆けとして今年5月に銀座でユーザの生徒25名による発表会を行いました。オンラインで習った楽器を実際に演奏していただく、リアルな場での発表会を設けたんです」。  演奏会当日は、オンライン以外で初めて顔を合わせる講師と生徒も多くいたという。  「ずっと一緒にレッスンしてきた2人が『先生、こんにちは!はじめまして』なんて会話を交わしているのが、すごくおもしろかったですね。小さいお子さんの歌から音大を目指している学生の演奏まで参加者の層も幅広くて、バラエティ豊かでした。とくに今年は、そういったリアルな交友の場にも力を入れていくつもりです」。  カフェトークが結んだ世界中の“学ぶ心”が、より多く人々に届く日は、もうすぐそこだ。 
橋爪小太郎(はしづめ・こたろう) 株式会社スモールブリッジ 慶応義塾大学卒業後、伊藤忠商事に入社。米国留学を経て株式会社フラクタリスト(ngi groupへの吸収を経て現在はユナイテッド)入社後、副社長を経て退任。2010年に株式会社スモールブリッジを設立、「カフェトーク」を展開中
《大貫 未来》

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