着るだけで電子装置の充電ができるチョッキ!?

2007年11月20日(火)

[ 62 号]

 オーストラリア連邦化学工業研究機関(the Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation、以下CSIRO)は、着るだけで電子装置の充電ができる衣服が開発途中にあることを自社ウェブサイトのメディアリリースにて発表し、今年10月には政府から440万ドルの資金援助を獲得していることがわかった。

 この衣服は「柔軟性統合エネルギーデバイス(The Flexible Integrated Energy Device、以下FIED)」と呼ばれ、CSIROのエネルギー技術開発部で顧問研究者を務めるアダム・ベスト博士が率いる研究により開発されているもの。

 衣服には、充電の役割を果たす伝導性の繊維、電気を発生させるバイブレーションデバイス、そして整流器の3つのコンポーネントから成るテクノロジーが組み込まれ、着用している間の人の動きによって起こるバイブレーションが電気を発生する。着用者は、電子装置のプラグを衣服に差し込むだけで電子装置を作動でき、さらに動いている間に衣服が充電までしてくれるのだという。

CSIROのウェブサイトから提供されているFIEDのイメージ画像(http://www.scienceimage.csiro.au/mediarelease/mr07-209.html)

CSIROのウェブサイトから提供されているFIEDのイメージ画像(http://www.scienceimage.csiro.au/mediarelease/mr07-209.html)


 「一見ごく普通の衣服ですが、実は限りない可能性を秘めています」と話すベスト博士。「この種のテクノロジーは特に戦場で戦う兵士たちにとってとても有効なものです。今まで背負っていた重いバッテリーを持ち運ぶ必要がなくなるわけです」とこの衣服の着用目的について語るように、現在CSIROから提供されているイメージ画像では、防弾チョッキのようなスタイルとなっている。

 また、「これも基本的にはバッテリーを背負っていることにはなるわけですが、今までのように《持ち運ぶ》形ではなくなる。今回の資金援助で、また一歩、このFIEDテクノロジーを現実に近づけることができ、非常に嬉しい」と続け、これが近い将来、オーストラリアの防衛に務める兵士たちに実用化される日が来ることを意味する点で、また一つ開発の動機にも繋がったという。事実、440万ドルの資金は、オーストラリア政府の防衛化学技術機構(DSTO)が管理するプログラムで、オーストラリアの防衛部隊の向上を目指し、更なる未来技術の開発に与えられるものとされている。

 現在はまだ開発途中のFIEDテクノロジーだが、将来的には、軍事目的のほか、医療装置、携帯、MP3など一般向けの使用にも目を向けているという。
( 松本貴子 )


記事についてのご意見・ご感想

東京IT新聞 特集ラインナップ

専用サーバ・専用レンタルサーバーは at+link におまかせ!

Apple Store(Japan)

東京IT新聞HOTキーワード
東京ITイベント情報

イベントカレンダーを見る カレンダーを見る