リクルートが見据えるVRの未来とは? | 東京IT新聞

リクルートが見据えるVRの未来とは?

プロダクト ウェアラブル

就職や転職情報の提供サイト「リクナビ」でおなじみの株式会社リクルートホールディングス。そんなリクルートグループに所属する株式会社リクルートテクノロジーズが、B to B(企業間商取引)を見すえたVR体験イベントを開催しました。これからゲームやエンターテイメント業界を席巻することが期待されるVRは、一般社会ではどのように普及していくのか? そして同社がかかげる「スーパーVR」とは? イベントのレポートをまじえつつ、リクルートの取り組みにせまります。

手軽に観光地の魅力を味わえるVR体験会!

3月17日(木)~18日(金)にかけて、東京タワーメディアセンター内のスタジオアースにて「未来アミューズメントパーク ~視覚・聴覚・触覚を刺激する、VRを超えたスーパーVR体験会~」が開催されました。催しの名にある通り、ただHMDを着けるだけではなく、視覚以外の五感を刺激することで、より深い没入感やリアリティを得られる体験を届けようというもので、会場では以下の6種類のアトラクションが体験できました。

■TOKYOスカイライン

CGで作られた、東京に似た都会の空をブランコ型コースターで疾走。ブランコ型の大型デバイスや、映像に合わせて風を切る疾走感を再現するPC制御の大型ファンなどで、迫力ある浮遊体験を味わえる。

本当に風を切って疾走している感覚を味わえたTOKYOスカイライン。何度でもやりたくなる臨場感でした

■美瑛の丘レース

乗馬型の健康器具を活用した、乗馬体験アトラクション。騎手さながらの振動を味わいながら、フルCGで作られた北海道・美瑛の丘でのレースを楽しめる。

■座間味島ロケットジャンプ

ドローンで空撮した現地映像を見ながら仮想ジェットパックを背負い、音声ナビゲーションにしたがって沖縄座間味諸島周辺でのロケットジャンプを体験できる観光型VR。

ハーネスでつるされてロケットジャンプを体感。気分は“リアル『パイロットウイングス』”という感じです



■四季の世界遺産ドライブ

白川郷~白神山地~熊野古道~姫路城と、国内にある4箇所の世界遺産をバイクに乗って駆け抜ける擬似観光体験アトラクション。景色のみならず、現地の路面から伝わる振動も体感。

■ペンギンロボットコントローラー

羽を模したデバイスを両腕に装着して、遠隔地のプール内にいるペンギン型ロボットを身体的動作でコントロール。自分が遠隔地にいるかのような「テレイグジスタンス」を体感。

羽を模した大型コントローラとHMDを着けて見た目もペンギンライクに!? ユニークな見た目も注目の的



■指サッカー

手首に小型カメラをセットし、人差し指と中指を両足に見立てたサッカーを体感。HMDに映された卓上のサッカーグラウンドを見ながら遊ぶことで、自分の体が片手サイズになったような感覚を得られる。

VRに着目したリクルートの狙いと今後は?

各アトラクションを体験した感想としては「TOKYOスカイライン」が白眉でした。ブランコの制動は人の手によるものでしたが、はたから見ていると動かしているのか分からないくらい微細な動きでも、実際にHMDを着けて体感しているとカーブの際に驚くほどのGを感じ、あやうくギブアップしようかと思ってしまったくらいです。

ハーネスで実際に吊るされるという「座間味島ロケットジャンプ」も、左右に見回すだけでなく縦方向への視点移動が新鮮でなかなかのおもしろさ。余談ですが、音声ナビゲーションが若い女の子の声で「はいさーい!」と元気よくあいさつしてきたときは思わず、「バンダイナムコエンターテインメントとコラボして「アイドルマスター」の響がナビをしてくれたらなぁ」などと考えてしまいました。

今回は人力制御によるアトラクションが目立ちましたが、機械制御が見えているものも多いとのことで、今後、さらなるブラッシュアップに期待がかかる体験会でした。そんなイベントを主催した株式会社リクルートテクノロジーズは、どのような理由や経緯でVRに着目したのか? 広報の方にお話をうかがう機会を得られましたので、あわせてお届けします。

―――VRに着目した理由は?

日々、目の前のシステム開発やマーケティングだけをしていると、どうしてもこれから脚光をあびるものを見落としがちになったり、流行を追いかけづらくなってしまう。そうした事態をさけるため、弊グループの既存のビジネスを切り離してインターネットの次、スマートフォンの次は何がくるのだろうかと考え、このVRに行きつきました。

リクルートテクノロジーの取り組み。Apple Watchのようなウェアラブル端末にも着目しているそうです



―――今回のイベントでも使用されているOculus Riftや、他にもソニーのPS VRや台湾のスマートフォンメーカーHTCによるViveなど、エンターテイメント方面でもVRが盛り上がりはじめています。

弊社はあくまでB to Bとしてお客様が実利を得られる方向性で考えていましたので、そうした業界でも同じ方向を向いていたことを知って驚きました(笑)。今回、観光を題材にしているのもB to Bを見すえてのことなんです。さまざまな観光地へ実際に旅行に行くのは、お金も時間もかかりますよね。ですから、それを気軽に味わえることには、きっと需要があるだろうと。

昨年12月には、ハワイの結婚式場の雰囲気をお手軽に味わえるVRスコープをつけた「ゼクシィ海外ウエディング2016 Spring&Summer」を発売しましたが、いつもよりも多くの男性の方に買ってもらえたんですよ。そうした経験からも、VRの需要に手ごたえを感じています。

―――今後の展望は?

まだ弊社はグループ内での知名度も今ひとつですので、まずはそこからですね。今回のイベントの反響を受けてグループ内でも新たなアイデアが出てくるはずですので、それも鑑みながら、リクルートとしてのビジネスにどう落とし込んでいけるかを見すえて進めていきたいと思います。

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旅行代理店に行けば、さまざまな観光地の雰囲気を気軽に味わえるのが当たり前……そんな日がきてVRに親しむ人が増えれば、エンターテイメントとしてのVR機器――PS VRやOculus Rift、HTC Viveなど――の普及もより進むのは想像に難くありません。エンターテイメントとは異なる視点でVRに着目した、リクルートの今後の動向を追うのもおもしろいかもしれませんね。

リクルートが見据えるVRの未来とは? 複数のプロジェクトをお披露目

《勝田 周》

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