株式会社ユビキタスエンターテインメント 清水亮社長(中編)

【スゴウデ社長interview】

2008年04月08日(火)

[ 79 号]


近藤: 競争が激しいモバイル業界で、他社と差別化していく上で心掛けていることや、気に留めていることはありますか?

清水社長: 誰よりも好きになることかな。誰よりもコンピューターやモバイル、ユーザー、コンテンツ、そういったものが好きだという愛情を持つことが大事だと思いますよ。好きだっていう気持ちがないと、すべて空しいものになってしまうんじゃないかなと思います。感謝と愛、それに限ると思います。

近藤: わかりました。本紙読者の中には、起業準備中や起業して間もない方が少なくないのですが、そういった方々に対してアドバイスなどをいただけますか?

清水社長: 僕自身、前の会社で企画部を見ていたのですが、そのために最初は企画の会社を立ち上げようと思ったんです。でも、モバイル企画の仕事は新しすぎて、当時そういう人があまりいなかったので、会社を大きくしようと思っても2、3人しか集まらなかったんですね。だから、違うかなと思って、結局もともと自分がやっていたエンジニアの力を活かせるエンジニアの会社に、方向を変えたんです。そう考えるとやっぱり、自分の根っこは大事にしたほうがいいんじゃないかと思うんです。たとえ見込みが薄くても、知らないことに手を出すよりはいいかもしれないと僕は思います。

 あと、ものすごく当たり前のことをきちんとやらないとだめだということ。経営って最後はきれいごとになると思うのですが、お客様は裏切らないとか嘘つかないとか、正しいことを賢くやるべきです。一時的には儲かっても、世間は見ていますから。速く儲けるよりも長く儲けることが大事ですから。

 もう一つアドバイスがあるとしたら、会社を作るのにお金はいらないということです。お金が無駄にあると失敗しますよ。お金がなくなったときにも、お金があることを想像して動くのでむちゃくちゃ危険なんですね。お金はなくてもいいと考えるところからスタートしなくちゃいけないと思います。僕は、ほぼ一文無しの状態で会社を作ったので、前の会社の上司にお金を借りよう思って相談したことがあります。そしたら、だめだとつき返されまして。でも今考えると、それは僕に対するすごい愛情だったと思うんです。ちょうど同じ時期に同じように起業した僕の知り合いは、上司に借金の保証人になってもらってお金を借りて会社を作ったんですが、2年で破綻しちゃったんですね。これはなぜかというと、お金の金額を判断できないときにお金を手にしちゃったからだと僕は思います。正しい使い方ができないんですよ。人間誰だって、3千万円自由に使っていいという状況には、立ったことがないんですから。使い方がわからないお金はきちんと使えませんよ。ちょうど補助輪のない自転車にいきなり乗るのと同じです。これって、ベンチャー企業にはよくありがちで、とにかく最初にお金を集めちゃう人が多いんです。これはあっという間に失敗しますよ。(つづく)

 「速く儲けるよりも長く儲ける」という言葉からも分かるように、「好き」「できる」という自分の本質を見極めた上で、長期的な視点でのお客様の満足度を向上させることが結局は会社の利益・良質なサービスの提供につながるんだなと改めて感じることができました。(近藤)
( 【インタビュアー】MEDIA EXPRESS 近藤誠 )

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