【動画PRの成功術】法律相談も安心の“顔が見える集客” | 東京IT新聞

【動画PRの成功術】法律相談も安心の“顔が見える集客”

エンタープライズ 経営

【記事のポイント】
▼税理士が動画に顔を出すことで、依頼者の無意識な警戒を解く
▼依頼のハードルを下げるために、専門用語や法律用語は使わない
▼動画はサービスの認知や集客に、詳細はホームページなどに役割分担させる


■法律相談にも動画マーケティングの効果はあるか

 「相続税相談申告センター」は、相続税に関する税務処理相談に特化した業務を行っている。赤坂にほど近い著名なホテルのビジネス棟に事務所を構える星泰光・杉沢史郎税理士事務所の星税理士と、Tsuchida & Associatesの土田満穂米国税理士が運営する。その特徴は、国内の一般的な相続税相談に加え、日米にまたがる遺産相続、申告処理にも対応してくれることだ。

 同センターではこの業界では珍しく、YouTubeに動画PRコンテンツを公開している。しかし、税務・法律相談のような分野において、動画PRというのは効果があるのだろうか? センターで相談業務を行っている星泰光氏、土田満穂氏に話を聞いた。

■増える相続税相談を動画で契約に結び付けたい

 法律や税務の相談はかつて、資産家や経営者のような顧客と長い付き合いの中で、知り合いを紹介してもらうケースが多かった。そのため、テレビCMのような動画のプロモーションはそぐわないイメージがある。しかし、法律が改正され、これまで免税だった遺産相続にも税金がかけられるようになり、相続税は一部の資産家の問題だけでなく、親が証券や土地を持っていれば一般のサラリーマンでも身近な問題になった。

 実は星氏、土田氏ともに以前からホームページなどを作り、相続税相談を広く受け付けていたが、「サイトからの相談は増えたものの、契約に結び付く相談はあまり多くなかった(星氏)」という。そこで問い合わせを契約に結び付けるためのアイデアはないかと模索する中で、動画を利用するというアイデアにたどりついたとのことだ。


 動画を作るにあたって星氏らがとった戦略は、まず相談者に安心感を与え信頼を得ること。相続や法律に関する相談はセンシティブな問題を扱うこともある。また、人生で何度も相続を受ける人は少なく、依頼者が相続相談に慣れていない。

 そのため、これまでの実績や難しい法律問題の解説、注意点の解説をするのではなく、相談に乗ってくれる税理士の顔を見せ、語り掛け、相談者の不安や無意識の警戒感を解く。相談者の視点に立って、まずなにが不安なのか、最初に考えることはなにか、といったことを語りかけるというのが、星氏らの考えた動画の方向性となった。

 具体的には「まず遺産がどれくらいあるのか」といったような当たり前にも思えることから入る。専門用語なども使わず、ごく簡単な説明だ。相談者は、「あ、予備知識も専門的な下調べもなく相談できそうだ」「思ったとおりの相談からしていいんだ」と思わせる。こういった語り掛けは、テキストを読むより、対面または動画で相手から発してもらったほうが良い。「ここに相談しようかどうしよう?」「ここでいいのか?」という最初のハードルを下げられる。

■語り掛け動画で相談者のアイスブレーキング

 同センターが動画を公開したのは16年に入ってからとのことで、まだ1年たっていない。しかし、公開から2週間で最初の問い合わせが入った。この顧客は最初から相続税相談申告センターに依頼をすべく連絡しており、以降も問い合わせが依頼に繋がっているという。動画で信頼感を与えるという、最初のアイスブレーキングに成功した事例といっていいだろう。

 インターネットやスマートフォンの利用が広がり、動画の視聴もテレビ放送だけではない時代だ。一般の人もホームページから埋め込み動画を観たり、動画リンクをクリックする機会が増えている。法律相談のような、CMや動画になじみのない分野でも、動画の作り方を工夫すれば、ネットを使った集客ツールとして有効となる。

 ただし、ネットや動画が万能なツールというわけではない。認知や集客には動画、業務内容や実績などはホームページ、細かい内容相談は対面で、というように役割をうまく切り分けて、新しい顧客の開拓や販路の拡大を目指したい。

【動画PRの成功術:4】法律相談も安心の“顔が見える集客”

《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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