東京五輪へ向けIT活用プラン、5年後の街はこれだけ変わる | 東京IT新聞

東京五輪へ向けIT活用プラン、5年後の街はこれだけ変わる

エンタープライズ 行政

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本が誇る最先端のITを世界に発信する――。総務省が今月(7月)28日に発表した「2020年に向けた社会全体のICT化アクションプラン」にはそんな思いが詰まっている。無料で使える公衆無線LAN網を張り巡らせるのはもちろん、向上させた翻訳技術を活用し、共通ICカードと街のデジタルサイネージで訪日客をもてなすような世界の実現を描いたものだ。

「言葉」「情報」「移動」「接続」という4の壁を解消

 このアクションプランを発表したのは、総務大臣が主宰する「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会」(座長:岡素之住友商事株式会社相談役)で、昨年(2014年)11月から議論を続けてきた。  メンバーにはNTTの鵜浦博夫社長やKDDIの小野寺正会長、ソフトバンクの孫正義社長をはじめ、放送業界団体や家電メーカーなどから30名超が名を連ねる。  今回発表されたアクションプランでは、2020年に向けて主に「言葉」や「情報」「移動」「接続」という4の壁をIT化によって取り払おうという提言を行っている。

NICT開発、音声翻訳システムの精度を高める

 言葉の壁という面では、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が開発した多言語音声翻訳システムの精度を高めることを計画する。  これは、スマートフォン(スマホ)などに話しかけると、即座に他の言語に翻訳して音声出力するもので、今年秋ごろから成田空港や都内のスポーツ大会での利用実験を行う。  2018年には基本技術を確立し、五輪までには実用化したいとの計画だ。

デジタルサイネージの機能拡大と相互運用

デジタルサイネージの相互運用や機能拡充を行っていく計画(「2020年に向けた社会全体のICT化アクションプラン」(第一版)より)
 情報の壁という課題には、デジタルサイネージ(電子看板)のさらなる機能拡大により解消を目指す。  まず国内でのデジタルサイネージの標準仕様を策定したうえで、相互に運用するための実験を行っていく。  災害時などの緊急時における情報発信はもちろん、五輪情報も発信。また、サイネージにスマホやタブレットをかざすことで、個人属性に応じた言語やクーポンなどを配信することも計画する。  移動という面では、交通機関などが持つオープンデータを活用し、交通情報をワンストップサービスで得られるよう計画。今年は標準プラットフォームを立ち上げ、2018年の実現を目論む。

無料LANの利用登録簡素化とワンストップ化

 接続の壁の解消に向けては、引き続き主要観光スポットでの無料公衆無線LANサービスを拡充させていくことに加え、空港などで一度利用登録することで、移動先でも簡単に使えるような仕組みにしていく。  現在は公衆無線LANのスポットごとに利用手続きが必要となっているケースが多く、これを簡素化して利便性を高める。2016年中にも実現させたい考えだ。 【写真上】「2020年に向けた社会全体のICT化アクションプラン」(第一版)に掲載された「社会全体のICT化のイメージ」より
《東京IT新聞 編集部》

特集

page top