VRカメラ「OZO」を発展へ…ノキア MWC | 東京IT新聞

VRカメラ「OZO」を発展へ…ノキア MWC

エンタープライズ 企業動向

 スペイン・バルセロナで22日に開幕した「Mobile World Congress 2016」(MWC 2016)。ノキアのブースでは、VRカメラ「OZO」、次世代通信技術5Gの取り組み、IoTの取り組みなどが紹介されている。

■展示スペースは昨年の倍に

 ノキアは先月、フランスのアルカテル・ルーセントを買収して事業規模を拡大したばかり。新生ノキアとして初のMWCとなる今回は、新たにグループ傘下に加わったベル研究所の研究・開発リソースを活かした展示に注目が集まる。ちなみにブースの展示スペースも昨年の倍に広がった。

■VRカメラ「OZO」

 展示の目玉のひとつがVRカメラ「OZO」だ。球体のボディに8つのカメラとマイクを備えるバーチャルリアリティカメラで、立体的な360度映像を撮影できる。2015年7月にアメリカで行われたイベントで初披露された際には、スタイリッシュで迫力のある外観が話題を呼んだ。プロフェッショナル向けに開発されたもので、映画会社やゲーム会社などでの利用を見込んでいる。価格は6万ドル(700万円弱)の予定。すでに事前注文を開始しており、今年の第一四半期には出荷できるという。担当者によれば、今年中にはOZOで撮影した映像コンテンツが楽しめるようになるとのこと。ただ残念ながら、日本市場での発売は現時点では未定だ。

■5Gに向けた研究

 ノキアでは次世代通信技術である5Gに向けた研究・開発も進めている。「ベル研究所のリソースが加わり、将来のビジョンなど、かなり踏み込んだ内容になっている」と同社の担当者。ブースではまず、5Gに向けた準備として次世代の基地局製品群「AirScale」シリーズを紹介。「LTE-Advanced」に焦点を当てた展示では、アップリンクで64QAMのCA(キャリアアグリゲーション)により従来の3倍相当のスループットを実現した技術、ダウンリンクで3キャリアのCAと4×4 MIMOにより900Mbpsを実現した技術などを紹介する。このほか「TD-LTE-Pro & MulteFire」の展示では8×4 Advancedビームフォーミングによるダウンリンクの技術などを紹介。

 そして5Gのデモでは、ミリ波を使い2×2 MIMOと組み合わせることで15Gbpsのスループットを実現した技術などを紹介。このほかLTEと5Gが併存することになる5G導入の初期段階を想定して、LTEと5Gのデュアルコネクティビティをいかに効率よく実現するかを紹介していく。担当者は「4Gのネットワーク環境に、いかに効率よく5Gをアドオンしていくか。ノキアの技術により、利用者はいつでも何処でも100Mbpsの通信が利用できるようになる」と解説している。

■IoTで収益源の創出を

 IoTの紹介スペースでは、収益源の創出と運用コストの低減をもたらす技術などを紹介していく。ユースケースとして、実際にノキアが実施しているトライアルからいくつかの実例を紹介。例えば荷物の配送を行う乗用車をIoTの技術でインターネットにつなげることで、在庫のリアルタイム管理、GPSを使った到着時間の把握などを可能にした。ニュージーランドではバス停にタッチスクリーンを導入した上で、観光客がバスで行きたい場所を調べたり、いま何処に何台のバスが走っているかを地図で確認できるようにしている。このほかにも地域、企業の収益向上に貢献できる取り組みがいくつか紹介されている。

このほか、ブースではOZOと5Gを組み合わせたデモも行われる。そもそもOZOで撮影した映像は、ヘッドマウントディスプレイに配信することでリアルタイムに3D体験できる仕様。デモはこれを利用したもので、ヘッドマウントディスプレイをかけた2人がバーチャルな空間で”協調作業”をするという趣向だ。このデータ配信に5Gの通信技術が活かされる。従来なら遅延が生じる利用ケースだが、同社の技術により、遠くに離れた場所にいる2人がまるで同じ場にいるかのように動きを合わせることが可能だという。主にエンターテイメントの分野で活躍が期待されているOZOだが、5Gとの連携によりビジネス向けにも利用シーンが広がる可能性を秘めていると言えるだろう。

ノキア、5Gとの連携でプロ向けVRカメラ「OZO」を発展へ【MWC 2016 Vol.18】

《近藤謙太郎》

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