フィンテック連携がギフトを変える! 利便性で生まれる新たな需要 | 東京IT新聞

フィンテック連携がギフトを変える! 利便性で生まれる新たな需要

コンシューマー EC

【記事のポイント】
▼フィンテックサービスとの連携で、各ECサイトに独自の利便性が生まれる
▼ECサイト選びの新たな条件は「個人趣向に特化したギフトが見つかる」こと
▼e-Giftなど新たな“贈り方”に対応するギフト商品が生まれつつある


■テクノロジーでさらに進化するECの利便性

 ITの進化によって、様々なサービスの軸足がリアルからウェブへとシフトしている。さらに、シンプルかつコンパクトなインターフェイスのスマホが一般化したことで、オンラインサービスに対するユーザーの意識も大きく変わった。より簡単に、分かりやすく操作ができなくては、ユーザーはほかのサービスへと流れてしまう。分かりやすいのがECだろう。ワンクリックで買い物かごに商品を送って、あらかじめ登録されたクレジットカード情報で物が買える利便性は、カタログギフトの書類や電話を介した手続きよりも圧倒的に簡便だ。

 最近ユーザーの利便性を向上させるために、面白い取り組みを行っているECサービスがある。ギフト贈答専門サイト「おくりものソムリエ」。16年10月には決済の仕組みにフィンテックを導入して話題となったが、そこには一体どのような利便性があるのだろうか?

■“上司にゴマすり”など相手のパーソナリティに特化する

 「おくりものソムリエ」を運営する、株式会社47CLUBでは全国の地方新聞社厳選お取り寄せサイト「47CLUB(よんななクラブ)」を展開している。これは、地元の情報に明るい地方新聞社が発掘したアイテムを販売するという、セレクトショップに近いサイトだ。キーワードは“こんなのあるんだ!”。一般に流通していない商品など、手に取った者に感動を与えるようなラインナップを展開している。47CLUBメディア開発チームリーダーの大島仁美氏によると、今同社がお中元やお歳暮と並んで注目しているのがパーソナルギフトだ。

「近年では万人向けではなく、個人の趣向に特化したアイテムへの需要が高まっています。その中で商品も多様化を進めていますが、一方でギフト市場には商品が多すぎて、選ぶのに苦労している方も多いようです」

 こうした問題を解決すべく、47CLUBでは16年7月に提案型ギフトサイト「おくりものソムリエ」を開設している。このサイトのユニークなところは、送り相手の嗜好を汲んだ商品を探せることだ。趣味やこだわりポイントなどを選択することもできれば、“上司にゴマすり”や“見た目が9割”といった物の選び方も提案してくれる。そこでは、キーワード検索ではヒットしない商品が見つかり、実はこんな商品が相手に喜ばれていたという気付きがある。利便性と感動、それが47CLUBの追求している大きなテーマとのことだ。


■フィンテックで変わる新しいギフトの贈り方

 サイトの利便性向上のために47CLUBが積極的に進めているものに、ほかのサービスとの連携がある。16年7月には海外転送サービス「転送コム」と「BENLY Express」を導入。海外からでも47CLUBを使って商品を取り寄せることが可能となった。主なターゲットは海外在住のユーザーで、現地では手に入らない日本の品物を入手するために利用されている。

 こうした、ECと親和性の高いサービスとの連携では、16年10月にもフィンテックサービス「アイムイン」とのタイアップを行っている。アイムインはネット上で提案された“キカク”について、メンバーが意見やお金を出し合うというSNS的なサービス。これを、誕生日や送別会といった複数のメンバーが集まって贈り物をする機会において、割り勘に利用しようというのが同社の提案だ。

「私は身の回りで結婚や出産の贈り物をする際には、よく幹事を任されるんです。その時、詳細を詰めるにしてもそう全員とは話し合う機会が作れず、意見がまとまらなかったり、お金の管理で困ることがありました。こうした経験からアイムインのようなサービスは、パーソナルギフトでのニーズがあると考えたのです」

 現在、おくりものソムリエでは、アイムインを使ったグループ払いという贈り物の仕方を案内している。こうしたプラットフォームを利用した方がメンバーは集まりやすく、より高額な贈り物を提供できるようになるという。その上でおくりものソムリエを組み合わせて使うことで、より相手に喜ばれる贈り物ができるというシナジーが生まれた。ECとフィンテックの相性の良さについては大島氏も注目しており、今後も新たなサービス連携を模索していくという。

 お礼の気持ちをコーヒー一杯から贈れるe-Giftに見るように、ギフトはより簡便に、身近に、個人志向にという傾向が深まっている。こうした仕組み作りを支援しているのが、フィンテックに代表されるようなテクノロジーだ。ECへの参入はあらゆる企業にとって身近なものになったが、だからこそネット上には選べないほどに物が溢れている。企業はどのようなプラットフォームに出品すれば、自社の商品を際立たせることができるか? ECサイトではどのようなテクノロジーを取り入れれば、ユーザーに選ばれるような利便性の高いサービスを提供できるか? テクノロジーがECを新たなステージへと押し上げようとしている今、その行方を見極めることが新たなビジネスを掴むことに繋がりそうだ。
《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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