カシオが電子楽器の特別展示…35周年 | 東京IT新聞

カシオが電子楽器の特別展示…35周年

エンタープライズ 企業動向

カシオ計算機は12月7日から、電子楽器の主要モデルを集めた特別展示を樫尾俊雄発明記念館 (東京・世田谷)で実施した。これは同社が楽器事業に参入して35周年となることを記念するもので、同月26日まで開催。

▼カシオ計算機の3番目のコンシューマー事業

カシオ計算機はその社名が示す通り、電気式計算機を手がけるメーカーとして1957年に創業された。やがて時計事業にも進出してカシオブランドを拡大。そして第3のコンシューマー向け事業として1980年に参入したのが電子楽器だ。最初の商品「カシオトーン201」はさまざまな楽器の音色を再現する小型で安価なキーボードとして人気を集め、電子楽器市場でカシオの地位を確立した。

以来、カシオはプロミュージシャンも使用する本格的なシンセサイザーや電子ピアノから、教育現場で使われる安価で親しみやすいキーボード、さらには鍵盤を弾けない人でも音楽を作れる機器まで幅広いラインナップを展開し、独自の存在感を確立している。

▼楽器メーカーと異なるアプローチが独自の地位を築いた

説明にあたった同社楽器事業部の安藤仁事業部長によれば、カシオトーン201は開発責任者だった樫尾俊雄会長の「すべての人に、音楽を奏でる喜びを提供したい」という想いから開発がスタートしたという。同社が持つデジタル技術を駆使することで、音楽を創り、奏でるためのプラットフォームを作るという発想だ。

この思想が現在でも息づいていることは、スマートフォンやタブレットで作曲や演奏ができるアプリ群、「Chordana(コーダナ)」シリーズを見れば理解できる。メロディは画面上の仮想鍵盤を叩いたり五線譜に音符をレイアウトして入力するほか、鼻歌のマイク入力でも作成可能。楽器が弾けず、またDTMの知識がなくても容易に作曲できるというのが特徴だ。

▼今後も技術をフル活用して市場拡大を目指す

特別展示で並んだ製品は「音色の追求による表現力の高い楽器」、「独創的な商品企画による楽しい楽器」という2つのテーマで選ばれ、バラエティ豊かなものとなっていた。これは同社の楽器事業が「本格的な楽器」と「楽しみを提供し、音楽人口を拡大する」というふたつの路線を並行させて歩んできたことを反映している。

安藤氏が入社して以来、楽器開発のコンセプトは「音楽人口を拡大する」というもので一貫しているという。今後も「スキルのある人が、より高い次元で満足いただける、より本格的な商品」と「スキルがなくても、簡単に高いレベルの音楽を生み出せる商品」の双方を強化することによって、音楽を楽しむ人を増やし、さらなる事業拡大を図っていきたい、と結んだ。
《古庄速人》

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