社会のインフラ化目指しベンダー間で連携を強化
―SOABEX研究会とはどのような団体でしょうか
研究会の名前ですが、「Business Exchange for Service-Oriented」の略です。ASP・SaaSを世の中に普及させていくには事業者間の連携が必須。そのために、まずベンダーがSOAを指向し、ビジネスエクスチェンジする必要があると考えて名付けたものです。
ASP・SaaSベンダーを始め、ソフトウェア企業などが会員となり、2か月に1度、「Business Exchange」と名付けた定例会を開いています。今年1月の会合では総務省の担当者やIBM、セールスフォースといった業界のキーマンを招き、SaaSビジネスの今後について議論しました。先月の定例会は、経産省の中小企業向けのSaaS基盤プロジェクトの詳細を同省の担当者に解説してもらい、パネルディスカッションも行いました。次回は5月に予定しています。
―SOA(Service-Oriented Architecture)の考え方とは
SOAは何らかの技術を指すものではありません。ここで言うサービスとは、簡単に述べると業務を意味します。社外を含めて一連の業務プロセスに合わせて、ソフトウェアを組み込んでいくといった考え方です。販売管理や会計といった単体ではなく、ビジネスプロセス全体を俯瞰したソフト作りを行うことです。
つまりこの考え方は、各社のサービスモデルやプロダクト、インフラを共有や統合、交換していくことによって成立するものですので、連携の場を本研究会で提供していきたいと思っております。
―研究会の目的や目標を教えてください
会員企業の中でもASP・SaaS化を指向していても、まだ実現できていない所もあります。そうした企業の支援も行っていきたいと考えています。当然、研究会の大きな目標はASP・SaaS事業者間の連携を具体化させていくというのことです。今年度中には何らかの成果を出したいと考えています。
―ベンダー間連携の現状と課題について
セールスフォースやグーグルなどの米国のSaaS事業者に比べ、日本のベンダーはまだ中小規模の所が多く、従来の顧客に対してSIの一環として提供しているのが現状。広くあまねくようなモデルにはなっていない傾向があります。
また、米国系や大企業、中小企業、ベンチャーといったプレイヤー間でそれぞれ思惑も違います。お互いに共存しながら、どう議論をかみ合わせていくかが課題です。
―SOABEXが考えるASP・SaaSとは
我々は、プロダクトを流通させていくのが目標ではなく、社会のインフラとしてASP・SaaSを形作っていきたいと考えています。電気や水道などと同じように、簡単に知らないうちに使っているというのが理想です。そのための協業であり、何らかのブランドを前に出していこうということではありません。従来のパッケージベンダーをSaaS化するということとは異なります。
―国のASP・SaaS推進政策をどう評価していますか
個人的には、世界に比して日本のIT業界の動きが鈍かったため、国が危機感を持って動いたのではないかとも感じています。
我々の考えているASP・SaaSは、社会のERP(統合業務パッケージ)を作るようなもので、一社が独占して行うことでありません。そうした意味で、国が先頭に立って基盤作りをするということは非常に重要。ただ、市場が形成された後は民間ベースでやっていくのが良いでしょう。
個人としても、国に対して様々な提案をさせて頂いておりますが、その一つに、企業の巨大データベース「企業ディレクトリ」構想があります。各企業が個別に他社情報を持つことも、メンテナンスをする必要もなくなります。将来的には信用情報などとも連携し、社会インフラとして活用していくことを想定するもので、総務省のユビキタス特区で実証実験も行われる予定です。
―ASP・SaaSの未来像をどう見ますか
ASP・SaaSが社会インフラの中に組み込まれていくと、個別にソフトウェアを買うという感覚はなくなってくるでしょうね。また、キャリアから見ると、SaaSは1つのコンテンツということになる。いわばiモードのゲームなどと同じです。キャリアが課金なども行う形が考えられます。
SOA(Service-Oriented Architecture)を指向し、ベンダー間の連携強化によって、中小企業でのASP・SaaS普及を促す取り組みを始めたのが、昨年7月に発足したSOABEX研究会(事務局=東京・中央)である。業界のキーマンを集めた研究会を重ねるごとに、その輪が広がりつつある。研究会を主宰する藤井博之氏(ビジネスオンライン株式会社代表取締役)に、活動内容や目標、ASP・SaaSの未来像などについて聞いた。

ふじい ひろゆき◇1962年大阪市生まれ、立命館大学法学部卒。日本IBMのシステム開発受託などに携わった後、大前研一氏らの出資を得て、2000年にビジネスオンライン株式会社を設立。同社のASPサービス「ネットde会計」は全国の商工会や多くの商工会議所で取り扱われるなど中小企業から高い評価を得ている
―SOABEX研究会とはどのような団体でしょうか
研究会の名前ですが、「Business Exchange for Service-Oriented」の略です。ASP・SaaSを世の中に普及させていくには事業者間の連携が必須。そのために、まずベンダーがSOAを指向し、ビジネスエクスチェンジする必要があると考えて名付けたものです。
ASP・SaaSベンダーを始め、ソフトウェア企業などが会員となり、2か月に1度、「Business Exchange」と名付けた定例会を開いています。今年1月の会合では総務省の担当者やIBM、セールスフォースといった業界のキーマンを招き、SaaSビジネスの今後について議論しました。先月の定例会は、経産省の中小企業向けのSaaS基盤プロジェクトの詳細を同省の担当者に解説してもらい、パネルディスカッションも行いました。次回は5月に予定しています。

先月19日に都内で開かれた定例会には約130人が参加。会場の椅子がすべて埋まった
―SOA(Service-Oriented Architecture)の考え方とは
SOAは何らかの技術を指すものではありません。ここで言うサービスとは、簡単に述べると業務を意味します。社外を含めて一連の業務プロセスに合わせて、ソフトウェアを組み込んでいくといった考え方です。販売管理や会計といった単体ではなく、ビジネスプロセス全体を俯瞰したソフト作りを行うことです。
つまりこの考え方は、各社のサービスモデルやプロダクト、インフラを共有や統合、交換していくことによって成立するものですので、連携の場を本研究会で提供していきたいと思っております。
―研究会の目的や目標を教えてください
会員企業の中でもASP・SaaS化を指向していても、まだ実現できていない所もあります。そうした企業の支援も行っていきたいと考えています。当然、研究会の大きな目標はASP・SaaS事業者間の連携を具体化させていくというのことです。今年度中には何らかの成果を出したいと考えています。
―ベンダー間連携の現状と課題について
セールスフォースやグーグルなどの米国のSaaS事業者に比べ、日本のベンダーはまだ中小規模の所が多く、従来の顧客に対してSIの一環として提供しているのが現状。広くあまねくようなモデルにはなっていない傾向があります。
また、米国系や大企業、中小企業、ベンチャーといったプレイヤー間でそれぞれ思惑も違います。お互いに共存しながら、どう議論をかみ合わせていくかが課題です。
―SOABEXが考えるASP・SaaSとは
我々は、プロダクトを流通させていくのが目標ではなく、社会のインフラとしてASP・SaaSを形作っていきたいと考えています。電気や水道などと同じように、簡単に知らないうちに使っているというのが理想です。そのための協業であり、何らかのブランドを前に出していこうということではありません。従来のパッケージベンダーをSaaS化するということとは異なります。
―国のASP・SaaS推進政策をどう評価していますか
個人的には、世界に比して日本のIT業界の動きが鈍かったため、国が危機感を持って動いたのではないかとも感じています。
我々の考えているASP・SaaSは、社会のERP(統合業務パッケージ)を作るようなもので、一社が独占して行うことでありません。そうした意味で、国が先頭に立って基盤作りをするということは非常に重要。ただ、市場が形成された後は民間ベースでやっていくのが良いでしょう。
個人としても、国に対して様々な提案をさせて頂いておりますが、その一つに、企業の巨大データベース「企業ディレクトリ」構想があります。各企業が個別に他社情報を持つことも、メンテナンスをする必要もなくなります。将来的には信用情報などとも連携し、社会インフラとして活用していくことを想定するもので、総務省のユビキタス特区で実証実験も行われる予定です。
―ASP・SaaSの未来像をどう見ますか
ASP・SaaSが社会インフラの中に組み込まれていくと、個別にソフトウェアを買うという感覚はなくなってくるでしょうね。また、キャリアから見ると、SaaSは1つのコンテンツということになる。いわばiモードのゲームなどと同じです。キャリアが課金なども行う形が考えられます。

SOABEX研究会のWebサイト。研究会情報はここで知ることができる(http://www.soabex.com/)
(
本紙:井上佳国、西村健太郎、写真:岡部ユミ子
)
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『 SOABEX研究会 主宰 藤井 博之氏 』に対する
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