【越境ECフェス】中国・東南アジアで成功した事業とは? | 東京IT新聞

【越境ECフェス】中国・東南アジアで成功した事業とは?

コンシューマー EC

【記事のポイント】
▼中国・東南アジアの越境ECが成功し始めたのは、ここ2、3年の出来事
▼流通規模を考えると、ビジネスとしての旨みはB to Bにあり
▼急成長する東南アジア、楽器やスポーツなどが狙い目


■国内外のEC事業支援サポート企業による成功事例とは?

 独立行政法人 中小企業基盤整備機構は7月25日、セミナー&交流会「越境EC“まるごと”フェスティバル2016」を東京・新宿で開催した。国境を越えてインターネットビジネスを行う越境ECは、中国の経済成長、そしてEC市場の拡大を背景にがぜん注目を集める分野だ。

 独自のマーケット事情をもち、日本国内とは違った市場を形成しつつある中国、そして東南アジアでのEC事情においては、中小企業にも大いに参入の余地があるところ。国内外のEC事業を支援するトゥルーコンサルティング株式会社専務 西川正太可氏は、そんな中国と東南アジアにおけるEC事情を踏まえ、「中小企業越境EC成功事例紹介セミナー」を行った。

■越境ECではB to B市場も視野に、中小には「タオバオ」も狙い目

 まず、中国のEC事情だが、B to CではECモールが市場売り上げの9割を占める中、「天猫」がシェア約6割、2位の「京東(JD.com)」と合わせて8割を超えるシェアをもっている。これらのうち企業としては、日本からの出品が可能な「天猫国際」への出店を目指すことになる。

 ただ、C to Cとしてアリババグループの「タオバオ」も成長著しいと西川氏は語る。日本企業が中国EC市場で勝負するならば、「天猫国際」か「タオバオ」でということになるだろう。このうち、「天猫国際」は現地法人が必要であり、相当大手企業でないと日本からの出店は不可能。その点、「タオバオ」は個人でも出店可能であり、中国での出店としては「タオバオ」が最適となるそうだ。

 また、中国にはB to B向けECサイトとして「1688.com」があり、ここも最近売り上げを伸ばしている。西川氏によれば、「1688.com」は中国最大のB to B向けECサイトであり、約7700万人のバイヤーが利用しているとのこと。「中国法人がなくても日本から出店が可能で、知られていない日本商品でも売れる可能性がある」と、国内で知られた商品ばかりではなく、中小企業の製品でもヒットするケースがよくあると強調する。

「B to B参入のメリットは、B to Cと比べたときの取り扱い規模の大きさにあります。売り上げからのコスト捻出も比較的に容易で、ヒット商品さえできれば売り上げを一気に伸ばせます」

 もちろん、取り扱い量が多いため在庫の確保が重要となり、どんな商品が売れているのかなど事前のリサーチも欠かせない。とはいえ、越境ECといえばB to C市場に目が行きがちだが、このB to B市場も日本の事業者にとって魅力ある市場だと、西川氏は話す。


■年間3倍ペースで急拡大する東南アジアのEC市場

「マレーシアに本社をもつECモール『LAZADA』は“東南アジアのAmazon”と言われ、毎年3倍ずつ売り上げを伸ばしています。18年には日本の半分程度にまで市場規模が大きくなる可能性があるでしょう」

 そう話す西川氏によると、東南アジアには商圏人口が6億人いるとのこと。これから越境ECに参入する事業者には、見逃せない市場だといえる。トゥルーコンサルティング社では、100円ショップを展開する「ダイソー」のLAZADA進出をサポート。今後の売り上げに大いに注目しているそうだ。

 その他の実例紹介としては、中国の「1688.com」でいうと、キッチン雑貨の会社が月商で600万円。中古楽器なども好調な会社があり、こちらは月商1000万円前後の売り上げを保っているという。

 両社とも中国語対応で現地におけるプロモーションもしっかり行い、これらは日本製品の評価の高い分野でもある。またスポーツ用品なども強く、全世界からアクセスできる「楽天グローバル」で、バトミントン関連用具だけで月500万円の売り上げを見せる店舗もあるという。バトミントンは、アジアでも盛んにプレイされるスポーツである。中国、東南アジアへの市場でも好調な動きを見せる可能性があると西川氏は指摘する。

 実は西川氏は、中国、東南アジアにおけるEC事業で多くの企業の進出を手伝ったが、成功事例が出てきたのは、ここ2、3年のことだという。「かつては、それくらい難易度の高い市場だった」と振り返るが、現在では中国、そして東南アジアもEC市場の拡大が予測されているとのこと。このためか、今回の「越境EC“まるごと”フェスティバル2016」にも大勢の事業者が集まり、セミナーも活況を呈していた。

 また、トゥルーコンサルティングのような海外向けEC支援サポートサービスも多く誕生している。そして、それらで一様に語られるのが、「中国、アジアは、中小企業にも多くのチャンスがある市場だ」ということ。中国を含むアジアエリアは人口も多いうえに、これからインターネットの普及が進む、それこそポテンシャルの高い地域だ。言語、サポート体制など、まだまだハードルは高い部分もあるが、「これからの市場」としての中国、東南アジア市場に、いち早く参入してアドバンテージをもとうという事業者たちであふれ、越境ECの熱気を感じた。

【越境ECフェス】中国・東南アジアで成功、その事業とは?

《関口賢/HANJO HANJO編集部》

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