ネットバンキングも、もはや当たり前の感がある今日この頃。しかし複数のネット口座がある場合、口座ごとにアカウントやパスワードを入力するのは何とも煩わしいものだ。
ソニー銀行が3月26日から提供を開始したサービス「人生通帳」は、ソニーバンク口座だけでなく他行の口座情報も管理・表示が可能な優れもの。同種の機能(アカウントアグリゲーション)は既に他行も手掛けているが、110以上もの金融機関などのサービスを一覧できるのは「人生通帳」だけだ。また、各種ポイントも登録でき、異なるポイント間の交換シミュレーションもできるほか、ソニーバンクの残高情報を「収益性」と「リスク」の2つの指標でビジュアルに表現する機能も持つ。「ライフプランシミュレーター」の名に恥じない、カンタン・高機能のツールだ。

ソニー銀行のサービスサイト(http://moneykit.net/)
お客様サイドに立ったマネーツール
「人生通帳」の開発背景について、同社営業企画部マーケティング・オフィサーの河原塚徹氏はこう話す。
「これまでの金融ツールは操作や理解が難しくて、どちらかと言えば『金融機関のためのツール』でした。例えば資産運用している人でも、調べてみると月に一回くらいしか口座残高を確認していない。金融リテラシーが高いとされる人でさえそうでした。その反省に立ち、『人生通帳』はユーザーにとっての使いやすさを第一に考えました」

河原塚徹◆ソニー銀行株式会社営業企画部マーケティング・オフィサー。「リテラシーの高いユーザーが、こちらが驚くような提案をしてくれる。それに応えていくためにも、オープンなサービスを提供したいです」
個人が資産運用する時代、などと言われる昨今だが、金融ツールと聞くだけで気後れする人も多いだろう。記者自身「ポートフォリオ」や「ファンド評価」などの専門用語は、理解するより先に拒否反応が出てしまう。その点、「人生通帳」は、お金の動きが目で見て直感的に分かるのが最大の特徴だ。
例えば「お金マップ」では、ソニーバンク口座内の資産運用の状態が、文字通り一目で分かる。このマップを見ながら「リスクを取っても外貨預金を増やそう」などと金融プランを思い描くことも可能だ。

縦軸をリターン、横軸をリスクに取って、口座の残高情報を表示する「お金マップ」。円の大きさは各金融商品の預金額の大きさを表す
また、「ポイントマネージャー」では、現在の保有ポイント数や、ポイントサービス間でポイントを移動した場合のシミュレーション結果が確認できるほか、「カレンダー」ではお金やポイントに関するイベントを月単位で表示するなど、便利さが際立っている。

「ポイントマネージャー」で登録できるポイントサービスはANA、セゾンカード、ビックカメラなど20以上。今後も増える予定だ。ポイント残高が一目で分かるほか、ポイント交換のシミュレーションもできる

「カレンダー」ではGoogleカレンダーとのデータの連携が可能。お金に関する1ヶ月のイベントが表示され、ポイントやATMの利用履歴、クレジット引き落とし日なども表示される
「ぷよぷよ」の米光氏が開発に参加
この「人生通帳」、実はゲーム「ぷよぷよ」の開発者として知られるゲームデザイナーの米光一成氏がアドバイザーとして開発に参加している。米光氏は自身のブログで「ゲームを遊ぶみたいに、簡単に始められて、楽しく続けられて、いつの間にか金融リテラシーが身につく、というのが理想」と語る。マニュアルがなくても使え、そして「やってみたい」と思わせる楽しさを備えている、こうしたインターフェイスの考え方は「ゲームニクス」と呼ばれている。
「人生通帳」はお金が便利になるツールです、と話す河原塚氏。ゲームニクスによって金融の仕組みがぐっと身近になったと言える。
また、「人生通帳」はモバイルにも対応している。同種のサービスとしては国内初だ。「小さい子供のいる母親はなかなかPCを開けないが、ケータイなら子供を公園で遊ばせながらでも見ることができる」(河原塚氏)とのことで、生活者の視点が生かされている。
使い勝手の良さが受けてか、大々的に宣伝していないにもかかわらずサービス利用者は順調に増えているという。今後、ユーザーの要望を取り入れながら更に使いやすくするそうだ。
ちなみに「人生通帳」を利用するにはソニーバンク口座に10万円以上の預金残高が必要だ。記者も早速口座を作ったので、貯金がたまったら早速使ってみたい。
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文:斉藤円華、写真:更科智子
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