IoTの新しさに潜む法律の課題、遠隔操作OKの電源タップが販売自粛に | 東京IT新聞

IoTの新しさに潜む法律の課題、遠隔操作OKの電源タップが販売自粛に

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IoTの新しさに潜む法律の課題、遠隔操作OKの電源タップが販売自粛に
  • IoTの新しさに潜む法律の課題、遠隔操作OKの電源タップが販売自粛に

今月(8月)11日、家電ベンチャーのCerevo(セレボ、東京都千代田区)はスマートフォン(スマホ)から遠隔操作できる調光機能付き電源タップ「OTTO(オット)」の国内販売を自粛すると発表した。その理由として、発売後に経済産業省電気用品安全課より「電気用品安全法違反となる“可能性”がある」(同社)との指摘を受けたためだとという。

電源タップに接続された機器を操作できる製品

OTTO(オット)の販売サイトは残っているが購入はできない状態となっている
 OTTO(オット)はタブレットやスマホから専用アプリを使うことでインターネット経由でOTTOの電源タップに接続された照明機器の調光や、さまざまな機器のON/OFFが可能なネット対応電源タップだ。  あらゆる機器が操作可能ということで多様な使い道が考えられ、家庭内IoTの要にもなりうる製品だった。  今回、指摘の根拠となった電気用品安全法は「電気用品による危険及び障害の発生を防止すること」(同法第1条)を目的とした法律で、安全性確保のための検査などについても定められている。  ただ、検査基準は製品の種類によっても異なるため、従来にない製品については、法律上のどの製品にあたるかが重要になる。  OTTOの場合は「サービスコンセント付き調光器」とみなされることを事前に検査機関に確認して販売を開始したが、経済産業省電気用品安全課が「通信回線経由で遠隔操作する一体の製品」とみなしたことで、別の安全性確認が必要となってしまった。

パナのエアコンは解釈変更で基準をクリア

電源タップに接続された照明機器の調光やさまざまな機器のON/OFFが可能となっている
 遠隔操作機能が問題となった例と言えば、かつてパナソニックのエアコンが「外出先からエアコンをONにできる」という目玉機能を「自粛」せざるを得なかったニュースが思い出される。  この時も電気用品安全法に抵触するおそれがあるとの指摘を受け、2012年10月の発売当初は「電源ON」機能などを削除する形での発売となった。  しかし、この事例では翌年5月に電気用品の技術基準を定める省令解釈が改正され、この新基準をクリアすることで「電源ON」機能が追加されている。その意味では法律側の改正によってOTTOが再び国内販売を再開できる可能性もなくはない。  だが、少なくとも現時点で法律上で「危険が生ずるおそれのないもの」とされるためには、9項目のチェックポイントをクリアする必要があり、ハードルは高そうだ。

従来の製品カテゴリに合致しない場合はどうする?

 インターネットによって人間同士のコミュニケーションが物理的な距離を意識しなくなったように、IoTによってハードウェアは物理的なケーブルによる距離の制約から自由になった。  IoTが普及した場合、ネット経由で接続される各機器が存在する場所は距離の制約を受けないため、遠隔操作となる可能性も高く、システム全体の安全性をどう確保するかは別途考える必要がある。  また、それら個々の機器が従来の製品カテゴリに合致しない場合の扱いは、これまでの例をみても曖昧にならざるを得ず、メーカーにとっては法律上対処すべき内容が変わるというリスクとなる。これらの点はIoT普及に向けた課題となりそうだ。
《箱田 雅彦》

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