ネット社会の進展に伴ってホスティング業界の伸張が止まらない。ホスティングと言えば、一般的にはまだ共用サーバがイメージされるかもしれないが、ウェブビジネスの進展に伴う専用ホスティングの需要の伸びは、予想以上に大きいようだ。広告制作会社の株式会社リンクと、PC/AT互換機の中堅メーカーのエーティーワークスは、1996年11月から専用サーバに特化したホスティングサービス「AT-LINK専用サーバ・サービス(at+link)」を展開。契約台数は年々順調に増加し、2008年1月現在約8000台が稼働。抜きん出たサービスで優良顧客を獲得し、国内トップの地位を築いている。これまでの軌跡や今後の展開、サービスの特徴などを株式会社リンクの岡田元治・代表取締役社長と眞神克二・取締役営業部長に聞いた。
――at+linkは専用サーバホスティングでは業界ナンバーワンと言われています

at+linkを業界トップクラスに築き上げた岡田元治社長
岡田 若い業界なのでまだ正確なマーケットデータが存在する訳ではないのですが、12年前のスタート以来、いろいろな調査会社や出版社の方が「どうやら専用サーバのトップシェアは at+linkですね」と言ってくれるので、お言葉に甘えてナンバーワンを謳っています。累計1万5000台、現有でも8000台を超えていますし、他からの異議もないので、おそらくそうなんでしょう(笑)
――ユーザから一番支持をいただいた理由は何ですか
岡田 私たちは廉価版の専用サーバホスティングとしては業界で一番最初に「完全無償フルサポートサービス」を始めました。サービス開始当時はまだ、世の中は「サーバって何?」という状況で、共用サーバの使用料が50MBで月額5万円という、今では考えられないような相場だったのですが、そこに420MB使い切り、月額1万9000円という設定で挑戦を仕掛けたわけです。ただし当時は価格破壊の真っ最中でしたから、私たちは完全無償フルサポート、どこまでもゼロ円で付いていきましょう、と決めたのです。コピー機やファクスのリース料金レベルまで下げないと専用サーバなんて普及しない、という思いからそのような価格設定にしました。

サービスの特長を説明する眞神克二取締役
眞神 at+linkはオープンソースの普及とともに成長してきたサービスです。サービスを開始した96年という年は、リナックスをはじめとするオープンソースが商用サービスのプラットフォームとして使い始められた時期です。特に97~99年という事業の成長にとても大事な時期において、オープンソースを使ってサービスを立ち上げる事業者の多くがat+linkを選択してくれたことが、事業にドライブをかけられた大きな要因となりました。
岡田 99~2001年は年間1000台づつ増えていきました。学生時代に「at+link」のサーバで共用ホスティングを提供し、卒業とともにそのまま起業したというケースもあります。
――専用サーバ・サービスの一番の強みは何になりますか
岡田 我々はエーティーワークスという中小のPCメーカと組んでいる、これは強みでありアドバンテージです。これを大手メーカと組んでやるとすると、顧客とメーカと我々の三者の間でオンサイト保守契約を組まなければなりません。するとどうなるか。まず障害が発生したらその切り分けから入らないといけない。切り分けに時間を要し、復旧までにはさらに時間がかかるわけです。
例えばオンサイト保守の契約項目で「4時間以内で駆け付ける」という項目があるとすると、それは「切り分け後4時間以内」ということですから、切り分けに2時間を見て合計6時間となってしまうのです。一度我々のサービスを使い込んで頂いて、トラブルを経験した後で他社を使うと、「やっぱりat+linkはいいね」という評価を頂きます。
安心して使える環境作りが使命
――メーカと組むことでダウンタイムの短縮が可能になったということですね。
眞神 お客様が専用サーバ・サービスに何を期待しているのか、何にお金を払おうとするか。安定したインフラとサービスの拡張性というキーワードは、今や専用サーバの事業者として当たり前のことであり、お客様へのインセンティブとはなり得ません。サービスの差別化とは、障害の際に何をどこまでどういうタイミングでやってくれるのか、ということで決まってくるのだと思います。
具体的に言うと、原因の切り分けから障害箇所ごとの復旧体制や、最終的にお客様のサービスが再開されるまでの対応を曜日や時間帯ごとにどういう体制・フローで行っているのか、ということでしょうね。こうしたことがサービスレベルを比較するにあたって、非常に重要なポイントとなるのではないでしょうか。
専用サーバのレンタルを検討中の方にぜひアドバイスをしたいのですが、サービスを選ぶ時に、同じ条件での見積を取ると同時に、同じ条件での障害対応フローを出してもらうと一番良い選択が出来ます。『うちはここからは出来ません』とか『ここから先はお客様対応となります』とか、そこは嘘をつけませんから(笑)。いろいろなことが出てくると思います。そこが一番重要ですね。我々が専用サーバ・サービスを始めた当初、ユーザは手頃な価格に引き寄せられましたが、最近では、サーバから得る利益が経営を左右するようなユーザが圧倒的に増えてきています。広帯域を必要とし、時間帯によるアクセス数に大きなばらつきがあるようなサイトも増えてきています。そうした業者が適正料金で快適に使い続けられる、つまり選び続けられるサービスでありたいと考えています。このことが我々の最大かつ唯一のビジョンでしょうね。

Webサイトも「使いやすく分かりやすい」ものに(http://www.at-link.ad.jp/)
同サービスの成長の鍵は、愚直なまでにユーザサポートにこだわる所にあった。トラブルから逃げない、誠実な姿勢が多くのユーザに支持されているのだろう。
そして専用サーバ事業をステップに新たな領域に踏み込む大胆さ。at+linkはネット社会の先端に立ち続ける。
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斉藤円華、写真:更科智子
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