企業にメリット…電子レシート最前線 スマート決済 | 東京IT新聞

企業にメリット…電子レシート最前線 スマート決済

コンシューマー 産業のIT化

 商品を購入する際に発行される紙のレシート。これを電子データ化する動きが加速している。経費精算などのために紙を保存しなくていいのは、消費者にとって大きなメリットだが、一方で企業にとっても注目度は高い。データとして膨大な購買履歴を蓄積すれば、物流システムの効率化やマーケティングに活用できるだろう。

 経済産業省は昨年10月、「流通・物流分野における情報の利活用に関する研究会」を設置。ヤマト運輸やセブン&アイ・ホールディングスなどの企業も参加し、“流通・物流業におけるビッグデータの活用を通じた消費活性化”について議論を行った。今後2年以内を目処に、電子レシートの標準規格を作る方針を打ち出している。

■今後の課題とは

 官民一体となった取り組みが行われている電子レシート実用化だが、今後どのような点が課題となるのだろうか。東京ビックサイトで3月8日から開催された流通システムの総合展示会「リテールテックJAPAN」では、「スマーター・リテイリング・フォーラム 2016 ~テクノロジーが拓く流通業ビジネスの可能性~」と題したセミナーを実施。「Virtual POS/電子レシート標準最新動向」コーナーで電子レシートの最新動向が語られた。

 このコーナーではOPOS技術協議会の技術部会長であるNECプラットフォームズの五十嵐満博氏、.NET流通システム協議会の技術部会長である東芝テックの三部雅法氏、日本クレジット協会業務企画部の高橋義仁氏、NRF ARTSのRichard Halter氏が登壇した。

■電子レシートの仕様を策定

 電子レシート分科会のなかで、電子レシートの国際標準仕様の策定をNRF ARTSのRichard Halter氏と一緒に行っているという.NET流通システム協議会の三部雅法氏。ちなみに、NRF ARTSとは全米小売業界(NRF/Natinal Retail Federation)内で外食産業・小売流通業向けのIT技術の標準化を進めている組織(ARTS/Association for Retail Technology Standards)のことだ。

 三部氏によれば「北米のほうが電子レシート化が進んでいる」ものの、NRF ARTSの電子レシートの仕様では「日本の要件にはまったく入っておらず、いまのままではそのまま使えない」とのこと。電子レシート分科会で「NRF ARTSの電子レシートの検証をしながら、国内の電子レシートの追加要件の洗い出しを実施している」という。

■日本版電子レシートへの道のり

 「各社でレシートのフォーマットを持ち寄り、NRF ARTSの仕様と重ねあわせて、足していっている」と語る三部氏。ただ、世界標準であるNRF ARTの電子レシートから「余分な要素を削除する」のは非常に難しいため、「簡単に使える方法をこれから考えてく必要がある」と話す。

 日本版電子レシートでの追加要件として三部氏が挙げたのが、量販専門店の「ポイント管理」「プロモーション情報」「クーポン」や、フードサービス業界の「オペレーター情報」「人数や会計、組数情報」「場所情報」。いずれも国内向けゆえの細分化された要素である。

 さらなる追加要件の洗い出しのほか、データモデルの簡素化を今後のテーマとして挙げた三部氏。いま、国内向け電子レシート仕様開発の現場では、北米仕様の電子レシートの検証とローカライズを入念に行い、実用化に向けて着実に進んでいるようだ。

【商売を大逆転させる、スマート決済!】企業に大きなメリット!…日本版電子レシート最前線

《オフィス本折/H14》

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