社会インフラ化目指す オープンソースSNS

[手嶋屋 OpenPNE]

2008年05月13日(火)

[ 82 号]

 OpenPNE(オープンピーネ)は、大手プロバイダSo-netの会員向けSNSサービス「So-net SNS」などに採用されているオープンソースのSNSシステムだ。昨今では企業での導入も増えており、NEC、東京海上日動あんしん生命保険などの社内SNSで利用されている。

 株式会社手嶋屋(東京・新宿、手嶋守代表取締役)では、2004年9月にオープンピーネの前身である携帯電話向けSNSシステムの開発をスタート。当時から「あらゆる組織に浸透して使っていただくためのコミュニケーションツールを目指していた」と、同社の手嶋守代表取締役は語る。

株式会社手嶋屋代表取締役の手嶋守氏。「OpenPNEの導入支援セミナーなども随時開催していきます」

株式会社手嶋屋代表取締役の手嶋守氏。「OpenPNEの導入支援セミナーなども随時開催していきます」


 「我々はSNSを『人と人とのつながりを表現するもの』と捉えています。mixiやGREE、モバゲータウンといった多人数のマス型エンターテインメント系SNSだけでなく、少人数であっても、また、生活やビジネスなどの用途でも、人のつながりがあるところには必ずSNSのニーズがあるだろうと考えていました」

 携帯電話向けSNSで手応えを得た同社は、続けてパソコン版SNSシステムを開発し、2005年にオープンソースのオープンピーネとしてリリースした。コミュニケーションツールとしてあらゆる組織に普及させる上で、オープンソース化は必然の選択だったという。

 現在、オープンピーネの月間ダウンロード数は6~7000。推定ユーザー数は300万IDで、3万以上ものSNSで使われている。利用されるSNSのジャンルも多岐に渡るが、中でも2007年後半から顕著に増えてきたのが、企業の社内向けSNSだ。

オープンソースで提供されているOpenPNEはすでに2万種類以上のSNSで利用されている。「マス型エンタメSNS」とは異なり、それぞれの用途に合った使われ方をしているのが特徴

オープンソースで提供されているOpenPNEはすでに2万種類以上のSNSで利用されている。「マス型エンタメSNS」とは異なり、それぞれの用途に合った使われ方をしているのが特徴


 社内SNSの活用法や重視するポイントは、企業規模によって大きく異なると手嶋氏は説明する。
「中小企業では、従来のグループウェアが担っていた機能をSNSでカバーしたいというニーズが強いですね。一方、大企業は硬直化した組織の風通しを良くしたいといった導入目的が多い。こちらはグループウェアはもちろん、ツールは山ほど揃っているので、SNSと各種ツールをスムーズに連携することが重要となります」

 なお、手嶋屋自体は総勢約20名の企業規模であり、もちろんオープンピーネで構築した社内SNSを導入済み。自身やグループメンバーのスケジュール管理などに日常的に利用している。同社では、こうしたグループウェア的な機能を強化した中小企業向けのASPサービス「OpenPNE Office」を今年7月より提供する予定だ。また、大企業のニーズにも対応すべく、オープンピーネの連携機能も強化。LDAPやActive Directoryなど既存の認証システムを利用して、SNSへのシングルサインオンを実現するID連携機能「SlavePNE」を実装している。逆に、オープンピーネの認証機能を使って外部アプリケーションにログインできる「MasterPNE」の開発も進めているという。

手嶋屋の社内SNS。「経費使いたいよコミュニティ」などを立ち上げ、資材購入申請にも活用している

手嶋屋の社内SNS。「経費使いたいよコミュニティ」などを立ち上げ、資材購入申請にも活用している


 「SNSはいずれ、電話やFAX、メールと同レベルのインフラとなるでしょう。そのために、まずは2010年までにオープンピーネを徹底的に普及させていきます」と意気込む手嶋氏。今秋リリースされる次バージョンの「OpenPNE 3.0」では多言語対応も果たし、より幅広い企業への浸透を図る構えだ。
( 文:萩原敬生、写真:藤村徹 )


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