《iPhone発売記念特集》 iPhone 触ってみて分かること、真価はMobileMeとの連携に

2008年07月23日(水)

[ 92 号]

 果たしてケータイの黒船は本当に日本のケータイ文化に楔を打ち込めるだろうか。発売初日、行列に並んでiPhoneを手に入れ、触ってみた。

非常に質感の高いiPhone。白は16GBモデルにしかラインナップされない

非常に質感の高いiPhone。白は16GBモデルにしかラインナップされない


 まず質感は、さすがはアップル製品だけあって非常に高い。背面が初代の金属からプラスチックに変更されたが、その表面処理は滑らかで心地良い。タッチパネル液晶部分も丈夫で、鍵などでこすってもキズが付かないと言われる。ただし両面とも指紋が付きやすい。販売員が手袋をして契約作業をしていた理由がよくわかる。

 重さやサイズは「重い」「滑りやすい」などと一部で言われていたが、一部の全部入りワンセグケータイと比べても遜色ない軽さだ。持っていてずっしりくる重さの方が、充実感がある。

 通信速度は3Gに対応し、HSDPAの高速回線が使用される。メールのダウンロードなどであればストレスなく扱え、ウェブページも一昔前のADSLレベルの速度だ。それよりも現代の重いコンテンツのページを普通に表示していることの方が凄い。SMSでチャット風にメッセージを交換できるなど、遊び心もある。またiPod touchにない機能としてカメラとGPSが上げられるが、カメラの性能は決して高くない。しかしApp Storeで提供されるソフトでFlickrなどのサービスをそのまま利用できるなど、活用範囲も広い。GPSによる位置情報も埋め込める。

 メール機能は実は厄介な部分だ。日本のケータイに慣れていると、メール発信でケータイに直接届くというイメージだが、iPhoneはデフォルトではその機能を持たない。ソフトバンクが提供するメールアドレスも着信通知機能を持っておらず、プッシュ式のメールを利用したい場合は、アップルが別に提供するMobileMeサービスを利用する必要がある。

 実はiPhoneの真価はこのMobileMeとの連携にある。メールのプッシュだけでなく、デスクトップで使っているスケジュール情報、アドレスブックの同期が、プッシュデータとしてiPhoneに直接送られるのだ。これまでブラックベリーやMSエクスチェンジサーバなどで実現した機能だが、これらはサーバを社内に立てるなどの初期投資に数百万が必要で、個人で使えるレベルではなかった。これを個人レベルで使えるサービス、それがMobileMeだ。iPhone活用のポイントはこのサービスにかかっていると言えるだろう。

インターフェイスが面白いSMS。アメリカではSMSが主流で、キャリアを越えたメッセージ交換ができるが、日本ではキャリアを越えて使えないのが残念

インターフェイスが面白いSMS。アメリカではSMSが主流で、キャリアを越えたメッセージ交換ができるが、日本ではキャリアを越えて使えないのが残念


 さてこのiPhone、一番のポイントは「PCがなければ使えない」ということだ。iPodでも同じなのだが、iPhoneはさらに敷居が高く、そもそもPCがなければちゃんと使えるようにさえならない。また、絵文字がない、おサイフケータイがない、ストラップは着けられない、電池交換もできないなどなど、とにかくある意味日本の「ケータイ文化」の対極にある端末といえる。ブームに乗って気軽に手に入れた人はこうした違いとそこからくる使いにくさに閉口することだろう。それでもiPhoneが日本で流行れば、各キャリアが戦略を見直す可能性はある。そのときケータイ文化のパラダイムシフトが起こるのかもしれない。
( 矢橋司 )

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