【越境ECフェス】中国市場で大手に対抗、その出店ノウハウ | 東京IT新聞

【越境ECフェス】中国市場で大手に対抗、その出店ノウハウ

コンシューマー EC

【記事のポイント】
▼中国のEC市場規模は、19年に世界の4割に達する
▼「天猫」など中国独自のECサイトへ出店、欧米圏より出店コストは高い
▼日本で知名度の無い、中小企業の製品が大ヒットしているケースも


■中国市場は15年で世界の3割、19年には4割に達する

 国境を越えてインターネットビジネスを行う「越境EC」。16年7月25日には、中小企業基盤整備機構がセミナー&交流会「越境EC“まるごと”フェスティバル2016」を開催するなど、中小企業からも注目を集めている。

 爆買い現象に象徴されるように、中国の経済成長は目覚ましく、彼らをターゲットにした物販はもっとも注目されるところだ。会場でもEC支援サービスを提供する「ソウルドアウト」の事業開発室 中国ネットマーケティング支援事業部 執行役員 中西信人氏が「中国越境市場の事業機会」など、中国向け越境ECについてセミナーを行った。

 まずは、中国市場の現状と将来性についてだが、15年の国別B to C市場規模を見ると、中国が米国を大きく引き離してトップに。金額ベースでは米国の3406億USドルに対して、中国は6720億ドルと2倍近い市場規模をもっている。

 参考までに3位以下を見てみると、3位が英国で994億ドル、4位が日本で896億ドル、5位がドイツで618億ドルと、やはり中国の市場の大きさが際立っている。これについて中西氏は、「現在中国はEC市場の30%超を占めるが、この成長は今後も続き、19年には世界の40%を占めることになるだろう」と予測する。

 中西氏はさらに中国のB to C市場予測データ(中国元ベース)を示し、15年時点で60兆円規模となっており、年率30%の伸びを見せていると強調。さらには中国のネット利用者がまだ5割程度(日米は8割)と、この市場におけるポテンシャルの大きさも示した。

■日本では知名度のない商品が、中国独自のECモールでヒットに

 多くの越境EC事業者にとって、中国は魅力あるマーケットであることは間違いない。では実際の中国市場では、どんなEC事情があるのだろうか。中西氏は、「日本では自社サイトでの物販も成長を見せているが、中国ではさまざまな業種が参入するECモールでの売り上げが9割を占める」と中国独特のEC事情を語る。つまり日本における楽天のように、中国のECモールに出品することが重要だと指摘する。

 その中国のECモールは、「天猫」がシェア約6割を占め、2位の「京東」と合わせて8割を超えるシェアをもっている。つまり「天猫」か「京東」のどちらかに出品する必要があるということだ。


 では、中国のECモールではどんな日本商品が売れているのだろうか。「中国は中国独特の市場原理でヒット製品が生まれている」と中西氏は指摘する。

 例えば、「海の野菜洗い」という日本では知名度のないメーカーのヒット商品が、中国で売れているという。同製品は株式会社日本漢方研究所が発売している健康飲料商品のひとつで、日本ではAmazonなどを中心に販売している。「このように、中小企業の製品もヒット商品になることが可能だ」と、中西氏は中国市場の独自性を強調。そのためには「中国ではどんな商品が売れているのか。中国のデータを読み取って、きちんと分析したうえで出品が必要だ」と話す。

 中でも、中国で売れているのが粉ミルクなど、新生児向けの商品だという。日本製品の信頼性が高く、中国の市場でも伸びている分野だそうだ。リクルートマーケティングパートナーズが運営するマタニティやベビー用品などの通販サービス「赤すぐnet」では、中国向け越境ECに参入すると8月1日に発表している。これも、先ほどのような中国市場の動きをにらんでということだろう。

■言語や決済などハードルは高いが、成長性は見逃せない中国EC

 中西氏によれば中国では、英語圏ECに比べて出店コストが高くなると指摘する。言語の問題、決済の問題など、中国向けに人員を配しないといけないからだ。そのため、同社に中国のECサイトに出店したいのだがという相談がくるなかで、実際に出店に至るのは1割程度だそうだ。

 独自のECマーケットを構築しており、日本からの出店においてもハードルがけっして低くない中国市場ではあるが、その規模、そして成長性は見逃せない。中国ではどんなものが売れているかを調査・分析することで、中小企業でもけっして大企業にひけを取らないEC事業が展開できると中西氏は強調する。

【越境ECフェス】中国市場で大手に対抗、その出店ノウハウは?

《関口賢》

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