看板職人が中古車を検査する…隙間時間をクラウドで有効活用 | 東京IT新聞

看板職人が中古車を検査する…隙間時間をクラウドで有効活用

エンタープライズ ベンチャー/スタートアップ

★Gulliver Accelerator

看板職人を中古車の検査員としてクラウドソーシングするというアイディアが、ガリバーインターナショナルがこのほどITベンチャー企業を対象に実施したビジネスプランコンテスト「Gulliver Accelerator」で優秀賞に選ばれた(12月17日)。

このプランを提案したのがgCストーリーで、もともと看板施工事業者のクラウドソーシングを主に手がけている。そのビジネスモデルは、4300社の看板事業者と提携して、全国に多店舗展開している企業やチェーン本部などの主要顧客から、屋外看板や広告物の施工、張替えなどを一括受注するというもの。gCストーリーは法人営業および施工管理を行い、それ以降の看板製作や取り付け、メンテナンス作業に関してはすべて4300社にアウトソーシングしている。

gCストーリーの高村健一執行役員によると「たばこメーカー向けに全国3400店舗の看板広告張替えを3週間で完了したり、携帯電話キャリアから全国にある店舗のCI変更や看板の清掃・点検を請け負うなど、年間5000件以上の施工実績がある」としている。

ただ看板市場そのものは頭打ち傾向にある上、提携する4300社の看板事業者のほとんどが「売上高1億円以下、従業員も3人以下というのが経営の実態。仕事そのものも基本的に受注生産で、1週間後の仕事がみえていないこともある。短期間で終わる工事が多く、隙間時間を有効活用したいというニーズがある」という。

そこで「隙間時間を利用して自動車の出張検査ができるのではないかという仮説をたてた」と高村執行役員は語る。というのも「中古車小売市場は2.9兆円あるといわれているが、オンラインでの取引はごく一部で、今後成長が見込まれている。複数の新規参入者が入ってきており、これから市場が形成されるベストなタイミング。ただその際には中古車に対する不安感を払しょくするための第3者検査機関の必要性や重要性が増してくる」からだ。

このためgCストーリーでは「ユーザー向けの検査基準を確立し、楽天やヤフーなどのようなプラットフォーマーに対して車両情報のデーターベースと検査員クラウドソーシングサービスを提供する」ことを目指すビジネスプランを立案した。

看板職人が中古車の検査員もこなせるのかという素朴な疑問が湧いてくるが、高村執行役員は「検査で一番重要なポイントは外板パネルの交換履歴を確認すること。看板職人は取り付けのプロ。年間何千件もの取り付けを行い、取り付けのノウハウに関しては非常に高い知見を持っている。ボルトの見た目やシーラントの手触りなどから交換履歴を見抜くスキルを備えている」と強調する。

実際に「看板業者から自動車検査員へのコンバートが可能かどうかを検証するために、ガリバーの社内検査研修に職人を派遣した」ところ、ガリバーの検査員からお墨付きを得たという。

gCストーリーでは現在、ガリバーから検査マニュアルと検査環境の提供を受けてビジネスプランの実証実験を行っている。高村執行役員は「実証実験後に、まずガリバー店舗への検査員クラウドソーシング提供を始めたい。その後、ガリバーが運営する自動車の個人売買アプリ『クルマジロ』への横展開、最終的にはガリバー以外のオンライン販売企業にもサービスを拡大させたい」と抱負を語っていた。
《小松哲也》

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