IoTの課題とクラウド導入例 閉域網 | 東京IT新聞

IoTの課題とクラウド導入例 閉域網

コンシューマー 産業のIT化

昨今話題となっているIoT=「モノのインターネット」。さまざまな「モノ」が通信でつながることにより、新しいデータが生まれ、新サービスが生まれる。このとき「通信手段」と「セキュリティ」が課題となるが、解決策のひとつに“クラウド閉域網”がある。

★IoTにクラウド閉域網を構築する利点
★データをどんな場所に蓄積するのか

クラウド閉域網を解説するのはアイレット株式会社の後藤和貴執行役員だ。アイレットは事業者に対して、クラウドサービスプラットフォームAmazon Web Services(AWS)の導入設計、環境構築、運用・保守をサポートする、マネージドホスティングサービス「cloudpack」を提供している。

後藤氏はIoTを「モノに、どんなセンサーや通信機能をつけると、より便利になるだろうか?」「モノから得たデータをどんな用途でどんな場所に蓄積したら便利だろうか?」という思考だと定義する。そのときの通信手段やセキュリティ対策として、後藤氏はクラウド閉域網の可能性を提案する。

後藤氏によると、IoT機器がクラウド閉域網につながるメリットは、(1)IoT機器間の通信がセキュア、(2)暗号化やVPN網への投資が不要、(3)従来の閉域網よりも構築が低コストでスピーディ、など。クラウド閉域網の構築について後藤氏は、東京市ヶ谷の居酒屋「花びし」での「おもてなし電話シンカCTI」導入を実例として、以下のように解説する。

株式会社シンカが提供する「シンカCTI」は、電話を発信した顧客のデータを、着信と同時にユーザー側のパソコンやタブレットに表示する、クラウド型サービスだ。CTIアダプタが電話のPBX(構内交換機)への着信から電話番号をキャプチャ、ルータ経由で顧客情報DBへ通知し、電話番号に紐づけられた顧客データがユーザーの端末に送られる。ルータからCTIサーバまでは光回線が必要だ。

オフィスビルに入居している花びしには、大規模な工事をしないと光回線が敷けないため、株式会社ソラコムが提供するデータ通信サービス「SORACOM Air」を採用した。CTIアダプタにSIMを装着し、光回線の代わりにLTE/3G回線を利用するわけだ。しかし同じソラコムの「SORACOM Beam」によるデータ暗号化は、SSLネゴシエーションのために、電話番号通知が光回線経由と比べ3~4秒遅延してしまう。そこで、CTIアダプタから花びしまでAWSのクラウド閉域網を導入。これにより暗号化が不要になりレスポンスを改善すると同時に、セキュアな通信環境を実現した。

後藤氏は、「『分析』の文脈でビッグデータを語ると、データを蓄積して分析を可能な状態にするまでのプロセスとインフラの設計・運用は重要だ。『デバイス』の文脈でIoTを語ると、データを安全に転送し、安全な場所で分析をおこなうためのセキュアなインフラは重要」と総括する。
《東京IT新聞》

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