モバイルコマースの進展に伴い、携帯サイトのアクセス解析が不可欠になってきた。PC以上に生活の中に溶け込み、使用者の年齢層や行動にも独特のパターンが見られる。モバイルビジネス拡大に向けた戦略的なアクセス解析とは――。著名携帯サイト「エンタテインメントプラス」「スタイライフ」「ネットプライス」「魔法のiらんど」をはじめ、大手モバイル通販サイトが導入するアクセス解析ソフト「RTmetrics」を展開するオーリック・システムズ株式会社(東京・港)の内野明彦取締役に、モバイル解析の現状とその必要性を聞いた。

オーリックの内野取締役。同社のパケット取得型「RTmetrics」は、多数の著名サイトが採用。定評のある解析システムだ
―モバイルサイトを取り巻く現状
かつては携帯電話キャリアの公式サイトになることが、モバイルサイトを成功させる鍵でした。ところがここ数年は公式以外の「勝手サイト」が急増。携帯インターネットの世界もPC同様の環境になりつつあり、同時にアクセス解析のニーズも高まっています。
―携帯インターネットの特徴とは
携帯電話とPCでは、中心となるユーザー属性や行動様式が異なります。利用者に若年層が多く、PCは仕事上だけで使い、個人で使うのは携帯端末のみというケースも多いですね。つまり携帯電話は、PC以上に生活者の行動に密着したプラットフォームと言えます。例えば、人気テレビ番組の放送中には、番組名や出演者名の検索が急増し、地震が起きれば「地震」のキーワードが突出します。テレビと親和性があることも特徴の一つです。
―携帯向けサイト解析はどのように行うのか
技術面から見ると、モバイルサイトではCookieが取れませんし、JavaScriptを使うことも難しい。一方で携帯電話機の個体識別番号などを取得することで、長期間にわたる行動履歴を追うことが可能です。例えば、春のセールでは閲覧のみ行っていたユーザが夏セールでは購買に至った、というような場合も分かります。セッション単位ではなく、累積効果を見ることができるわけです。
―アクセス解析の目的とは
自社のビジネスにアクセス解析をどう結び付けていくのかが重要で、ツールの導入は手段に過ぎません。現状を可視化し、ビジネスを最適化するためには、解析データと他のDBとの連動や、企業固有のKPI(分析指標)に合わせた分析アウトプットを行うこと。分析結果を次のアクションに繋げていく仕組み作りが必要です。
―モバイルコマースの今後について
現在のモバイルユーザが加齢化するに伴い、モバイルコマース市場は確実に「金脈」となりうるでしょう。ただ現段階は、どこの企業も「勝ちパターン」を模索している状態といえます。親指の操作だけで高価な買い物をする時代にどう対応するか。今から何らかの対策を施しておくことが、将来の「勝ち」につながるのではないでしょうか。
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本紙:西村健太郎、写真:更科智子
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