株価は「エベレストを目指す」富士山マガジンサービスの事業とは | 東京IT新聞

株価は「エベレストを目指す」富士山マガジンサービスの事業とは

エンタープライズ 経営

株価は「エベレストを目指す」富士山マガジンサービスの事業とは
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雑誌の定期購読仲介サービス「Fujisan.co.jp」を運営する富士山マガジンサービスが今月(7月)7日、東京証券取引書マザーズ市場に株式を新規上場した。個人投資家の人気を集め、上場初日は取引が成立しなかった。気配値は公開価格2650円の2.3倍にあたる6100円まで上昇した。記者会見で西野伸一郎社長は「株価は富士山超えしたいと思っていたが、超えちゃったので次はエベレスト(8848円)を目指すしかない」と話した。

国内雑誌の大半を取り扱い、定期購読を募る

雑誌の定期購読仲介サービス「Fujisan.co.jp」
 富士山マガジンサービスの(7月)翌8日につけた初値は公開価格の2.3倍の6000円だった。その後、6170円まで買い進まれた後、一転してストップ安となる5000円まで下落した。  日経平均株価が600円以上も下げる大荒れ相場のあおりで、残念ながらエベレスト“登頂”はならなかったが、まずは順調な滑り出しだったと言えそうだ。  同社は国内で販売されているほとんどの雑誌を取り扱っており、出版社に代わって定期購読者を募り、それに応じた手数料を受け取るのがビジネスモデルだ。「他社の参入は容易ではない」(西野社長)という。  「途中解約した場合の返金額を雑誌ごとに定めるなどきめ細かい運用」(同)は真似されにくいとみている。「70%以上の継続率を維持している」(同)ことも強みだ。最近の時流に合わせて、雑誌のデジタル化も請け負う。

社長は米アマゾンの日本事業を立ち上げた実績

国内の有名雑誌はほとんど取り扱っている
 2015年12月期の単独決算は、売上高が23%増の23億9000万円、営業利益が33%増の2億7000万円程度になりそうだ。月刊誌・週刊誌の市場規模は減り続けている。  ただ、リアルの書店も減少傾向にあり、パイが縮小するなかで事業を「成長させることは可能だ」(西野社長)。  3600社を超える上場企業の中でも社名に「富士山」という言葉が入っているのは同社だけ。「富士山の裾野のように雑誌の定期購読者を広げたかった」という。インターネット通販に期待されたロングテールという概念を取り入れたのだろう。  富士山マガジンサービスは2002年に西野社長が設立・創業した。同氏は日本のインターネットビジネスのインキュベーターの草分けであるネットエイジ(現ユナイテッド)の創業メンバーであり、米アマゾンの日本事業も立ち上げた実績を持つ。当時のアマゾンは書籍販売が主で、雑誌におけるアマゾンを目指した。

定期購読が普及していない日本にチャンス

 同社の株主にも、トランス・コスモスやユナイテッドなど、インターネットビジネスの黎明期からベンチャー投資に取り組んでいた企業が目立つ。  設立から数年で上場したり、数ヶ月でM&Aで大企業に買収されたりするベンチャーが少なくないなか、上場までの時間はかかったかもしれない。その分、「収益の足腰は意外に強い」(大手証券系のアナリスト)との見方もある。  今後の成長性についても西野社長は「雑誌市場は縮小しているが、依然として8500億円程度ある。日本は定期購読が普及しておらず、伸びる余地はある。出版社と提携して、購読者に関連するグッズやイベントなどを売り込んでいきたい」と意気込んでいた。 【写真上】事業内容について熱っぽく語る富士山マガジンサービスの西野社長
《鈴江 貴》
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