【動画PRの成功術】集客の先にある“企業価値の向上” | 東京IT新聞

【動画PRの成功術】集客の先にある“企業価値の向上”

エンタープライズ 経営

【記事のポイント】
▼動画PRは不特定多数に向けた“接客”であり、“営業”でもある
▼動画をヘルプ・サポートに活用し、顧客満足度を向上させる


■営業トークのように客を飽きさせない動画をつくる

 「渋谷駅東口」「中華料理」で検索すると、上から5番目に「C-MEN-HAN」という店がヒットする――。実はGoogle検索ではYouTubeの動画が意外と上位に表示されることに、気づいていない中小企業は多い。ほかの検索結果が文字ベースで表示される中、動画はサムネイル付きで表示されるためなかなか目立っている。

 だが、テレビではCMが流れるとチャンネルを変えられるように、ウェブ上の広告は邪魔者扱いされることが多い。動画が再生されはじめてからの数秒で、それがCMだと判断されれば、視聴者はワンクリックで別ページへと移動してしまう。では、どうすれば視聴者を動画につなぎとめられるか? そこで、中小企業が持つスキルの中でも、使い回しがききそうなのが営業トークだ。単なるセールスで飽きさせないよう、あの手この手で話題を展開させることは、動画PRに通じるひとつの手法となる。

 中小企業がPR用に動画を撮ろうとしても、何を題材にすればわからないというケースは多い。そんなときは、日ごろの営業トークを思い浮かべればよいだろう。わかりやすいところでは、今月のメニュー、今週のニュースといった時事ネタを織り交ぜるのも有効だ。そうして、ふだん会えない不特定多数の人へと、接客の機会が設けられるのが、動画PRの最大のメリットといえる。

■動画PRは商取引からファン獲得まで効果あり

 不特定多数に接客できるというメリットはB to Cに限ったことではない。企業の購買担当も調査の多くはネットに頼っているが、その反応はほかの視聴者とそう大きく変わらない。単なるカタログやマニュアルを読むよりも、動画で接客された方が、商品情報を受け入れやすいのは自明の理だ。


 また、これはSNSにも通じるものがあるが、ネットで不特定多数へと情報を発信することには、ファンを獲得しやすいというメリットもある。多くの企業はTwitterやFacebookは情報を定期発信することで、それを毎回見に来るユーザーをつかみ、情報を確実にリーチさせている。この情報を追い続けているユーザーとは、すなわちファンだ。ファン心理によって、その周辺にいる人々へと情報は拡散し、さらなるファンの獲得へとつながっていく。

 今特集に登場した中小企業の多くは、動画を定期的に公開している。それはファン獲得という形で、プロモーション成功の要因のひとつとなった。動画PRにおける継続性はファン獲得の重要な要素で、公開が途切れれば情報を追えなくなるため、ファンは動画から離れてしまう。

 ほかにも、ファンを集める上では、地元愛を訴える、著名人を出演させる、参加型コンテンツにするなど、さまざまな手法がある。ただし、バズを期待してウケ狙いの動画を公開することは避けた方が賢明だ。予算のない中小企業では、狙ったバズはまず間違いなく滑る。狙って外れたバズほど見苦しいものはなく、それがブランドイメージを損ね、元からいたファンが離れる恐れもあるだろう。

■マニュアルではなく、動画によるサポート体制を確立

 中小企業が動画を公開する目的として、マーケティングは有効な手段となる。それに加えて、もうひとつの用途として考えられるのが、ヘルプ・サポートとしての活用だ。

 商品によっては使い方をPDFのマニュアルで案内されるより、動画で解説された方がわかりやすいケースもある。使い方がわかりやすいということは、それだけ問い合わせの連絡を減らせるということ。つまり、サポートに掛けるコストを削減できるわけだ。

 使い方やQ&Aなどを動画で案内することは、「この企業はサポートが充実している」などとユーザーに好意的に受け止められる。つまり、これも企業のブランド戦略のひとつだ。こうして改めて動画PRの利点を見直してみても、中小企業が動画PR行なう上で、商品やサービスを売ろうとするのは間違いといえる。まずは目的を企業のブランド戦略に絞り、その中で動画の内容を決めていくべきだろう。

 動画PRは週にいちどの営業活動。そう考えれば、飛び込みの営業を数こなすのと精神的な負担は変わらない。逆に言うと継続するには、ビジネスの一環として取り組むべきだろう。それは会社のブランディングにおいて、他社と差別化できるポイントになるはずだ。

【動画PRの成功術:6】集客の先にある“企業価値の向上”

《HANJO HANJO編集部》

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