爆買い対応ソリューション インバウンド | 東京IT新聞

爆買い対応ソリューション インバウンド

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 訪日外国人旅行者の増加が止まらない。日本政府観光局が1月に発表した調査結果によると、15年における訪日外国人旅行者数は1974万人と、前年から比べると47.1%増。その旅行消費額は3兆4771億円に及ぶ。

 だが、その消費がすべての飲食店、小売店に届いているかというと懐疑的だ。外国人旅行者を相手にしたビジネスには言葉の壁があり、カード決済への対応といった設備の問題もある。個人経営を含む中小規模の店舗がこれらに対応するのは、コストと労力の両面で難しい。

 しかし、そんな状況も徐々に変わりつつある。流通システムの総合展示会「リテールテックJAPAN」の会場を見渡すと、小規模店舗でも十分に導入可能な、訪日外国人旅行者向けのソリューションが登場してきた。“インバウンド”という言葉を遠く感じていた経営者も、そろそろ対応を進める時期が近付きはじめている。

■これで今日から免税店、オペレーション負荷はゼロ

 インバウンド対策で今最も熱い話題の一つが免税店制度の改正だ。15年10月から対象品目が食料品や衣料品、化粧品などの消耗品まで拡大。観光地のお土産屋などでも、免税を売りに外国人旅行者を呼び込める。

 とはいえ、免税店としての許可を得たとしても、オペレーションの問題がある。免税店では免税手続きとして、外国人旅行者が商品を購入するときに、購入記録票を作成する必要がある。これが手作業だと10分程度かかると言われており、レジ要員が少ない小規模店では、大きなハードルとなっていた。

 そこで、最近ではこの書類を自動で作成する、専用端末が登場しはじめている。パスポート番号をバーコードリーダーで読み込み。それを元にPOSと連携して書類を作成するため、店舗側にはほとんど負担がない。

 リテールテックJAPANの会場でも、購入記録票の自動作成では、様々なソリューションが展示されていた。中でも、小規模店にもっとも負荷なく導入できるのは、やはりPOSアプリだろう。外国人観光客は会計にクレジットカードを使うケースが多いが、その利用も対応したPOSアプリがあれば、ICカードリーダーの用意だけで賄える。

 最近ではNHNテコラスの「POSSTAR」のように、免税対応のPOSアプリが増えてきた。初期投資は20万円前後。レジをタブレットに置き換えるだけで、レシートプリンターから購入記録票を印刷できる。ただし、機種によっては書類に必要な情報をすべて読み込めず、一部情報を手入力するものもあるので注意が必要だ。

 会場ではこれをさらに進化させた「免税セルフレジ」が、エスキュービズム・テクノロジーのブースで展示されていた。外国人旅行者が専用のリーダー端末でパスポートをスキャン。さらに、バーコードリーダーに商品を読み込ませることで、会計から購入記録票の作成までを自ら行える。初期コストの問題もあるが、店舗としてはレジを無人化し、行列解消に役立てられるだろう。


■言語の壁も〇〇を使って安価に解決

 言語の壁という点では、注文時の対応がハードルになっている。居酒屋などの飲食チェーンでは、テーブルにタブレットなどのセルフオーダー端末を設置。多言語でメニューを表示することで、客が自ら注文を入力する仕組みを用意する店もある。しかし、これは初期コストの問題から、小規模店舗では導入が難しかった。

 一方で海外を見渡すと、中国などでは客のスマホをセルフオーダー端末代わりにするのがトレンドとなっている。これと同じ手法を取り入れたのが、富士通の「e-ORDER」だ。現在はすでに「和民」の新宿靖国通り店などで、テスト導入が進められている。

 「e-ORDER」の仕組みはこうだ。テーブルに配置されたQRコードを客がスマホに読み込ませることで、ブラウザー上にメニューの注文画面を表示。それがクラウドを経由して、キッチンとレジへと送られる。店舗側としてはセルフオーダー端末の必要がなくなるため、初期コストは極めて安価に。支払は売り上げの数パーセントという従量課金制なので、小規模店舗でも無理なく導入できるとのことだ。

 また、外国人旅行者が相手となると、商品を説明するのもスタッフの負荷となっていたが、それも安価に解決できるようなソリューションが増えてきた。

 例えば、都道府県のアンテナショップなどでも使われているサトーの「InboundWorks MultiLingual」では、専用のラベルプリンターでQRコードを出力。それを売り場のPOPなどに貼り付けておけば、多言語に翻訳された商品紹介サイトにアクセスできる。翻訳代は別となるが、これなら初期投資は20万円弱。ランニングコストもラベル代を含め、年間2万円程度に収まる。

■東京オリンピックに向けた設備投資を

 外国人旅行者は今後もさらに増えていくだろう。ただし、彼らがショップを訪れても、言葉の壁や設備の不足があれば、機会損失を生んでしまう。

 外国人旅行者の購買意欲を誘導するには、店舗側にもきちんとした対応が必要だ。POSアプリやセルフオーダーの仕組みは、人的コストの削減、売り上げ状況の分析にもつながる。それを加味した上での設備投資スケジュールを、20年の東京オリンピックに向けて着実に積み上げていきたい。

【商売を大逆転させる、スマート決済!】爆買い、インバウンドはこのソリューションでうまくいく<リテールテックJapan>

《丸田鉄平/H14》

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