4月から電力自由化、ビジネスのチャンス---数年後には事業者の淘汰 | 東京IT新聞

4月から電力自由化、ビジネスのチャンス---数年後には事業者の淘汰

エンタープライズ 市場動向

「今年は大きな転機の年で、当社としても飛躍する大きなチャンスの年でもある」 1月下旬、東京ビッグサイトでエネルギー関連の展示会「ENEX2016」が開催された。例年以上の賑わいを見せていた会場で、大きなブースを構えていた東京ガス、その関係者はこう力強く話した。

▼利用者の争奪戦になる

というのも、今年4月から一般の住宅や小規模店舗で電力自由化が解禁されることになったからだ。その市場規模は約8兆円、需要家数にして約8500万軒。すでに自由化されている分を含めて約18兆円に上る。そして今、その市場を狙って新規参入企業が相次いでいるのだ。

「昨年8月から受け付けを開始し、1月28日現在で260件を超える申請があり、148件を新たに小売電気事業者として登録しました。今も週数件のペースで申請が増えています」と資源エネルギー庁の関係者は話す。

それだけに今回の展示会はお客の争奪戦の様相を呈し、電気の販売を予定している業者はさまざまな形で自社をPRしていた。例えば、東京ガスは約15分のセミナーを1日16回も開催し、手続きの仕方などを説明していた。また、東京電力のブースでは、提携先のソフトバンク関係者が応援に駆けつけ、ブースを訪れる来場者に自社の優位性について熱心に説いていた。

▼90年代から取り組み

「2016年は電力自由化元年」ということが場生まれるほど、規制緩和に向けて電力業界は盛り上がりを見せているわけだが、ここへ来るまで長い時間を要したと言っていい。

なにしろ電力自由化が言われ始めたのは今から20年以上も前の1990年代前半に遡る。その理由は日本の電気料金が高いということだった。それは電力会社が地域独占で守られ、電気料金を総括原価方式、つまりかかったコストに適正の利益を乗せるという方式で決めていたことが大きかった。しかも、そのコストには広告宣伝費や接待費といった本来の電力事業とは関係ないものも含まれていた。また設備にしても、常に一番高いものを使っていた。

それに対して、一般企業はコストを下げて、電気料金を安くしてくれとはなかなか表だって言えなかった。というのも、電力会社を怒らせたら、電力の供給に支障を来すのではないかと心配していたからだ。なにしろ、当時の電力会社は「電気を買ってくださいではなく、電気を売ってやる」という姿勢が強かったのだ。

しかし、バブルが崩壊して日本経済が低迷し、日本企業の競争力が下がってくると、電気料金の高さが問題視されるようになってきた。そこで、1993年に当時の総務省が、エネルギーに関する規制緩和への提言を行った。

《山田清志》

編集部のおすすめ

特集

page top