LINEから再配達・集荷依頼が可能に! ヤマト運輸 | 東京IT新聞

LINEから再配達・集荷依頼が可能に! ヤマト運輸

コンシューマー 産業のIT化

 ヤマト運輸は15日、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用した新たなサービスに関する記者説明会を開催した。LINEを使った荷物の問い合わせが19日より可能になる。利用料金は無料。従来なら手書きしていた宅急便の送り状をLINE上でワンタップで作成する、住所を知らないLINEの友だちに郵便を送る、などの新サービスも順次追加されていく予定だ。

■紙の伝票をなくしたい

 記者説明会の冒頭、ヤマト運輸 代表取締役社長の長尾裕氏が登壇してサービスの概要を説明した。19日よりLINEで利用できるようになるサービスは、(1)「お届け予定メッセージ」「ご不在連絡メッセージ」の通知、(2)荷物の問い合わせ、(3)集荷の依頼、(4)再配達の依頼、(5)料金・お届け日の検索。

 これにより、荷物が到着する予定日時がLINEに通知されるほか、不在時の通知もLINEのメッセージで届くようになる。「従来なら帰宅時に不在伝票を確認していた方も、本サービスを利用すれば、帰宅しなくてもLINEから再配達を依頼できるようになる」と長尾氏。このほか、到着日時や到着する場所の変更もこれまで以上に簡単になるという。

 「宅急便には紙の伝票がつきものだった。これをスマートフォンだけで完結できるようにする。最終的には、荷物を見ただけでは個人情報が特定できない仕組みにもつなげていきたい」と解説した。

 ヤマト運輸は、1976年に宅急便事業を開始。今年で40周年の節目を迎える。長尾氏は「お客様との対面によるリアルなコミュニケーションも大切にしつつ、ITのコミュニケーションを通じて、クロネコヤマトのサービスをより親しみやすく便利なものにしていきたい」と抱負を語った。

■手書きさせるのは罪

 会場にはゲストとしてLINE 代表取締役社長の出澤剛氏が招かれ、長尾氏とトークセッションを行った。長尾氏は、LINEのインフラを活用するに至った経緯について「LINEは従来のEメールよりレスポンスが良く、簡単にアクションできる身近なツール。クロネコヤマトでもアプリを出しているが、お客様の使用頻度はLINEアプリの方が圧倒的に高い。社内でも2年ほど前からLINEさまとの連携を検討していた。今回、ようやく動き始めたところ」と説明する。

 また、長尾氏は「サービスの開始当初は、荷物の受け取りを便利にしていく。例えば、”今日の何時頃に荷物が届きますよ”などの通知が送られるようにする。その後、荷物の発送も便利にしていきたい。コンビニのレジで紙の伝票を書いていると、並んでいる人に嫌な顔をされる。スマートフォンで伝票が作成できれば、そういった手間もなくなる。お客様に毎回毎回、手書きで住所を書き込んでいただくのは罪だと思っている。今後は、どうお手間を省いていくかを考えていく」とこの先の展開について説明した。

 将来的に導入されるという、住所を知らないLINEの友だちに郵便を送るサービス。これについて、出澤氏は「LINEでつながっている仲の良いご夫婦にお子さんが生まれた。サプライズでプレセントを送りたいが、住所を聞くのは野暮。そんなときに活用していただける。相手先には”荷物が届いています”というメッセージだけが届くので、住所を入力してもらう。あるいは、ご本人がクロネコメンバーズなら、入力の手間もいらない」と解説した。

 長尾氏は「モノのやり取りの文化が、従来にはなかった発想により変わっていくのを感じている。ヤマト運輸の企業理念は、ユーザー第一主義。LINEさまも利用者の利便性を最優先されており、共鳴・共感するところが多い。今後とも、お客様が喜ぶ新しいサービスを生み出していきたい」とまとめた。

■スマホだけで荷物の発送が完結するサービスも導入へ

 質疑応答には長尾氏、出澤氏が対応した。

--- LINEとの連携で実現したい数値目標などはあるか。

長尾氏:お客様のご不在率をどのくらい低減したい、現在1,300万人いるクロネコメンバーズをどれだけ増やしたい、などの数値目標は設定していない。まずはLINEを使った手段で、どれくらいお客様の満足度を高められるか、を主眼にしている。

--- 次にサービスが追加されるのはいつ頃か。

長尾氏:この先、スマホだけで荷物の発送が完結するサービスを追加したい。第1弾にあたるものが、今夏あたりに御披露目できるのではないかと考えている。

--- LINEを使ったサービスを開始するまでに時間がかかった理由は?

長尾氏:2年前から検討を始めていたのに、何がボトルネックになっていたのか。私は社内に問題があったと認識している。具体的には、LINEを使って通知するサービスは時期尚早との声があり、またシステムとの親和性の問題もあった。実際にLINEを使ったことがない役員が社内に多いと、なかなか理解を得るのが難しい。そこがクリアになり、やっと前に進んだということ。

--- 現行のEメールサービスは継続するのか?

長尾氏:メールサービスをなくすことは、現段階では考えていない。クロネコヤマトのアプリもあり、これらを併存していく。お客様にとってどれがレスポンスしやすいか、でご判断いただければ。

--- 今回の取り組みにより、顧客の不在率はどの程度減るか。セールスドライバーの負担や、裏でのオペレーションの手間はどの程度、軽減されそうか。

長尾氏:LINEさまとの取り組みだけで、負荷が減り効率化が進むとは、あまり思っていない。配達日時を変えたり、場所を変えたり、といったお客様の利便性は高まる。ご不在率を減らしていきたい部分もあるが、我々としてはお客様のストレスをどう減らすか、の方が重要。LINEでメッセージが届くことで、従来のメールサービスより閲覧率は上がる。これにより、結果的に1度で届くことは増えると思う。

 社内では現在、新しいシステムを構築中。荷物の管理についてデジタル化を進めている。従来なら荷物が届いてから紙の伝票を見て、順番を組んで、という流れだった。デジタル化が進めば、荷物が届く前に情報をオペレーションできるので、これが抜本的に変わる可能性がある。第一線のセールスドライバーが配達をしやすいようにしていきたい。それが結果的には、良いサービスにつながっていくと考えている。

LINEから再配達・集荷依頼が可能に!ヤマト運輸が新サービス発表

《近藤謙太郎》

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