スマートウェアと超音波スピーカーで、みんなが運動したくなる環境を作る | 東京IT新聞

スマートウェアと超音波スピーカーで、みんなが運動したくなる環境を作る

プロダクト ウェアラブル

スマートウェアが収集した生体情報と空間の音楽リズムとを連動し、運動したくなる環境を作る---。立命館大学は、文武科学省「革新的イノベーション創出プログラム」の取り組みについてのセミナーを22日、同大学東京キャンパスで開催し、連動システムを公開した。

立命館大学の取り組みは、「運動の生活カルチャー化により活力ある未来を作るアクティブ・フォー・オール拠点」。空間価値を変える新しいスポーツ健康技術(スマートウェア技術、空間シェアリング技術、運動誘導/継続技術)の事業化と、寝たきりゼロをめざす「ロコモの見える化と予防法の開発」をテーマとしている。

立命館大学スポーツ健康科学部長の伊坂忠夫教授は「高齢者社会においては、健康寿命を延ばし、生活の質(QOL)を高めることが重要だ。知らず知らずのうちに運動したくなる、“運動の生活カルチャー化”で寝たきりゼロの社会をめざす」と取り組みのねらいを説明する。

心電図を測るスマートウェアの開発には東洋紡が協力している。ウェアには心電図用電極とトランスミッターが備わる。東洋紡の総合研究所コーポレート研究所快適性工学センター石丸園子部長は「電極と肌との接触にジェルを用いないドライ電極なので、毎日着ることができ、寝ているときも計測できる」と説明する。Tシャツの上から着ても計測できる。また電極は通常の洗濯に耐えられるという。

空間シェアリングには「フレキシブル超音波スピーカー」を用いる。このスピーカーは、音の放射範囲をごく狭い範囲に制御可能だ。スピーカーからは直進性が強い超音波が発せられ、1mぐらいで普通の音になる。特定の人にだけ、音を聞かせることができるわけだ。従来のスピーカーだと、スポーツジムで複数の人がトレーニングしているときにめいめいが音を流すと混ざってしまうし、ヘッドフォンステレオを使用すると環境の音から隔離され、コミュニティが形成されにくい。

スマートウェア技術と空間シェアリング技術とを組み合わせた運動誘導/継続技術が、「プロジェクトのコアだ」(伊坂教授)。すでに実際に1つの空間で3つのコンテンツを同時に実施する、たとえば地域体育館で子供と大人がそれぞれの運動を一緒の空間で楽しむといった実験を成功させたという。

デモでは、スマートウェアを着てエアロバイクをこぎ心拍数を測定、その運動量に合わせてフレキシブル超音波スピーカーからリズムビートを流した。心拍数あげたい時はビートをアップテンボにし、ダウンテンポにして負荷の少ない運動に誘導する。その間、デモンストレーターに向けられたフレキシブル超音波スピーカーの音は、記者席にはまったく聞こえない。

なお立命館大学、順天堂大学、アクティブ・フォー・オール拠点の3者は、12月9日に東京のTOKYO GARDEN TERRACE紀尾井カンファレンスで、セミナー「超“スマート”になるための健康イノベーション」を開催する。「アクティブ・フォー・オール拠点」の全体進捗状況、研究成果などが発表される予定だ。
《高木啓》

編集部のおすすめ

特集

page top