ドローン空撮動画のネット公開、「ストリートビュー」並みの配慮求める | 東京IT新聞

ドローン空撮動画のネット公開、「ストリートビュー」並みの配慮求める

ソリューション ロボット

「ドローン」を使えば、家やマンションの窓から部屋の中を撮影したり、それをインターネット上で“生中継”することさえも難しくはない。こうした個人のプライバシー侵害が行われるおそれがあることに対し、総務省はこのほどドローンを使った空撮において、プライバシーを侵害しない活用のあり方を示すガイドラインをまとめた。

総務省「新たな規制を課すものではない」

総務省が9月11日に公表した「『ドローン』による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」と国民から寄せられた意見に対する回答のページ
 総務省が9月11日に公表した「『ドローン』による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」は、ドローンで空撮た動画や画像をネット上で公開する行為への注意事項をまとめたものだ。  総務省は「新たな規制を課すものではありません」としたうえで、「本ガイドライン(案)で注意事項等を整理することにより、安心してドローンを利用できる環境が整備され、社会的意義のあるドローンの利用が促進されることを期待しています」としている。  ガイドラインの策定にあたっては、今年6月30日から7月29日にかけて当初案に対する国民の意見を募集。新経済連盟やセキュアドローン協議会、日本民間放送連盟、法律事務所など14団体と個人20人が総務省に意見を提出した。  これを踏まえ、総務省では新たにドローンの定義を追記したほか、当初案にあった「ドローンは住居の塀よりも高い上空を飛行することが一般的であることから、住居内の人等の写り込みが生じ得る住宅近辺における撮影飛行は、原則として行わないようにすること」という規制を思わせるような内容は、複数の疑問の声が寄せられたために削除している。

グーグルに「撮影態様の配慮」を要請した過去も

 ガイドラインではドローンについて、「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができる小型無人機」と定義した。  ドローンによる空撮は安価で簡便に可能なことから、「利活用による経済社会活動の発展と、プライバシー等保護のバランスを保つことが必要」として、「ドローンを利用して被撮影者の同意なしに映像等を撮影し、インターネット上で公開することは、民事・刑事・行政上のリスクを負うことになる」と警告。  そうしたケースとして「浴場、更衣場や便所など人が通常衣服をつけないでいるような場所を撮影した場合には、刑事上、軽犯罪法3や各都道府県の迷惑防止条例の罪に該当する可能性があり、処罰されるおそれがある」などを例示している。  また、過去にグーグルの「ストリートビュー」がプライバシーや肖像権の侵害であるなどの指摘がなされたことから、「サービス提供者に求められる取組として、『撮影態様の配慮』や『ぼかし処理』等を提言し、関係事業者に要請を行っている」との過去の類似例も示した。

住宅地にはカメラ向けず、私物には「ぼかし」を

グーグルではストリートビューの画像について「ぼかし加工」や画像の削除リクエストに答える日本語のページと日本での電話番号も公開している
 プライバシーを侵害するケースとしては、「屋内の様子、車両のナンバープレート及び洗濯物その他生活状況を推測できるような私物が写り込んでいる場合にも、内容や写り方によっては、プライバシーとして法的保護の対象となる可能性がある」との考え方を紹介。  また、ドローンの飛行が認められている公共の場であっても「住居の塀よりも高い上空を飛行するのが一般的で、通常は塀によって人の視界に入らない映像等を撮影可能であることからすると、撮影・インターネット上での公開は、プライバシー侵害の危険性は高いと考えられる」と指摘。  「例えば、公道から撮影した道路周辺の画像を編集し、インターネット上で閲覧可能となるよう公開するサービスと比較すると、プライバシー侵害の危険性は一段大きいものと言わざるを得ない」と、グーグルストリートビューの場合と比べてもプライバシー侵害の可能性が高いとの見方を示す。  そのうえで、(1)住宅地にカメラを向けないようにするなど撮影態様に配慮する、(2)人の顔や車両のナンバープレート、住居内の生活状況を推測できるような私物にぼかし処理などを施す――などの対策法をあげている。
《東京IT新聞 編集部》

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