富士通グループの視線検出システム「EyeExpert」…小型&安価 | 東京IT新聞

富士通グループの視線検出システム「EyeExpert」…小型&安価

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富士通コンピュータテクノロジーズは、16日から東京臨海都心の東京ビッグサイトで始まった「SEMICON Japan 2015」 に、視線検出システム「EyeExpert」を出展した。汎用の小型カメラを用いた、導入が簡単なシステムだ。

システムは、小型視線センサー(7.1cm×1.2cm×1.2cm)と制御ソフトウェアからなる。今まで容易に得られなかった人の視線位置(見ている場所)を非接触で検知し、データとして蓄積することが可能だ。例えば、小型視線センサーを店舗に設置し収集したデータを分析することで、陳列改善や商品開発などマーケティングに活用することができる。

視線センサーが小型なので、店舗の棚などに目立たずに設置することができ、被験者にセンサーの存在を意識させずに自然なデータが収集できるのが利点だ。また、パソコン1台につき最大4個の視線センサーを接続して、複数の領域に対するデータを収集できるので、日時、時間帯や場所毎の比較ができる。富士通コンピュータテクノロジーズでは、製品の導入作業や蓄積したデータの分析作業も付帯サービスとして提供する。

「EyeExpert」の視線検出技術には、富士通研究所が開発した技術を活用した。従来、視線を検出するには高価でサイズが大きい専用のカメラとLEDが必要で、安価な装置を用いた場合は画像が不鮮明となり検出精度が得られなかった。富士通研究所では、PC向け内蔵カメラとして普及している安価な小型カメラと、近赤外LEDを用いて、不鮮明な画像からでも瞳孔などを正確に検出できる画像処理技術を開発した。「EyeExpert」の視線センサーには、小型カメラと、近赤外LEDが採用されている。

ゴーグルなどを装着せず非接触で高精度に視線方向を算出する方法として、近赤外照明(LED)とカメラからなる、光学系を用いる「角膜反射法」がある。角膜反射法では、カメラで撮影した目の画像を解析する。視線方向によって位置が変わる瞳孔を検出するとともに、目に見えない近赤外光を照射し、それにより生じる眼球の表面(角膜)での反射を検出する。このとき反射の位置は視線方向に影響を受けないので、瞳孔と角膜反射の二つの位置関係から視線方向を算出できる。従来このシステムには、高価でサイズが大きい高性能なカメラとLEDを用いる必要があった。

一方、角膜反射法による視線検出システムをコンシューマ向けPCなどにカメラとLEDを搭載し実用化するには、装置がPC筐体に内蔵でき、かつ低価格であることが求めらる。しかし、従来のPC内蔵小型カメラやLEDでは、カメラ感度やLED強度が低いことから、瞳孔の画像が不鮮明で、角膜反射も微弱になってしまう。今回、カメラで撮影した画像から視線を検出する処理をソフトウェアで行なうことで、ハードウェアのコストを抑えた。

PCに装備しても、PC筺体のデザイン性を損なうことなく視線検出機能を内蔵可能とし、見ている場所に応じた画面のスクロールやズームなど、新しい自然な非接触型のインターフェースの実現が期待される。「EyeExpert」はこの技術のうち、センサーとソフトウェアを視線検出基盤として製品化したもので、10月15日に富士通コンピュータテクノロジーズが販売を開始した。

「EyeExpert」のおもな仕様は、検出距離(目とセンサーとの間の距離)は50~80cm、センサー1台で検出できる人数は1人、視線検出エリアは幅60cm×高さ40cm、頭部エリアは幅45cm×高さ40cmなどとなっている。屋外やハロゲンランプなど明るい光源がある場所、近赤外線を照射する他の機器が使われている環境では、視線が検出できなかったり、精度が低下したりする。料金は、センサー(4個)と制御ソフトウェアのパッケージで40万円。ほかに導入費用、データ出力ライセンス(年間契約)、保守サポート(年間契約)なとがかかる。

SEMICON Japan 2015は18日まで開催。
《東京IT新聞》

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