「コミュニケーションしたい」でも「アカウントは伏せたい」という便利アプリ【木暮祐一のモバイルウォッチ】 | 東京IT新聞

「コミュニケーションしたい」でも「アカウントは伏せたい」という便利アプリ【木暮祐一のモバイルウォッチ】

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 何かと慌ただしい年度末。「教員は春休みだから余裕?」と聞かれることも多いが、じつは当該年度の報告書等取りまとめや研究成果発表などが山積みで、世間一般以上に最も多忙な時期なのである。それに加え新年度の準備も進めなくてはならない。講義の準備はもちろんなのだが、同時に学生とコミュニケーションを取る手段のメンテナンスも必要だ。研究室を卒業する学生もいれば、新たに加わる学生もいる。

 これまでこうしたグループでの連絡手段としてメーリングリストや、LINE、Facebookといったソーシャルネットワークを駆使してクローズドなコミュニケーションを図ってきた。それぞれ便利に活用はできるのだが、一点だけ要望を満たせてないのが「メンバー間でアカウントを伏せたい」ということ。あれこれコミュニケーションするためのサービスを探したところ、どうやら「らくらく連絡網」なら目指す条件を満たせそうだというのが分かった。

■グループでのコミュニケーションおよび情報共有手段として最適

 インターネットを使ったグループコミュニケーションにどのような手段を利用されているであろうか。企業も大学も、メールや掲示板等のイントラネットを用意しているのが一般的であるが、Google Apps(Gmail、カレンダー等のGoogleサービスを独自ドメインで利用できるサービス)など常に進化するクラウドサービスを導入している機関であればまだ良いが、独自のイントラネットを構築してしまったところではスマホ対応も今ひとつで積極的に使おうという気になれない。残念ながら筆者がこれまで所属してきた大学もこういう状況にあって、学生とのコミュニケーションは結局既存のオープンなサービスをうまく工夫して活用するような状況が続いていた。

 たとえば少なくとも10年前はまだガラケーが全盛で、コミュニケーション手段はケータイEメールが中心だった。このため筆者はグループでの連絡手段としてメーリングリスト(以下、ML)を活用していた。その後、学生のスマホ普及率が高まるとともに、その手段はソーシャルネットワークの活用に移行していった。現在、LINEでグループを作り、緊急時の連絡はLINEを使い、また同時にFacebookのグループ機能を活用し、こちらはスライドデータや講義関連資料の共有や、投稿に対して意見を交わす形でディスカッションにも活用している。

 しかし、MLやLINE、Facebookとも、ひとつ問題になってくるのが「グループ内でアカウントが他のメンバーに知られてしまう」という点だ。MLであれば、たとえばML専用のメールアカウントを用意するなどの方法もあったが、LINEやFacebookを使う場合はアプリでの使用が主体であり、アカウントが異なると切り替え(ログインしなおし)に手間がかかる。そもそもFacebookの場合は複数のアカウント所持を規約上認めていない。

 アカウントを伏せてグループ間で情報共有やコミュニケーションをしたい、そんなニーズに応えてくれるサービスがないかあれこれ探してみたところ、まさに痒い所に手が届くというようなアプリに行き当たった。それが、「らくらく連絡網」だ。

 イオレが運営するこの「らくらく連絡網」のスタートは2005年4月にオープンしたメーリングリストサービスにさかのぼる。イオレはもともとスポーツ団体を支援するコンテンツサービスを提供することを目指して設立された企業で、社名のイオレは応援する時の『オーレ』に由来するという。「らくらく連絡網」の誕生は、あるサッカー少年団から団体内のコミュニケーション手段が欲しいという要望があり、この団体向けに同社のアルバイトが業務外でシステムを作り提供したところ、思いのほか評判が良く、これが「らくらく連絡網」に発展したという。

 グループで情報を共有するために、当初は無料のメーリングリストサービスとしてサービス提供を開始し、その後時代の流れに応じて対応端末やサービス内容をブラッシュアップし、現在に至っている。PC用のサービスに加えケータイにも対応させ、その後、スマートフォンの時代となりスマホ用アプリの展開に至る。そしてつい先日、スマホ向けアプリが刷新され、さらに使い勝手が向上している。

■ファイル共有のほか、賛否確認や出欠機能、アンケート機能も備える

 イオレによれば、大きなプロモーションも打ってこなかったというが、その便利さが口コミで広がり、現在登録ユーザー数が650万人を超え、そのうち学生の利用が100万人を占めているというサービスに発展した。学生ユーザー100万人ということは、日本の在学生のおよそ3人に1人が使っているサービスということになる。サークル活動などの連絡用に愛用している学生が多いらしく(実際に筆者のゼミ生でも使っていた学生がいた)、さらに学生時代に使っていてその便利さが手放せなくなり引き続き社会人になっても愛用しているユーザーも多いという。2009年には「モバイルプロジェクト・アワード2009」のモバイルソリューション部門で優秀賞を受賞。

 Facebookのグループ機能に準じたファイル共有機能も備えているし、LINEのようなスタンプも使えるチャット機能も利用できる。双方のコミュニケーション手段の良いとこ取りのようなサービスといえそう。

 「らくらく連絡網」では、大きなグループのカテゴリとして「団体」があり、その団体の中で「グループ」を作成することができる。メッセージ(このサービスでは「連絡」)でやり取りする手段として「団体」全体とか、「グループ」を指定した送信、個別のユーザー宛の送信などを選べる。LINEのようなチャット(このサービスでは「会話」)をすることも可能である。団体やグループで各種ファイルを共有することも可能である。

 そのほか、期限を設けた「賛否確認」や「出欠確認」機能や、コンパ日程の調整に便利そうな「日程調整」機能、設問に対して回答を集められる「アンケート」機能、さらには「安否確認」機能も用意されている。

 冒頭に説明したが、「らくらく連絡網」の最大の特徴は、グループのメンバー同士で、お互いのアドレスやユーザーアカウントを知られることなくコミュニケーションできる点だ。具体的には、団体にメンバーを招待する際に、招待者に団体の招待コードを伝えればよい。メンバーが自身の「らくらく連絡網」アプリを起動し、招待コードを入力することで団体への参加が可能になる。「らくらく連絡網」の利用にはメールアドレス等の登録が必要だが、登録しているメールアドレスを他のユーザーに知られることなくサービスが利用できるようになっている。

 管理者がこの招待コードをメールやLINE等で送ることもできるが、たとえば講義受講者の連絡用として団体を作る場合には、黒板にこの招待コードを記載して、「このコードを入力して団体に参加するように」と促すだけでよい。

 このようにグループ活動において、ユーザー間のプライバシーを守りながらしっかりとコミュニケーションできる優れたサービスといえそう。サービスの利用は無料。ビジネスモデルとしては、受信メールに入る広告収入で賄えているそうだ。広告が入らない団体有料版も用意されており、こちらは100人で5,000円(月額・税別)となっている。

 また、このほど行われたスマートフォン向けアプリに大幅なリニューアルが行われ、情報の閲覧性や操作性が大きくブラッシュアップされた。「らくらく連絡網」を使い込んでいるユーザーで多数の団体やグループに加わっている場合、それらでのメッセージやチャットが飛び交うと、受信した通知を開くにはその都度団体の切り替えが必要で閲覧性が悪かった。これが、アプリのリニューアルにより団体を超えて時系列に一覧表示されるようになっている。

 新年度から新たな仲間とコミュニケーションを図るという方々にお勧めしたい便利なサービスである。

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第92回 「コミュニケーションしたい」でも「アカウントは伏せたい」という人のための便利アプリ

《木暮祐一》

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