前号で最終回を迎えた連載企画「スゴウデ社長interview」は、現役東大生であり、かつ自身合同会社メディアエクスプレスの社長でもある近藤誠氏が、直に企業の社長に、会社や起業について聞くインタビュー企画だった。昨年1月18日に発行された本紙第22号より連載を開始し、全71回の掲載の中で、24社24名の社長が登場した。今回は特別企画として、創刊から2年強の本紙で1年半以上に渡ったこの好評連載を近藤氏に振りかえってもらった。(編集部)

「KLab真田社長は特にお会いしたかったこともあり、充実度も高く最も心に残るものになりました」(近藤)
―インタビュー連載、おつかれさまでした。24人もの社長に取材してきましたが、社長取材の魅力は何なんでしょうか?
近藤: まず、自分の会いたい経営者の方々に取材を介してお会いできること、これが一番です。先輩起業家とお会いして双方向で話せる時間を持てたことは、大きな財産です。起業家語録やインタビューを読むのとは雲泥の差だと思っています。トップに会って話を直に聞くことで、その企業のビジネスモデルの本質を理解できるのも魅力の一つです。商品を販売しているだけかと思いきや、見えないところで様々な実践的試行錯誤を試み、ビジネスモデルを日々修正・改善している企業もありました。あるインタビュイーから経営者を紹介していただき人脈が広がることや、インタビュー記事に興味を持っていただいた方から思いがけない話を伺えることも醍醐味ですね。この取材を通じて、ベンチャーキャピタルの方から何度かお話が舞い込むこともありました。
―もうこれだけは勘弁してくれというような失敗や経験はありましたか?
近藤: 名刺を忘れたり録音機器を充電し忘れていたりしたことでしょうか……充電し忘れた時は、1時間のお話を、用紙が真っ黒になるほど一字一句書き取りました。今思えば貴重な体験でしたが、申し訳ないの一言に尽きます。
―「これこそ億を稼ぐポイントだ」と思った発言はありましたか?
近藤: 「地道に仕事をこなして信用を重ねる」ことと「お金の流れを見極める」ことが企業成功の大きな要因の2つであり、取材させていただいた方々が口を揃えておっしゃっていました。口で言うのは簡単ですが、私もなかなか実践できていないのがこの2点です。やはり億単位の仕事を完遂するには、それまでに培ったスキル・経験・人脈がモノを言います。それらを培うために必要なのが、与えられた仕事を誠意を持って精一杯やり遂げるということであるのだと学びました。また、事業経営のトップに就いている訳ですから、当然ながら、会社のお金の流れを理解しておかなくてはならないのはやはり大事です。入るを量って出るを制する、量入制出こそ本質であると気付くこともできました。
―本企画で「意思決定のスピード」は一つのテーマでしたが、多くの社長の言葉を聞く中で見えたことはありますか?
近藤: 最も印象深い言葉の一つに、「決断と判断は根本的に違う」というのがあります。自分が持つ情報や積んだ経験に基づき合理的に物事の是非を決めるのが「判断」であり、「決断」は自分の意志・直感に基づいて是非を下すことである。経営者が多くの場面に求められるのは判断であるが、重要局面ほど決断が求められるのが現実社会である。しかしながら自分の意志・直感は情報や実経験の蓄積を根本として構築されているものであるので、経営の岐路に立つ経験を何度も重ね、可能な限り事象に関する情報を集めて精査することが、経営者としてのギラギラした直感を磨くことになり、規模が大きいほどスピードが要求される案件の決断に関して、導かれた自身の答えに決心を固めることができるのだと気付くことができました。
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