【3Dプリンターと製造業】ものづくり補助金で選ばれる事業とは? | 東京IT新聞

【3Dプリンターと製造業】ものづくり補助金で選ばれる事業とは?

エンタープライズ 経営

▼採択には「革新性」と「実現可能性」が重要
▼独自の技術を持つことが採択でも強みとなる


■「3Dプリンター×何か」のビジョン提起する事業計画が必要

 12年度から始まった「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金)」で、3Dプリンターを使った事業の採択が増えている。

 国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、革新的なサービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善を行う中小企業や小規模事業者の設備投資などを支援するものづくり補助金。では、3Dプリンターを使った事業で採択を目指す場合、どのように計画し、補助金を活用すれば良いのだろうか。

「ものづくり補助金では、一昨年から3Dプリンターを活用した事業が多数採択されるようになりましたが、現在の傾向としては、事業計画に突出したものがないと厳しくなっています」

 このように語るのは、助成金や補助金に詳しい経営コンサルタントの島本聡さん。ちなみに、審査においては基本ではあるが、3Dプリンターの利用が事業にどのようなメリットをもたらすかが、やはり最重視されるという。

「先進的な技術を導入して会社のプロモーションを促進するといった、3Dプリンターの本質的な部分と無関係な内容では採択されるのは難しいといえます。3Dプリンターでどういった既存の事業とサービスを発展させるのかという、『3Dプリンター×何か』のビジョン提起が、ものづくり補助金の審査では最重要ですね」


■評価されるのは「独自の技術を持つ会社」

 では、一体どのような事業計画を立てれば、ものづくり補助金の採択が得られるのだろうか。そもそも、ものづくり補助金では“革新性”と“実現可能性”のふたつが、採択のポイントとなっている。つまり、3Dプリンターを使った事業でも、必要なのは単純に3Dプリンターを使うという以上の革新性だ。


「工場に導入して試作品を作るといった一般的な理由だけでなく、地域への貢献、高齢者の活用、住環境の向上、観光の活性化、人材育成、冠婚葬祭などのテーマと結びつけること。こうした革新的ビジネスを構想できれば、採択の可能性は大幅に向上します」

 一方で、実現可能性に関しては、データの充実が欠かせないと島本さんは話す。

「コスト削減や収益性向上の数字を出すのはもちろん、3Dプリンターの強みである『低コスト実現』と『スピードアップ』を、導入前と導入後のデータにどれだけ反映させられるかに尽きます。ビジネスの理解は当然ですが、3Dプリンターに関する深い理解も必要ですね」

 それでは、どういった事業者がものづくり補助金を採択されやすい傾向にあるのだろうか。業務用3Dプリンター「アジリスタ」の販売と顧客サポートを行う、株式会社キーエンスの兵頭さんは「以前から独自の技術をもっている会社が評価されやすいですね」と語り、実直な事業を行っている事業者がしっかり評価されていることを指摘する。

 革新性、実現可能性、独自技術がキーとなる「ものづくり補助金における3Dプリンター活用事業」。その採択の場では今、堅実かつ斬新なアイデアが求められている。

【3Dプリンターと製造業:5】ものづくり補助金で選ばれる事業とは?

《本折浩之/HANJO HANJO編集部》

編集部のおすすめ

特集

page top