
デジタル配信用映画の第一作目となった時代劇『メタル侍』
5月24日、コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社(以下コロムビア)と、東映株式会社(以下東映)がデジタル配信用映画の共同制作を発表した。
業界老舗の両社によるコラボレーションには、それぞれ新たな試みが採用された。まず東映では、このプロジェクトのための脚本を社内で公募したところ、一社員である助監督の兼崎涼介氏の作品が抜擢され、彼がメガホンを取った時代劇『メタル侍』が、今回のデジタル配信用映画の第一作目となった。そしてコロムビアは、ワンソースマルチユース実現の為、課金制デジタル配信用動画制作管理システムを開発した。これはカット毎の画像データベースと、出演者や小道具に衣装、セリフや音楽など画像の詳細情報を記述したメタデータと呼ばれるデータベースを管理して同時に検索出来るシステムである。つまりチャンバラのシーンの画像だけを集めたり、登場人物のセリフから目的の画像を検索することが可能なのだ。これについて、コロムビア経営企画部PR&ERグループチーフスタッフの井澤氏は、
「ユーザーが気に入ったシーンを携帯電話の待ち受けや着ボイスにしたり、出演者の画像やカットシーンをデータベースから引き出すなど、色々な使い方が考えられます」と語る。この検索システムの実用化にはもうしばらく時間を要するが、段階的にサービス開始を予定している。早い段階からデジタル配信に力を入れてきた、コロムビアならではのシステム開発と言える。

それにしても、なぜ同社は東映の時代劇映画に注目したのだろうか。
「もともとデジタル配信に強い弊社の代表執行役社長で最高経営責任者の廣瀬禎彦が数年前から、京都府のプロジェクトに関わっており、京都市太秦にある東映京都撮影所を見学した際、時代劇を作り上げる為のセットやカツラ、メイクなど伝統的な技術を保有している東映と、古くからの膨大な数の楽曲を保有しているコロムビアに共通点を抱いたことから、今回の両社の強みを生かした国内初の時代劇に特化したデジタル配信用映画制作が実現したのです」(同氏)
6月下旬から、『メタル侍』のプロモーションを開始し、実際の映画は一回に五分弱の小作品を年間で八本程度配信する予定だ。携帯電話等で昼休みや移動のちょっとした時間に、昔からの伝統を受け継いだ勧善懲悪の時代劇を堪能すれば、仕事のストレスなど一気に吹き飛びそうだ。
(
石田絢子
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