リンクシェア・ジャパン株式会社 花崎茂晴 代表取締役社長に聞く

アフィリエイト市場に次の一手を

2008年05月13日(火)

[ 82 号]

 この数年拡大基調で推移しているアフィリエイト市場だが、昨年は伸びに陰りが見られた。矢野経済研究所が今年1月末に発表した報告によれば、昨年度の市場は700億円弱だが、市場の対前年度伸び率は2004年から一貫して鈍化している。また、アフィリエイターの継続率の低さも課題だ。
アフィリエイト業界の現状を打開する次の一手はあるのだろうか?

 有力アフィリエイターを対象とした意識調査(アフィリエイトマーケティング協会調べ)で昨年度「サービス満足度」と「好きなプロバイダー」両部門で第1位を獲得したリンクシェア・ジャパン株式会社の花崎茂晴代表取締役社長に話を聞いた。

リンクシェア ジャパン株式会社・代表取締役社長 花崎茂晴氏

リンクシェア ジャパン株式会社・代表取締役社長 花崎茂晴氏


 アフィリエイト、という言葉から連想しがちなのが「やっても儲からない」などというような事柄だが、実際のところはどうなのか。

 花崎氏は「確かに業界としても未来はバラ色では決してない」としながら、業界の最近の動向について次のように指摘する。「この所、急激に伸張しているのが『ポイント還元型』アフィリエイトで、なかでもクレジットカード会社を経由して購入するとポイントが付く『クレジットカード系』が急激に伸びている」

 これはインターネットユーザーがアフィリエイト契約しているクレジット会社に申し込み、そこを経由してECサイトでショッピングすることで、ポイントが受けられるという仕組みだ。

 アフィリエイトを「お得なお買い物ツール」としてインターネットユーザーが利用する「クレジットカード系アフィリエイト」の月別販売額は、2007年1月から今年3月までに七倍近い伸びを示しているという。

 そうなると不利に立たされるのが個人ブログを利用したアフィリエイターだ。商品購入の情報収集のためにユーザーがブログを訪れても、実際の購入はポイント還元型アフィリエイトを通して行うので成果報酬がブログアフィリエイターに還流せず、「どうせやっても儲からない」とモチベーションを損なう結果となる。

 ブログのクリック数は伸びても利益にならない―これを花崎氏は「最後の一踏み問題」と呼んでいる。

報酬得られる仕組みが重要

 このように、さまざまな仕組みと利益還元の流れがめまぐるしく錯綜するアフィリエイト市場だが、「自らの体験をもとに商品情報を提供してくれるアフィリエイトブロガーは重要な存在。しかし現状ではブロガーに正当な報酬を還流できておらず、現場からは悲鳴さえ聞こえる。ブロガーが継続できる環境作りが必要だ」と花崎氏は語る。

 そのためにリンクシェアではさまざまな施策を用意している。
 先月から始めた「リンクシェア・チャンネル」では、同社が提携するECサイトの商品に関するブログ記事を、審査した上でカテゴリー別にセレクトして公開している。

リンクシェア・チャンネル 先月17日にオープンした「アフィリエイトブログのポータルサイト」。700以上のブログが参加し、厳選された提携ECサイト商品のレビュー記事がカテゴリー毎に掲載される(http://ch.linkshare.ne.jp/)

リンクシェア・チャンネル 先月17日にオープンした「アフィリエイトブログのポータルサイト」。700以上のブログが参加し、厳選された提携ECサイト商品のレビュー記事がカテゴリー毎に掲載される(http://ch.linkshare.ne.jp/)


 「ブロガーにとって何よりも辛いのは『誰も見に来ないこと』(笑)。自分のブログに見に来てもらえる、そんな動線を作りたい」と花崎氏。これまではユーザーが商品名やECサイト名をキーワードに自分で情報収集しなければならなかった所を、リンクシェア・チャンネルは肩代わりしてくれる。さしずめ「アフィリエイトブログのポータルサイト」の趣だ。開始時点で既に700のブログが参加している。

 リッチコンテンツ化にも意欲的だ。アフィリエイトリンクとしてアップル、ベネッセやソニーなどの提携会社のブログパーツを作成するほか、昨年11月からはビデオリンクも開始した。「自分のブログに『ジャパネットたかた』の商品説明の動画を貼り付けることも出来ます。自分のブログで高田社長がセールストークしているのって楽しいでしょ(笑)」(花崎氏)

 更にアフィリエイターに向けて、提携ECサイトの商品に直接触れることのできる「アフィリエイト見本市」を行っている。
 「やはり情報がないとアフィリエイターにとっては記事を書くのが辛い。実際に商品を体験することで実感を込めて記事を書いていただけるようです。もう一つ、アフィリエイターは横の繋がりを持つ機会が少ないので、アフィリエイター同士の交流が出来るような場を提供するという意味もあります。仲間が出来れば『どうすれば報酬アップにつながるか』などの情報交換することもできます」(花崎氏)

 全国から参加者が集まり、これを楽しみに毎回欠かさず参加するアフィリエイターもいるとか。今週末の17日には第六回目となる見本市を都内で開催する。

 「ブロガーが楽しく続けられて、きちんと報酬を得られる仕組みが重要」と語る花崎氏の言葉には、良質なコンテンツを提供することで始めてアフィリエイト市場の成長も見込めるという氏の確固とした姿勢が窺える。

 今後はモバイルアフィリエイトや、アフィリエイト報酬を社会貢献プログラムに寄付できるチャリティ・アフィリエイトなどにも積極的に取り組む予定だ。

5月17日(土) 第6回 アフィリエイト大見本市

「体感、発見。リンクシェアのアフィリエイト」をテーマに開催。ベルメゾンやニッセン、DELLなど提携ECパートナーが多数参加。各種イベント、セミナー、「総額200万円の大抽選会」も用意されている。参加は無料(一部有料セミナーもあり)

■日時
5月17日(土)13:00~18:30
■会場
東京ファッションタウン(TFT)ビル
■交通
りんかい線:国際展示場駅下車徒歩約5分
ゆりかもめ(新交通):国際展示場正門駅下車徒歩約1分

詳細はイベント公式サイトにも掲載(http://www.linkshare.ne.jp/event/offline/2008/forum2008/)

詳細はイベント公式サイトにも掲載(http://www.linkshare.ne.jp/event/offline/2008/forum2008/)

( 文:斉藤円華、写真:岡部ユミ子 )

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