米シリコンバレーの著名な投資会社「500 Startups」日本進出への思惑 | 東京IT新聞

米シリコンバレーの著名な投資会社「500 Startups」日本進出への思惑

エンタープライズ ベンチャー/スタートアップ

創業期のベンチャー企業に投資・経営支援する米シリコンバレーの投資会社「500 Startups(500スタートアップス)」が日本に本格進出する。3000万ドル(約36億円)程度の日本向けファンドを年内にも設立し、投資を開始する。「Bring Japanese Startups Global」というミッションを掲げ、グローバル展開の支援などを強みに投資していく戦略だ。

元DeNAのジェームズ・ライニー氏が日本代表に

 今月(9月)8日、開催中のイベント「テック・イン・アジア東京」で、デイヴ・マクルーア代表が表明した。  このほど、日本での事業主体となる「500 Startups Japan, L.P.」を設立した。合わせて、ジェームズ・ライニー氏が日本代表兼マネージングパートナーに就任。同氏は直前にはディー・エヌ・エー(DeNA)でベンチャー投資を担当していた。大手金融のJ.P. Morganでの勤務経験もある。2012年にはベンチャーの一員としてパブリッシングプラットフォーム「STORYS.JP」を立ち上げた。一方、日本人の投資担当者も近く採用する予定だ。  500 Startups Japanは、シリコンバレーの最先端の知見をリアルタイムに日本に届け、日本のスタートアップをグローバルなベンチャーエコシステムにつないでいく。こうした活動を通じて、投資先の成長を後押しする。ライニー氏は「世界で通用する日本のスタートアップは少なくない。知られていないだけだ。500 Startupsが関われば、世界に発信される」と話す。

gengoやPeatixなどのベンチャーに投資実績

日本代表に決まったェームズ・ライニー氏はDeNAでもベンチャー投資を担当していた
 500 Startupsはこれまでも日本のベンチャーに投資している。  翻訳サービスのgengo(ゲンゴ)や、ソーシャルチケッティングサービスのPeatix(ピーティックス)、 クールジャパン関連商品輸出のTokyo Otaku Mode、 新世代電動車椅子のWHILL、コンテンツプロデュース・配信のブレイカーなどだ。一方、NTT系の投資会社であるドコモベンチャーズともベンチャー支援で提携している。  こうした活動で実績が上がっており、かねて日本への本格進出の機会をうかがっていた。今回、ライニー氏の日本代表就任が決まり、資金調達のめども立ったことから進出を決めた。  ファンドへの出資者について、500 Startups側は明らかにしていない。情報筋によると、日本の事業会社などが中心とみられる。

「シードマネーを出すだけなら、いくらもある」

 500 Startupsは2010年、デイヴ・マクルーア氏らが設立した。同氏は、Paypal(ペイパル)の創業者であるピーター・シール氏らが設立したFounders Fundで投資担当を務めた経験がある。設立後5年間でインターネット関連ベンチャーを中心に世界50カ国1200社以上に出資してきた。世界最大級のシード投資ファンドと言える。  米国以外では、韓国の「500 Kimchi」、東南アジアで活動する「500 Durians」、 タイの「500 TukTuks」など「500 Family Funds」と呼ぶグループファンドがある。  ただ、500 Startupsの日本戦略がどの程度うまくいくかは未知数だ。  テック・イン・アジア東京の会場やアフターパーティーでは、ベンチャー経営者らか、「話を聞いてもらいたい」とライニー氏の姿を探す場面があった。反面、「シードマネーを出すだけなら、いくらもある」と話すベンチャーキャピタリストもいた。  確かに、資金面では一部に過剰感さえある。むしろ、投資に価するベンチャーの絶対数が少ないとの見方が一般的だ。500 Startupsが成果を示すには、いち早く投資し、実際に海外進出の事例を創出することが求められると言えそうだ。 【写真上】500 Startups(500スタートアップス)のWebサイトより
《東京IT新聞 編集部》

特集

page top