「ペッパー」や「パルミー」などヒト型のロボ続々、人はどう使うか? | 東京IT新聞

「ペッパー」や「パルミー」などヒト型のロボ続々、人はどう使うか?

ソリューション ロボット

「ペッパー」や「パルミー」などヒト型のロボ続々、人はどう使うか?
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家庭を中心に“ヒト型ロボット”の普及が始まる年となるかもしれない。ソフトバンクが6月20日に「Pepper(ペッパー)」を一般発売し、DMM(DMM.com)も自社で販売する「Palmi(パルミー=富士ソフト製)」をテレビコマーシャルなどで積極的にアピールし始めた。“人間界”に本格登場したロボットたちは何をもたらすのだろうか。

「力はないが人を幸せにする」ペッパー

ペッパーの世界販売に向けては中国アリババのジャック・マー会長(右)が協力し、製造は台湾フォックスコンのテリー・ゴウCEO(左)が担う(6月18日)
 「空も飛べないし力もないが、人を幸せにする存在になる。家庭(での接し方)によって性格が変わってくる。“心”を持ったロボットは人類史上初だ」。  2015年6月18日、千葉県浦安市の東京ディズニーリゾート内で開かれたペッパーの発表会。ソフトバンクの孫正義社長は1000人を超える聴衆や報道関係者に向かって力を込めた。  昨年(2014年)6月に初めて公開された後、1年間にわたって改良が加えられた末に発売されたペッパー。  同社長が強調するように、人の感情を認識するだけでなく、自らも“感情”を持ったことが最大の特徴といえる。  ペッパーは知っている人がいると安心したり、褒められると喜んだり、周囲が暗くなると不安になったりし、その時の感情によって、声のトーンが上がったり、ため息をついたりするなど言動が変化。叩いたりゆすったりすとするとショックを受ける。  人間が放っておくと、寂しがりやの“性格”になり、逆に頻繁に構うと元気がよくなったりもする。人が悲しんでいたり、落ち込んでいたりする時に、その感情を認識し、笑わせようとしたり、歌ったりして、何とかして喜ばせようと「けなげな努力」(同)をする。  人間に“共感”しながら寄り添ってくれる存在だ。

難解な言葉はクラウド上から取得

ペッパーには20以上のセンサが搭載されている(「ペッパー」の紹介ページより)
 ペッパーは小学校低学年生程度の大きさで、重さは29キロ。時折青く光る耳と黒い眼が印象的なデザインとなっている。胴体にはタブレット端末に似た10型のディスプレイを備え、喋ることもできる。  滑らかに動く2本の腕はあるが、2本の足はなく、オムニホイールと呼ばれる仕組みで360度自由に移動する。バッテリー式で12時間以上稼働するという。  身体にはカメラやマイクとともに、20以上のセンサが搭載されており、目の前の人や周辺の障害物などを認識。Wi-Fiでインターネットと接続する。  人間と会話をしたり、動いたりといった機能はロボット内に備えるが、難解な言葉や動きは、ネットを通じてクラウド上からさまざまなアプリケーションをダウンロードする形となる。

ペッパー維持には年間30万円超が必要

 本体の価格は税込みで21万3840円。アプリのダウンロードなどを含んだ月々の使用料が同1万5984円かかる。故障した際の保険料が月に同1万79円となっており、これを含め、本体価格を除き年間31万円超の維持費が必要だ。  どのような言葉の時にどんな行動をとったら人間が喜んだかといったデータはネットを通じて収集され、“賢くする”のに役立てられるという  家庭での導入が広がれば広がるほど多くのデータが得られることから、「今は出荷すればするほど赤字」(同)という状況のなかでも、“パソコン並み”の本体価格に抑えたようだ。  なお、6月20日発売分の1000台はわずか1分で完売している。

DMMは5月から「パルミー」など4機を発売中

DMMでは現在、パルミー(写真中央)のほか「Robi(ロビ)」(右後)「PLEN.D(プレンディー)」(左後)「BOCCO(ボッコ)」(左前)を販売している

 一方、DMMはソフトバンクに先駆けて5月から小型のヒト型ロボット4機種を販売。

 今後もベンチャー企業などが開発したユニークな新製品を順次追加する計画だ。

 このうち富士ソフトが開発したPalmi(パルミー)は、同社が2010年2月に発売した教育用ロボット「PALRO(パルロ)」を一般家庭向けにカスタマイズしたもの。  ビートたけしさんが出演するテレビコマーシャルに登場するなど、DMMの主力機種といえる。  パルミーは、身長40センチで重量1.8キロ。ペッパーの半分以下とかなり小さいが、二足歩行ができる。  人間との会話や行動を重ねるにつれて成長していくといい、価格は税込み32万1840円。月々の使用料は不要だ。

人とのコミュニケーションに特化したロボット

DMM.comはビートたけしさんを起用したPRを展開
 ペッパーもパルミーも人間の代わりに何らかの作業をしてくれる存在ではなく、力が強いわけでもない。研究者の間では“弱いロボット”と呼ばれる存在で、人とのコミュニケーション機能に特化している。  高齢者や子どもの話し相手となったり、歌や踊りを披露するエンターテイメント的な要素も提供できる。ペッパーのようにアプリを使うことで、学習時の“先生”となってもらうことも想定される。  また、ネットを通じて天気予報やニュースなども提供する。接客業などビジネス現場での活用も模索されている。  今のところ、人間にとってはペットのような存在ともいえるが、これといった明確な活用法はまだ見えていない。  一方で近い未来には、技術進化で「人間より賢くなる」(孫社長)のは時間の問題といわれている。その時までに人間は上手く使いこなせているのだろうか。  ロボットの急速な進化に警鐘を鳴らす意見は依然多い。そのなかで、より人間に近いコミュニケーション能力を持つロボットとはどんな存在となるのか。様々な課題はあるが、人の夢とテクノロジーの進化に押され、ロボットと共生する時代の幕は明けた。 【参考記事】ロボットに関する記事一覧
《東京IT新聞 編集部》
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