ヤフー×ソニー不動産の個人売買サイトの現状 2ヵ月 | 東京IT新聞

ヤフー×ソニー不動産の個人売買サイトの現状 2ヵ月

エンタープライズ 企業動向

 ヤフーとソニー不動産は23日、売り主と買い主をダイレクトに結びつける不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」のマンションオーナー向け説明会をヤフー本社にて開催した。同説明会の担当者に、「おうちダイレクト」の強みやプロモーション戦略、マネタイズの仕組みなどについて話を聞いた。

 「おうちダイレクト」は、2015年11月5日より提供の開始されたサービス。マンションオーナーが売却価格を個人で決めることができ、掲載料無料で「Yahoo!不動産」上に物件情報を掲載することができる。また、独自開発の高度な価格推定エンジンを利用することで、精度の高い推定成約価格(システム推定価格)を把握することが可能だ。

 説明会には、マンションオーナー約20名が参加。サービス内容の説明がされたのち、希望者には個別相談の時間が設けられた。多くの参加者が個別相談を希望されていたようで、参加者の関心の高さがうかがえた。

 説明会終了後に担当者に話を聞くと、「仲介手数料が無料で、自分の手でマンションを売れる点が好評」とのこと。特に、自分で価格を設定したり、自分の言葉で物件の魅力を伝えたりできる点が好評のようだ。一方、自分の言葉で魅力を伝えるのが苦手な人には、プロライターによる文章作成サービスもあるとのこと。このほか、プロカメラマンによる物件撮影を行うサービスも設けられている。

 また売り主は、自分が売りに出している物件の閲覧数を知ることが可能。そのため、「閲覧数は多いが、成約に繋がらない」という場合には、価格を引き下げたり、紹介文章を改めたりするなどの対応をすることができる。さらに、要望があれば、ソニー不動産が訪問し、相談に応じることもできるそうだ。

 「おうちダイレクト」を利用するメリットは、売り主だけではなく、買い主にとっても大きい。「おうちダイレクト」を利用すれば、マンションオーナーと直接やり取りを行えるため、不動産仲介会社の窓口に来店する必要がなくなる。また、平日の夜間などであっても、マンションオーナーとやり取りをすることが可能だ。忙しいビジネスマンにとっては、このように時間を有効活用できるメリットは大きいだろう。

 このような新しいサービスを軌道に乗せるうえでは、いかにして利用者の認知度を高めるかがネックとなりやすい。この点を担当者に尋ねると、「具体的な数値は明かせないが、競合サービスの立上げ当初よりも、速いスピードで認知が進んでいる」とのこと。認知が進んでいることに関しては、自社の検索エンジンである「Yahoo!」での広告活用の影響が大きいという。これは、ヤフーが自社の強みをうまく利用しているプロモーションといえるだろう。

 今後については、「認知は進んでいるので、どのように買い主の背中を押すか(どのように成約に結び付けるか)が課題」と語る。実際、サービスを立ち上げたばかりであるために成約事例がまだ少なく、サービス利用に不安を抱えている売り主もいるようだ。担当者は、「無料で使えるサービスなので、まずは試してほしい」とコメント。1~3月は売買件数が増える時期となるので、これからに期待したいところだ。

 なお、買い主も無料でサービス利用できるが、売買契約成立時には、成約価格の3%+6万円(税抜)の仲介手数料が買い主に発生する。ヤフーとソニー不動産にとっては、売り主の不安を払拭するためだけではなく、マネタイズの仕組みを構築するためにも、成約件数の増大が喫緊の課題になるであろう。

サービス開始から2ヵ月、ヤフー×ソニー不動産の個人売買サイトの現状とは

《松木和成》

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