「週アス」「R25」「宝島」が消える、今年も苦境が続く紙メディア | 東京IT新聞

「週アス」「R25」「宝島」が消える、今年も苦境が続く紙メディア

エンタープライズ 市場動向

今年(2015年)も紙メディアの発行中止や休刊が相次いでいる。1997年から発行してきた老舗の「週刊アスキー」は5月26日発売号をもって紙版を廃止した。リクルート発行の無料雑誌「R25」は10月からWebメディアのみとする。宝島社が1974年に創刊した月刊宝島は8月25日発売の10月号をもって休刊となる。スマートフォン(スマホ)の普及などで、無料提供されるWeb版への需要が増加。今後もコストがかかる紙メディアを取りやめる動きは続きそうだ。

9万部発行の週刊「アスキー」が完全ネット化

Web版へ移行したものの、電子雑誌版の「週刊アスキー」は現時点では残している
 今年3月末に「ネット/デジタルに完全移行」などとの表現で紙メディアの廃止を発表した週刊アスキー。  当時のアスキー社が1997年11月に刊行したパソコン雑誌で、前身で1989年から発行していた「EYE-COM(アイコン)」という雑誌時代から数えると、25年半以上に渡る雑誌としての歴史がある。  現在の運営会社であるKADOKAWAは今年1月に300人程度の希望退職を募るなど、会社のスリム化を進めていた。  同社が2013年ごろに制作したとみられる媒体案内によると、週刊アスキーは毎週火曜日に17万1900部を発行し、定価は360円だった。日本雑誌協会による今年1月から3月までの印刷証明付き発行部数では9万部となっていた。  ただし、週刊アスキーは、紙には印刷しないものの、今のところ電子版としての発行は続いている。  なお、KADOKAWAは昨年9月、1995年10月創刊の月刊誌「マックピープル」も休刊している。

刷新の末に紙版をやめたリクルートの「R25」

10月からはWeb版だけの展開となる「R25」
 リクルートの無料雑誌「R25」も「『web R25』とブランドを統合し、デジタルデバイスでの情報提供を主軸にしたメディアへとリニューアル」するとの表現で今月(7月)3日に紙メディアの発行中止を発表した。  2004年7月に週刊の無料雑誌として創刊し、首都圏を中心とした駅やコンビニなどで配布。当初は50万部以上を発行していたとみられ、人気を集めた。  2009年には隔週刊となり、昨年7月には「創刊10周年を機に、30歳前後の男性ビジネスマンをターゲットにしたテーマ特集型のメディアにリニューアル」(同社)していた。同社が公表した発行部数は25万部だった。  今後は9月24日の発行号をもって紙版は休刊し、10月1日からWeb版で「R25」を継続する形となる。

40年以上続いた「月刊宝島」は来月発売号で休刊

宝島社は「月刊宝島」だけでなく女性ファッション誌「キューティ(CUTiE)」も休刊する
 月刊宝島は今年8月25日発売の10月号で休刊する。発行元の宝島社が今月29日に明らかにした。  「1974年の創刊以来、“日本のロック”“報道されないタブー”特集など、他にはない、鋭い視点で時代を切り取る独自の編集で、多くの方に支持されてきました」(同社)。  40年余の間に幾度かのリニューアルを繰り返しており、現在のキャッチコピーは「タブーに斬り込む知的探求マガジン」となっている。毎月25日の発売で発行部数は明らかにされていない。  紙メディアをめぐっては、帝国データバンクが昨年4月から今年3月までの2014年度中に倒産した出版社の数を調べたところ、前年度の5割増となる46社に達していた。今年6月には出版取次では準大手の栗田出版販売も倒産しており、紙メディア事業を取り巻く環境は厳しさを増すばかりだ。
《東京IT新聞 編集部》

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