2006年4月、社内SNS「Nexti」を先進的に導入した株式会社NTTデータ(東京・江東、山下徹代表取締役社長)。所属部署や役職といった関係に限定されず、会ったことのない社員とも意見を交わしコミュニケーションを活発化させる――そんな環境構築を目指し、開始から2年が経った。これまでの経緯や今後の展開について、社内SNSの管理運営を担当する豊島やよい氏(営業企画部営業強化担当)と中沢剛氏(ビジネスソリューション事業本部W.E.Bサービスビジネスユニット)に話を聞いた。
――社内SNS導入の経緯は
中沢氏 弊社では、2015年のNTTデータのあるべき姿を再設定するという目的で、行動改革ワーキンググループ(WG)を立ち上げましたが、課題の一つにセクショナリズム(派閥主義)がありました。その解消のため、社員個人の情報発信と社員同士の新たなつながりを醸成する場を創ろうと考えました。人となりやプロフィールの情報があれば関係の構築につながりやすいと考え、SNSのシステムがそれに近いということで、導入を検討し始めたのです。

ビジネスソリューション事業本部W.E.Bサービスビジネスユニットの中沢剛氏。組織を超えた社員ボランティアメンバーが本業の合間を縫って、自主的にSNSを運営しているのが特徴だ
――導入にあたっての問題点
豊島氏 社員が(上層部からの)押しつけと感じないか、遊びのツールではなく会社で使えるツールとして認識してくれるか、そういった点に気を遣い、コンセプト作りをしたり、SNSを導入した想いを伝えるようにしました。

営業企画部営業強化担当の豊島やよい氏
中沢氏 導入時は人事やシステム部門などからの理解が必要で、説得して回る根回しが大変でした。どうやって運用していくのか、個人が発信する仕組みを全社的に導入するのは初めてだったので、運用ポリシーを詰めることも大きな作業でした。
豊島氏 当時副社長(現社長)の山下徹が肯定的に捉えてくれ、我々の活動の後ろ盾になってくれました。そのため表立っての反対はなかったのですが、例えば就業時間外にSNSを利用した場合、労務的にはどうなるのか、また、導入のメリットが見いだせないといった反論に対しては様子を見てくれるよう説得していきました。

SNS内には800超のコミュニティが立ち上げられ、社員間での情報交換や交流が行われている
――どのような使われ方をされているのでしょうか
中沢氏 当初、数十人のトライアルをクローズ環境で実施しました。2006年4月から全社員の招待を始め、一気に登録メンバーが増えました。現在も毎日加入者が増えています。登録は6300人、利用者のおおむね3分の1が常時利用しています。1日100~150エントリの日記が掲載され、コミュニティ数も800以上になっています。内容は業務以外のものも認めていて、業務に関係するものは半分強ぐらいですね。社長の山下がSNSを気に入っていて、日記も書くし、社員の日記にコメントもよく寄せています。日記を書いた人間はうれしいし、社長が日記を書くので、SNSを利用することに社員は安心感を持っています。
コミュニティ機能もあり、誰でも立てられるのですが、例えば「勉強会しませんか?」というのがあります。教えられること、教えて欲しいことについてトピックを立て、人が集まったら実際に勉強会が行われています。
豊島氏 趣味のトピックを立てることもできます。部署というカテゴリに入らない人間関係が築けるほか、業務で企画を立てる時に、「この趣味の人はどう考えるのか」という調査などでも使えます。また、日記は公開範囲を細かく決められますが、全社員に呼び掛けられるQ&Aを公開することも可能です。

親しみやすい「Nexti」のログイン画面
――導入後、どんな効果がありましたか
中沢氏 人脈作りのサポートや問題解決の手段としても使われています。これまでは組織として企画作りのプロセスは大変でしたが、個人のアイデア段階で広く意見を募れるようになりました。ある社員の社外人脈とか、意外な能力が見つけやすくなり、それを生かすようなやり方も出てきています。
経営陣のメッセージに対して日記でコメントすると、それに社長が答えることもあり、経営メッセージを理解するための場としても使われています。以前、当社の組織図は社長がトップのピラミッド型でお客様は下に位置しましたが、ある日記に書かれた内容を元に、お客様を上に配置した逆ピラミッド型の組織図を使うようになりました。
SNSのシステムは汎用的で洗練されているので、システムをどう使うか、あらかじめ考えておくことが重要です。導入時には苦労しますが、安定すると運営上はそれほど苦労しません。
社内SNS自体は、弊社WGのゴールではないので、行動改革を続けるという視点に立ち、次の課題と解決の抽出を続けていきます。この観点では、SNSがなくなるぐらいがゴールだと考えています。
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文:小山安博、写真:岡部ユミ子
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『 株式会社NTTデータ セクショナリズムの解消へ 』に対する






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