今年のデジモノ業界は、〈高画質〉〈長時間録画〉〈ワンセグ〉の文字が躍り、どの分野においても、新技術が実験的に導入された。そんな2007年を振り返って、デジモノ好きの心をつかむ『デジモノステーション』の名物編集長・村田茂氏に、今年注目したデジモノを聞いてみた。
■テレビのハイビジョン化による映像関連器機の発展
今年は、テレビのハイビジョン・フルハイビジョン化や有機ELテレビの登場などで、映像録画機器関連でも新しい動きがあった。
「レコーダー業界ではHDD DVDから次世代DVDへのバトンタッチの年とも言えます。そんな過渡期で特徴的だったのは、東芝のハイビジョンを圧縮してDVDに焼ける技術や、シャープのブルーレイディスクに4倍圧縮して長時間録画ができる技術ですね」
来年の北京オリンピックへ向けて、新製品の投入やレコーダー技術の進化に加速度が増しそうである。
また、家庭用のビデオカメラにもその影響が出ているようだ。
「2005年に、ソニーがデジタルハイビジョンハンディカム『HDR-HC1』を出して以降、各社からデジタルハイビジョン撮影ができるビデオカメラが次々に発売されました」
ところが、現在の録画フォーマットには、テープやDVD、そして次世代ディスクがあり、混沌としている状況だ。村田氏は、
「それぞれの特徴や価格によって淘汰されていくだろう」と予想した。

■音楽に対する欲求を満たすオーディオ関連
そして、今年は音楽機器関連でも新時代に突入した。iPodは音楽を聴くためのポータブルオーディオとして定番となったが、今年9月に発売されたiPod touchには、プラスα機能が搭載された。
「iPod touchは映像デバイスとして使え、インターネットに接続して『You Tube』が閲覧できるなどポータブルオーディオの新しい動きがありますね」
音楽のみならず映像やインターネットを携帯するという意味では、ノートパソコンや携帯電話に続くプラットフォームとなった。
そのiPod人気の影響で、大きく市場を伸ばしたのがヘッドフォン業界だ。
「一昨年くらいから、1~2万円前後の高価なポータブルオーディオ用ヘッドフォンが売れ始め、今年はラインナップも増えてさらにブレイクという感じですよ。今まで誰も知らんやろ? というようなブランドのヘッドフォンが愛用されるようになりましたね(笑)」
附属のヘッドフォンより確実に音が良くなり、ユーザーの音に対するこだわりの高さとスタイリッシュなデザインがヒットに結びついているようだ。
その音への欲求は、オーディオ関係にも及んでいる。
「最近は『大人のコンポ』というジャンルがおもしろいですよ。音楽をリビングなどでサクッとコンパクトに聞きたい人のために、ソニーから3月に発売されたハイエンドなコンポはものすごく良い音ですね」
オーディオと言えば昔、各メーカーのスピーカーやプレイヤーなどを集めてこだわりのオーディオセットを組むことが流行したが、最近では少しお金を出せば気軽に〈良い音〉を楽しめる『大人コンポ』の人気が高まりつつある。

■携帯電話の付加価値
昨年末に番号ポータビリティが始まった影響で、今年の携帯電話業界では各社ともに新機種へのプラスα機能をラインナップしていく年となった。
「ワンセグや音楽プレイヤーにGPS機能の他に、海外ローミングやPDAなど、それぞれの機能に特化した製品が増えてきていますね。来年には、サイバーショットカメラやに電話が附属されているような感覚の携帯電話まで登場しますからね。また、携帯電話がビジネスツールとなった昨今、PDAがPHSと融合した通信端末として大復活というのも今年の特徴です。あとは豊富なカラーバリエーション。ゴールドやメタリックなど、国内ではかつて見たことないようなカラーが増えましたよね」
今や携帯電話の価値はプラスα機能で問われる時代を迎えたようである。

■高級シロモノ家電ブーム
シロモノ家電業界では、センサで人を感知して気流をコントロールするエアコンや、10年間お手入れ不要な掃除機が登場するなど、次々と新技術が投入された。
「今は高級炊飯器ブームですね。どれも10万円前後で、各メーカーの技術を駆使して炊き上げたご飯は本当に美味しい。人間は豊かになると食べ物と寝具にお金をかけるようになると言いますが、高級炊飯器ブームはそれが顕著ですね。どのジャンルにしても〈人に優しい〉がこの分野のテーマ。その基本ニーズに気付いた時にヒット商品が生まれるのがシロモノ家電の特徴です。来年もシロモノ家電からは目が離せませんよ」

景気回復を実感するような新製品が多く発売された今年だが、来年はいったいどんな商品がヒットするのだろうか。
2007年は、北京オリンピックを目前に大ヒットを予感させる新技術が数多く発表された年だった。そして来年のキーワードとなるのが〈映像〉である。気になる競技映像をリビングの高画質なテレビで見る、ノートパソコンや携帯電話で映像を持ち運ぶなど、多様化するライフスタイルに合わせた新製品が発売されるだろう。
そんな状況を踏まえつつも、今年のボーナスの使い道を決めてみてはいかがだろうか。

株式会社ソニー・マガジンズ代表取締役執行役員専務。デジモノステーションの名物編集長として多方面で活躍。現在、編集長blog 「a HARD days night」も連載中
(
石田絢子
)
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